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スティーラーズ戦に向け、膝を負傷した場所での試合を「普通の試合」と捉えるブラウンズRBチャッブ

2024年11月20日(水) 14:35


クリーブランド・ブラウンズのニック・チャッブ【AP Photo/Kirk Irwin】

クリーブランド・ブラウンズのランニングバック(RB)ニック・チャッブにとって、現地21日(木)に行われるピッツバーグ・スティーラーズ戦は単なる試合ではないはずだが、本人はそのように扱っている。

スティーラーズの本拠地で行われたプライムタイムの試合で膝を負傷してから430日後、チャッブが木曜夜にアクリシュア・スタジアムに戻ってくる。

しかし、物静かで感情を表に出さないチャッブにとって、特別な動機や注目を浴びる理由はない。本人にとってそれは2024年シーズンの5回目の試合であり、キャリア通算82回目の試合に過ぎないのだ。

チャッブは火曜日に「俺にとってはいつもと同じ普通の試合で、同じように頑張るだけだ。試合に出て素晴らしいチームと対戦することを楽しみにしている」と報道陣に語っている。

試合に向けてのそうした姿勢は、チャッブの長年のチームメイトであるディフェンシブエンド(DE)マイルズ・ギャレットにとっては意外ではなかったようだ。キックオフの瞬間には何かが変わるかもしれないが、今のところチャッブは普段通りの冷静さを保っている。

「彼はいつもと同じように落ち着いて真面目な態度を崩していない。試合に出たら変わるかもしれないけど、今はいつも通り冷静だ」とギャレットは明かした。

チャッブは最後にピッツバーグでフィールドに立った際にキャリー10回で64ヤードを記録するなど素晴らしいスタートを切ったが、スティーラーズのフリーセーフティ(FS)ミンカ・フィッツパトリックのヒットを受けた直後にカートに乗せられてフィールドを後にしている。その後、チャッブはMCL(内側側副靭帯/ないそくそくふくじんたい)、半月板、ACL(前十字靭帯/ぜんじゅうじじんたい)の修復手術を受けることになった。

28歳のチャッブは過去に、フィッツパトリックに対して悪い感情はなく、自分が受けたヒットを汚いプレーだとは思っていないと明言している。しかし、フィッツパトリックから連絡を受けたことは一度もないようだ。

「あのときにフィールドで話したけど、それだけだ」とチャッブは明かしている。

NFL入りする前にMCL、PCL(後十字靭帯/こうじゅうじじんたい)、LCL(外側側副靭帯/がいそくそくふくじんたい)を断裂していたことが、前回のケガをより厄介なものにした。復帰までの道のりがどれほど困難だったかは、ギャレットもよく理解している。

「彼がここにいること自体、本当に素晴らしい」とコメントしたギャレットはこう続けた。

「彼は1度だけじゃなく、2度も復帰したんだ」

「彼はフィールドに立つたびに、最も運動能力の高い選手の1人になる。その99%、いや95%の状態に戻るだけでも途方もない努力が必要だ。彼はチームのために大きなプレーを決められる状態にもっていって、いつもと同じようにチームの要になれるように全力を尽くした。だから、彼のことはものすごく尊敬している」

復帰までの長い道のりを経て、チャッブはシーズン第7週に行われたシンシナティ・ベンガルズ戦で2024年シーズンデビューを果たした。

チャッブは復帰戦で1回のタッチダウンを決めたものの、過去の素晴らしいシーズンと比較すると、全体的に苦戦を強いられている。

4試合を通して、チャッブはキャリー53回で163ヤード、タッチダウン1回を記録。キャリー平均ヤード(3.1ヤード)はキャリア最低となっている。

膝の手術を受けた選手がすぐ調子を取り戻すことは稀である上に、所属しているブラウンズが2勝8敗という厳しいシーズンを送っているため、チャッブの状態は驚きではない。

とはいえ、プロボウルに4度選出された経歴を持つチャッブは着実に進歩しており、週ごとに自分自身に挑戦している。

「ここに来てからずっと、自分が試合に出て、どんな状況でも良いプレーをすることを誇りに思ってきた。だから、とにかく心を整え、身体の準備をする。試合に出て、何が起ころうとチームのためにできることをするだけだ」とチャッブは語った。

木曜日の試合はチャッブにとって11回目のスティーラーズ戦となる。チャッブがスティーラーズ戦で100ヤード超えを達成したのは2回だけで、タッチダウンを記録したのもその2試合だけだ。ブラウンズはいずれの試合も勝利したが、試合会場はアクリシュア・スタジアムではなかった。

チャッブは木曜日にそれらをすべて変えることを目指している。フットボール界はチャッブがシーズン終了につながる膝のケガに見舞われた現場に再び戻ってくることについて大騒ぎするはずだが、チャッブ自身はいつも通りの姿勢で臨むだろう。

「ああ、俺はそういう人間だ。つまり、これはフットボールの試合で、俺はそこに出てプレーしなきゃいけない。誰が相手であろうと、どんな状況であろうと、俺は常に同じ心構えで臨む」とチャッブはコメントしている。

しかし、チャッブは天気予報のある側面についてはワクワクしているようだ。木曜夜、ピッツバーグでは気温が華氏30度台(摂氏約マイナス1度から4度)になる見込みで、雪が降る可能性もある。これはランプレーに適した天気だ。

「いつだってランプレーに適した天気であるべきだ」とチャッブは笑みを浮かべた。

雨やみぞれ、雪が降っても、あるいは、痛々しいケガに見舞われた場所に戻ることになっても、チャッブは常にランプレーで結果を出すつもりだ。そして、いつもと同じ気持ちでスティーラーズに挑むつもりのチャッブはこう話している。

「それは毎年、フィジカルな戦いになる」

【RA】