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8週間離脱のRBマカフリーに全盛期のプレーを期待するのは「不公平」と49ersのシャナハンHC

2024年11月29日(金) 11:31


サンフランシスコ・49ersのクリスチャン・マカフリー【AP Photo/Matt Ludtke】

9週間にわたって復帰が待ち望まれていたサンフランシスコ・49ersのランニングバック(RB)クリスチャン・マカフリーだが、フィールドに戻った際のパフォーマンスは期待されたほどの成果を挙げていない。

ヘッドコーチ(HC)カイル・シャナハンは、マカフリーに寄せられる期待が過度で非現実的だったと指摘しつつ、彼を最も厳しく追い込んでいるのは他でもないマカフリー自身だと語る。それこそが、マカフリーの偉大さの源だと強調した。

シーズン第12週のグリーンベイ・パッカーズ戦で、マカフリーはわずか31ヤードのラン獲得に終わり、カロライナ・パンサーズに在籍していた2022年シーズン第4週以来の最低記録を更新した。試合後、マカフリーはロッカーで悔しさを噛み締める姿を見せたが、その姿勢についてシャナハンHCは、オールプロ選手としての気概を示すものだと高く評価している。

チームの記録によれば、シャナハンHCは「クリスチャンが素晴らしい理由はそこにある」と述べたという。

「前にも話したと思うが、彼はかなりストイックだ。試合の終盤でファンブルしたけれど、私が何を言おうと、彼はそのファンブルを一生許さないだろう。それが彼の性格であり、全ての物事に対する考え方なんだ。OTA(チームの合同練習)でボールを落としただけでも、後でわざわざ謝りに来るような男だ。それこそが彼を偉大にし、彼自身もその価値観を何より大切にしている」

とはいえ、2024年シーズンのここまでの3試合では、マカフリーのその偉大さを垣間見る場面は少なかった。パッカーズに敗れた試合の第4クオーターでは、クオーターバック(QB)ブランドン・アレンからのパスで23ヤードを稼ぐプレーを見せたものの、シャナハンHCが言及した通り、その直後にファンブルを喫してしまった。

このミスを乗り越えられるかは今後の課題だが、昨季に攻撃部門年間最優秀選手賞を受賞したCMCことマカフリーが本来の姿に戻れば、現地1日(日)にバッファロー・ビルズとの試合を控え、現在5勝6敗で2連敗中、プレーオフ争いから脱落しかけている49ersにとって大きな力となるだろう。ただし、アキレス腱とふくらはぎの負傷によりトレーニングキャンプと開幕から8試合を欠場していたマカフリーに対し、シャナハンHCは過度な期待は現実的でないと指摘している。

「クリスチャンに関する憶測は少し不公平だと思う」とシャナハンHCは語った。

「彼は素晴らしいプレーをしているし、全力で取り組んでいる。ただ、オフシーズンを丸々欠場した選手が復帰したその日から以前と全く同じプレーをすると期待するのは、どんな選手に対しても不公平だ」

「オフシーズンやトレーニングキャンプを休んだ選手は通常、開幕時に前年と同じ調子に戻るまでに少し時間がかかる。ましてやシーズン半ばまで試合に出られなかった選手に対してなら、なおさらだ。クリスチャンは素晴らしい仕事をしているが、シーズン第8週に復帰し、ここ9カ月間ほとんど何もできなかった選手がいきなりMVP級のパフォーマンスを見せると期待するのは非現実的だ」

ここまでの3試合でラッシングヤードは149ヤードと物足りない数字だが、マカフリーがかつてのようなスター選手としての輝きを取り戻す可能性は十分にある。残念ながら、それを実現するための時間は限られているかもしれない。

QBブロック・パーディー、ディフェンシブエンド(DE)ニック・ボサ、オフェンシブタックル(OT)トレント・ウィリアムス、ワイドレシーバー(WR)ブランドン・アイユークなど、多くの選手が負傷している状況で、マカフリーがどれほどトップパフォーマンスを見せられるかは重要ではないかもしれない。それでも、49ersはマカフリーからさらなる生産性を求めており、それはシャナハンHCのコールからも明らかだ。復帰後のマカフリーは43回のキャリーを記録しているのに対し、ジョーダン・メイソンとアイザック・ゲレンドのキャリー数は合わせて7回にとどまる。

「われわれは3人をローテーションで使うだけのチームではない。特に、明確なスターターがいる場合はなおさらだ」とシャナハンHCは話している。

「これ以上クリスチャンをフィールドから外すつもりはない。彼をベストな状態で保ちたいとは思っているが、クリスチャンはプレーを重ねるほど調子が上がるタイプの選手だ。それに、彼自身もフィールドに立っている時の方が落ち着いていられる」

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