WRエバンスの159ヤード、2TDの大活躍でバッカニアーズがチャージャーズに快勝
2024年12月17日(火) 13:03ターンオーバーを2回喫したタンパベイ・バッカニアーズは、前半を終えた時点でロサンゼルス・チャージャーズにリードを許していた。後半で勢いをつけたいところ、ワイドレシーバー(WR)マイク・エバンスが爆発した。
スターWRのエバンスはスクランブルプレーでディフェンスのすきを突き、クオーターバック(QB)ベイカー・メイフィールドからのパスで57ヤードのタッチダウンに成功。さらに2ドライブ後、エバンスはチャージャーズ守備陣を再び翻弄し、35ヤードのタッチダウンを決めた。これで試合の流れは一変し、前半のビハインドは2桁リードに逆転。試合終盤に27得点を連取したバッカニアーズが40対17で勝利を収めた。
チームの記録によると、ヘッドコーチ(HC)トッド・ボウルズは試合後、エバンスについて「彼は間違いなく殿堂入りする選手だ」と話したという。
「彼はここ一番で素晴らしいプレーを見せる。このチームに与える精神的、肉体的、そしてチーム全体への影響力は計り知れない。彼のメンタルの強さは、すべての選手が目指すべき姿だ。タフで、コミュニティにも貢献し、体調管理も徹底している。シングルカバーでもダブルカバーでもビッグプレーを決めるし、ブロックにも献身的だ。これ以上望むものは何もない」
現地15日(日)の活躍を抜きにしても、エバンスを“殿堂入り確実”と評するのは決して大げさではない。エバンスは過去10年間にわたり一貫してトップレベルのパフォーマンスを維持し、ジェリー・ライスの持つ11年連続1,000ヤードレシーブの記録に迫っている。キャリア最初の10シーズンすべてで1,000ヤードを達成してきたが、今季はハムストリングの負傷で3試合を欠場し、記録が危ぶまれていた。それでも、今回の159ヤード、タッチダウン2回の爆発的なプレーで、記録達成に向けて大きく前進した。
これまでのエバンスの成績は43回のキャッチで590ヤードとタッチダウン7回だったが、この試合でキャッチ9回、159ヤード、タッチダウン2回を記録し、1,000ヤード達成が現実味を帯びてきた。残り3試合で必要な平均ヤードは1試合あたり83.6ヤードとなっている。
前半終了時点でエバンスはキャッチ6回で44ヤード、最長のキャッチは12ヤードにとどまっていたが、後半に入るとバッカニアーズのオフェンス全体と同様に爆発し、ビッグプレーを連発。チームは4連勝を飾った。エバンスの最初のタッチダウンが試合の流れを大きく変えている。
メイフィールドは「マイクはどんなプレーでも試合を変えることができるけど、あのスクランブルプレーは本当に見事だった。右サイドのアウトサイドレシーバーの位置からフィールドを横切るように走り続けた。俺はダウンフィールドを見ながら彼の動きを追い続けた。彼はいつも全力で動いている」とコメント。
「ボールをしっかりキャッチしてくれたのはもちろんだが、彼がすごいのはその後だ。キャッチしてからもとにかく走り続ける」
プロボウル級の活躍を続けるメイフィールドと、殿堂入り確実なパフォーマンスを見せるエバンスのコンビによって、8勝6敗のバッカニアーズはNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)南地区の首位を守りながら2位との差を広げた。『Next Gen Stats(ネクスト・ジェン・スタッツ)』によれば、アトランタ・ファルコンズがマンデーナイトの試合を控える中、バッカニアーズの地区優勝確率は81%にまで上昇したという。
守備陣には負傷者が続出しているものの、バッカニアーズは優れた攻撃力を武器に強豪相手にも力の差を見せつけた。メイフィールドは、オフェンスの多彩な武器を最大限に活用した攻撃コーディネーター(OC)リアム・コーエンの手腕を称賛している。
「俺たちを止めようとする相手の守備コーディネーターは頭を抱えているはずだ」とメイフィールドは語った。
「俺たちは13(タイトエンド/TE1人、WR3人)、21(ランニングバック/RB2人、TE1人)、11(RB1人、TE1人)パーソネルと、フォーメーションを次々に変える。そんな攻撃は簡単には守れないだろう。しかも、同じフォーメーションから多彩なプレーを仕掛けるから、守り切るのは大変だ」
そして何より、150ヤードを爆走する殿堂級のレシーバーがいることが、バッカニアーズの最大の強みだ。
【R】