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セインツがリジー暫定HC就任後初の試合で連敗を脱出

2024年11月11日(月) 15:02


ニューオーリンズ・セインツの暫定ヘッドコーチ(HC)ダレン・リジー【AP Photo/Butch Dill)】

7連敗を喫していたニューオーリンズ・セインツは現地10日(日)にダレン・リジーが暫定ヘッドコーチ(HC)として初めて臨んだ試合で地区ライバルのアトランタ・ファルコンズに20対17で勝利し、連敗を脱した。

切望していた結果を手に入れたのは、チームがデニス・アレンの解雇から始まった激動の1週間を経てそのプロセスを受け入れたからだと述べたリジーは、試合後に次のように話している。

「信じられないような1週間だった。選手たちにも言ったばかりだが、組織全体が完全に受け入れなければ、このような、今日のようなことは起こらなかった。皆さんもあらゆる変化について報じていて、それはそれでいいのだが、大事なのは受け入れ、実行、準備だ。ちょうど彼らにも、良い準備に代わるものはないと話したばかりで、今週の練習は本当に素晴らしいものだった」

今回の試合で好調なスタートを切ったセインツは、序盤4回のポゼッションのうち3回で合計17得点を挙げた。その中で唯一得点に結びつかなかった最初のドライブでも、セインツのオフェンスは存在感を示して93ヤード前進。ゴールラインまで6ヤードというところで攻守交代となったが、リジー率いるチームは試合に臨む準備ができていることを確かに見せつけた。

クオーターバック(QB)デレック・カーはパス25回中16回を成功させて269ヤード、タッチダウン2回を記録してチームを先導。その2回のタッチダウンパスを受け取ったのは、セインツに加入したばかりのワイドレシーバー(WR)マルケス・バルデス・スカントリングで、3回のキャッチで109ヤードを記録している。スターランニングバック(RB)アルビン・カマーラは55ランヤード、109スクリメージヤードをマークし、いつも通りセインツのオフェンスをけん引。その過程でフランチャイズのランヤードの歴代最多記録を更新した。

しかし、セインツのオフェンスは試合後半に調子を崩し、ファルコンズ陣地に入った唯一のポゼッションでわずか3点しか獲得できなかった。その結果、後半開始直後に得点を10ポイントに伸ばしたファルコンズに追い上げを許したが、そこでセインツのディフェンスが本領を発揮している。

フリーセーフティ(FS)タイラン・マシューはQBカーク・カズンズが放ったパスを奪い取り、試合時間残り1分59秒の時点でファルコンズのドライブを止めた。ファルコンズはその後すぐにスリーアンドアウトを強いてボールを奪い返したが、今度はセインツ守備陣が試合最後のドライブでファルコンズを封じ込めている。

リジーは「これ以上ないほど誇りに思う」とコメント。

「チームにも話したばかりだが、私は長い間、大学とNFLに身を置いてきたが、彼らがすべてにうまく対処する姿に、今までにないほど誇りを感じた。困難な状況であれば、諦めると言うのは簡単だが、今週は誰もそんなことをしなかった」

セインツが日曜日にエネルギッシュなプレーを見せたのは、週の初めにヘッドコーチと決別したチームとして珍しいことではない。セインツにとって確実に違った点、そして新鮮だった点は、ニューオーリンズの観衆から発せられる強いエネルギーであり、それはファルコンズのキッカー(K)ヤンオエ・クーが3回のフィールドゴールを外す要因の1つとなった可能性がある。

リジーはセインツの選手たちと共にフィールドで祝うために全力を尽くしたが、身体的に支障がある様子が見受けられた。リジーはディフェンシブエンド(DE)ペイトン・ターナーに背中の不適切な場所にぶつかられたことで左腕が“完全にしびれてしまった”と説明し、その原因の一部は過去にスティンガー症候群を患ったことにあると話している。素晴らしい結果を残した日曜日の締めくくりとしては奇妙なものになったが、初めて指揮官として臨んだ試合当日についてのリジーの説明の方が風変わりだったと言えよう。

「私の1日はこうして始まった」と述べたリジーはこう続けた。

「スーパードームに到着して、これまで使ったことがなかったヘッドコーチのロッカールームに入った。朝早くにトイレに行ったら、詰まらせてしまってね。そうやって1日が始まった。“今日は最悪な1日(crappy day)になりそうだ”って思った――シャレのつもりだ」

リジー本人はもちろん、スーパードームのスタッフや他の全員にとっても幸いなことに、リジーがデビューを果たした日は始まり方とは異なる形で幕を閉じた。セインツ(3勝7敗)はクリーブランド・ブラウンズ(2勝7敗)を迎え撃つ来週も良い流れを維持できることを願うだろう。

【RA】