ビルズKバス、苦戦が続く中で61ヤードの決勝FGに成功して感情をあらわに
2024年11月04日(月) 12:16現地3日(日)、バッファロー・ビルズのキッカー(K)タイラー・バスが61ヤードのフィールドゴールに挑戦する際、すべての視線がバスに集まった。バスが今季に浮き沈みを繰り返してきたことを踏まえると、ハイマーク・スタジアムでどれほどの信頼がバスに寄せられていたかを疑問に思うのは当然だったと言えよう。
試合時間残り10秒の時点でキックの体勢を整えたバスは、ビルズとマイアミ・ドルフィンズが27対27で同点の状況の中、自分にとって最も重要なことに集中しようとしていた。
チーム公式サイトによると、バスは試合後に「とにかく自分がこれを愛していること、このスポーツが大好きだっていうことを思い出していた。これが自分の夢だったんだ」と話したという。
バスのキックは正確で、飛距離も十分だった。その結果、ビルズは30対27で勝利し、AFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)東地区の王座を握った。バスにとって今回のキックは、2020年シーズンに新人として記録した58ヤードを上回る、キャリア最長のものとなっている。
バスは「今この瞬間、現在に集中し、すべてのことにじっと耐えていた」とコメント。
「誰にでも浮き沈みがあることは分かっているけど、とにかく最善を尽くし続けることが大事だ。俺たちは今日、それを成し遂げた。だから、とても感情的になった」
フィールドゴールが決まった後、ハイマーク・スタジアムは大歓声に包まれた。ビルズファンは今シーズン、バスの不安定さを目の当たりにしている。バスは今回の試合でもエクストラポイントを外した上に、別のキックがゴールポストに当たって運良く通り抜けるという場面もあった。
バスは接戦の末に制したシーズン第7週のニューヨーク・ジェッツ戦でもフィールドゴールとエクストラポイントをそれぞれ1回ずつ外している。現時点でバスは9試合に出場し、3回のフィールドゴールと3回のエクストラポイントに失敗している状態だ。
ビルズは数週間前にキッカーのトライアウトを行い、練習時の競争相手として、また保険として、ルーカス・ハービシックと練習生として契約。しかし、ビルズはハービシックを先週にカットし、バスへの信頼が高まったことを示した。
バッファロー・ビルズのヘッドコーチ(HC)ショーン・マクダーモットは試合後に「ここには厳しい状況を乗り越え、毎週のように質問を投げかけられる状況を経験してきた若者がいる」と述べ、こう続けている。
「これはメンタルの強さを示す素晴らしい例だと思うし、忍耐力や回復力を示す素晴らしい例でもある」
「若い子たちに伝えたいのは、彼はかなり厳しい視線を浴びてきたということ。シーズン中に彼と競わせるために別の選手をここに連れてきたが、彼がひるむことはなかった」
今回のプレーはバスにとって今季初のビッグキックとなった。昨季に行われたディビジョナルラウンドのカンザスシティ・チーフス戦の最後にバスがフィールドゴールに失敗したことは、今もなお生々しい傷跡を残している。しかし、バスはこれまでの実績から勝負どころでしっかりと決めるキッカーとしての評価を得てきた。日曜日の決勝点により、バスはキャリアの中でレギュラーシーズンの第4クオーター終了間際あるいはオーバータイムに8回連続でフィールドゴールに成功したことになる。
また、バスは試合の後半に同点に追いつく、あるいはリードを奪うチャンスが訪れた際に16回連続でフィールドゴールを成功させており、これは現役選手としてNFL最長記録だ。
今回の試合の後半に3回のタッチダウンパスを通したクオーターバック(QB)ジョシュ・アレンは、ビルズが最も必要としているタイミングで長年のチームメイトが活躍する姿を見て、胸がいっぱいになったと話している。
アレンは「彼のことがとても誇らしい。本当に良かった」と語り、次のように続けた。
「試合後のちょっとしたスピーチで感情的になってしまった。彼がこの1年を通して経験してきた試練や苦難を思い出してね。これは物語になるようなことだ」
「彼のことが大好きだし、ものすごく尊敬している。ロッカールームのみんなが彼を思って喜んでいるし、彼は俺たちの仲間だ」
【RA】