ラムズがついに決断、QBゴフがドルフィンズ戦に先発へ
2016年11月16日(水) 11:28ロサンゼルス・ラムズがドラフト全体1位で指名したクオーターバック(QB)のジャレッド・ゴフにようやくチャンスがめぐってきた。
『NFL Network(NFLネットワーク)』のマイケル・シルバーは日本時間11月21日(月)にラムズの本拠地で行われるマイアミ・ドルフィンズ戦でゴフが先発する予定だと伝えた。これは『ESPN』が最初に報じたもので、チームも後にこれを認めている。今季これまで9試合に先発したQBケイス・キーナムは9対6で辛勝した先週のニューヨーク・ジェッツ戦で1タッチダウンしか決めることができなかった。
ヘッドコーチ(HC)ジェフ・フィッシャーはファンの意見を優先して今回の決断を下したわけではないが、第9週のカロライナ・パンサーズ戦でゴフの名前を連呼して止まなかったスタジアムの8万人以上の観衆をなだめる必要はあったかもしれない。
とはいえ、この決断はタイミングが少々遅かったと言えるだろう。NFLネットワークのスティーブ・ワイクはかつて、ゴフがレギュラーシーズン中の練習でも着実に進歩している一方、キーナムにはゴフと同じような改善が見られていないと報じていた。ラムズのロンドンゲーム以降、キーナムがQBを務めた34回のドライブでは5度のインターセプト、試合終了間際での1タッチダウンをマークしたのみだ。
プレシーズンではチーム2番手QB争いでQBショーン・マニオンにも勝ることのできなかったゴフであったが、現在では2番手QBのポジションに定着している。他チームの新人QBダック・プレスコットやカーソン・ウェンツ、そしてコーディ・ケスラーが本番での経験値を積み上げる一方で、ゴフはじっとその時を待つしかなかった。
新人のゴフにはまだ早すぎるといった見方もあるが、ラムズが見通さなければならないのは何も2016年シーズンだけではない。今季4勝5敗のラムズはまだNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)のプレーオフレースから脱落していないものの、将来的な希望がないままでのプレーオフ進出よりも、ゴフが経験を積んで成長することの方が今後のラムズにとってはより重要であることは確かだ。ニューヨーク・ジャイアンツのQBイーライ・マニングも頻繁に新人時代の苦い経験が今の糧となっていると語る。
また、ラムズの攻撃陣にこれ以上悪くなる要素はないという意見も聞かれる。得点力でリーグ最下位に沈む攻撃陣の息を吹き返すのは新人QBのゴフなのかもしれない。ワイドレシーバー(WR)のケニー・ブリット、タボン・オースティン、そしてチームの看板選手であるランニングバック(RB)トッド・ガーリーの復活と共に、ラムズは攻撃陣の再建を狙うのだ。
ゴフの初戦の相手は守備陣に定評のあるドルフィンズとなるが、その後のスケジュールは比較的こなしやすい相手となる。ニューオーリンズ・セインツ、アトランタ・ファルコンズ、サンフランシスコ・49ersと対戦し、第15週のシアトル・シーホークス戦が一番の勝負所となりそうだ。
ゴフが実戦を通し、できる限り多くを学習してもらうことをラムズは切に願っているに違いない。