2025年シーズンはフェイスマスクのペナルティにリプレーアシスト導入の可能性
2024年12月12日(木) 12:44NFLのフットボール運営部門副社長のトロイ・ビンセントが現地11日(水)に12月のリーグミーティングの場で報道陣に対し、来季からフェイスマスクのペナルティにリプレーアシストが適用される可能性があると語った。
今シーズンは特にプライムタイムの試合で明らかな見逃しが多数発生したため、現在レビューの対象となっていないフェイスマスクのペナルティには厳しい視線が注がれている。
月曜日に行われたシンシナティ・ベンガルズ対ダラス・カウボーイズ戦の第4クオーターで、カウボーイズの守備選手がストリップサックの際にベンガルズのクオーターバック(QB)ジョー・バロウのフェイスマスクをつかんでねじったにもかかわらず、審判はこの反則を見逃したと見られている。また、今季はこれまでにも明らかな反則が見逃されており、ミネソタ・バイキングスのQBサム・ダーノルドがロサンゼルス・ラムズに敗れた試合の最終ドライブで、ラムズの守備選手からヘルメットをつかまれている。
ビンセントは水曜日に、審判の位置や試合の速度により、フィールド上で即座にフェイスマスクの反則を判断することは難しい場合があると認めた。だからこそ、リプレーアシストが役立つ可能性があるのだ。
「確かに気がかりだ。なぜなら、それは重大な見逃しであり、反則だからだ」とビンセントは述べている。
「われわれとしては、会員に検討してもらいたいのは、見えているその反則カテゴリーについて、フィールドに判定をサポートする仕組みを導入することだ。なぜならそこにフラストレーションが存在しているからだ。われわれはそれを修正できる可能性があるカテゴリーだと思っている」
リーグは従来、主観的なプレーをレビューの対象とすることをためらっており、パスインターフェアがレビュー可能となったのは2019年シーズンのみだ。また、NFLはフィールドでペナルティが科せられなかった場合にリプレーでペナルティがあったと判断することを認めてこなかった。
15ヤードのペナルティを伴うフェイスマスクの反則をレビュー可能にすれば、その前例は変わるだろう。
ビンセントは水曜日に「会員はその基準をどうしたいかをしっかりと決めなければならない」と話している。
「つまり、主観的なものや客観的なものの一部を含めたいかどうかということだ。それが、われわれがいつも“這う、歩く、ジョギングする”と言う理由だ。今年はフェイスマスクが明らかに目立っているし、繰り返し発生している。数年前はラフィングザパサーやローコンタクトが問題になっていたかもしれない」
「その意欲は会員から出てこなければならない。委員会では、われわれが一体となってアシストできると感じられる部分について話し合う。その意欲とは何か? 今年はまず頭部や首の領域へのヒットについて着手した。その点についてはかなりうまくいったと思う。今後はフェイスマスクにまで範囲を広げ、下肢はそのままにしておくかもしれない。それについては会員から出てくる必要がある」
NFLコミッショナーのロジャー・グッデルはフェイスマスクのペナルティがレビュー可能になる可能性については言及しなかった一方で、リプレーアシストについては水曜日のミーティングで詳細に話し合われたと報道陣に明かしている。
「われわれはそれを拡大することを検討している」とグッデルは語った。
「実行できる方法について委員会に提案するつもりだ。現在は委員会の権限外であるかもしれない反則が、来シーズンまでに彼らの権限内になることを期待している」
また、ビンセントはリプレーアシストを検討すべき他の分野として、無防備な選手へのヒット、トリッピング、フェアキャッチ、不正なバッテッドボール、不正なダブルチームブロック、キックオフ時の不正なフォーメーション、挑発行為などを挙げた。
水曜日にビンセントとグッデルが話し合ったその他のトピックは以下の通りだ。
◆ビンセントは深刻なケガにつながる可能性のあるローブロックを排除したいというリーグの意向を強調。「膝より下のローブロックは試合から排除すべきだ」と述べたビンセントは「高校や大学を見ても、すべてのブロックは膝より上、首より下でなければならない。われわれが頭部や首の領域に関して行ってきた取り組みや、試合から排除してきたものを考慮すると、今こそローブロックを試合から排除する適切な時期だ。高校や大学と一貫性を持たせよう。すべてのブロックは膝より上、首より下であるべきだ」と続けた。
◆リーグは1年間キックオフのルールを大幅に変更した後、オンサイドキックの変更を検討する見込みだ。ビンセントはオンサイドキックの成功率の低さについて「われわれはそれについて検討する必要がある。それは機能していないプレーだ」とコメントし、「儀式的なプレーで、リカバリー率が非常に低い。オフシーズン中にキックオフや、タッチバックエリアをどこにすべきかを検討するときに、オンサイドキックについても再考する必要がある」とつけ加えた。選択肢としては、一定のヤード数を獲得してボールを保持するために、チームにプレーを1回実行する機会を与えることが考えられている。
◆ワシントン・コマンダースが新スタジアムの敷地として検討している場所にはメリーランド州、バージニア州、コロンビア特別区が含まれ、その中でも特に1つの場所での作業が段階的に進んでいる。グッデルとコマンダースのコントローリングオーナーであるジョシュ・ハリスは先週、ワシントンにあるRFKスタジアムの敷地について議会議員たちと話し合った。この敷地については何よりも先に、土地をコロンビア特別区政府に移管するための法案を議会で通過させる必要がある。「私は超党派の支持があると思っている」と述べ、早期の採決を望むとつけ加えたグッデルは「われわれが前進していく中で、コマンダースにとって少なくとも1つの代替案になるよう、これが検討され、承認されることを望んでいる。私はワシントンで育ったので、多くのファンにとって胸が躍るようなことになると分かっている」と話している。
◆NFLは18試合制について引き続き協議中だが、それには選手会からの承認が必要となる。「分析を行っているところだと言えるが、現時点ではまだ何の計画もまとまっていない」とグッデルは述べ、「分析結果は選手会と共有され、変更には選手会の同意が必要になるだろう」と続けた。
【RA】