ニュース

今季を3勝14敗で終えるもジャイアンツのダボールHCとシェーンGMは4年目も続投へ

2025年01月07日(火) 11:12


ニューヨーク・ジャイアンツのヘッドコーチ(HC)ブライアン・ダボール【AP Photo/Derik Hamilton】

ニューヨーク・ジャイアンツは2024年シーズンをNFLで最悪の成績で終えたにもかかわらず、共同オーナーであるジョン・マーラは現地6日(月)朝に、ヘッドコーチ(HC)ブライアン・ダボールとジェネラルマネジャー(GM)ジョー・シェーンを続投させると発表した。

「私たちのシーズンが終了した今、この声明を発表する必要があると感じた」とマーラはつづっている。

「ジョー・シェーンとブライアン・ダボールはそれぞれ、組織内でこれまでと同じ役割を担うことになる。今季の結果は残念だが、スティーブ(ティッシュ)と私はジョーとブライアンが実行してきたプロセスと、彼らのチームに対するビジョンに自信を持っている」

「私たちは未来と、自分たちが望んでいる結果を達成することを楽しみにしている」

ダボールHCにとってジャイアンツでの3シーズン目は最もひどい結果となったが、最後のシーズンにはならないようだ。3人の先発クオーターバック(QB)を起用したジャイアンツは、ポテンシャルを見せる瞬間があったものの、安定した状態を維持できず、3勝14敗という成績でシーズンを終えている。

人々のダボールHCに対する感情は、週によって異なっていた。

ジャイアンツは11月にQBダニエル・ジョーンズをベンチに下げ、その後に本人の要請を受け入れる形で放出した。ダボールHCはジョーンズの代わりにトミー・デヴィートを起用。その数週間後、デヴィートが大きく苦戦したことを受け、惨敗したボルティモア・レイブンズ戦の後半からはティム・ボイルが司令塔となった。この大敗により、ジョーンズの退団はより問題視されるようになった。

しかし、この数週間はダボールHCを支持する声も上がっており、特にシーズン第17週のホーム最終戦でQBドリュー・ロックがキャリア最高の活躍を見せ、インディアナポリス・コルツに勝利したことでダボールHCへの支持は強まっている。

勝利を収めた後、ダボールHCは簡潔に試合結果について説明し、「クオーターバックが良いプレーをすれば、どんな試合でもチャンスはある。ターンオーバーせずに、重要な場面で決定的なプレーをすればね」と語った。

この発言は強力なオフェンス陣を整えられていないフロントオフィスに対する遠回しな批判のように聞こえる。ランニングバック(RB)セイクワン・バークリー――地区ライバルのフィラデルフィア・イーグルスからより良いオファーを受け、加入した初年度に2,000ランヤードを記録した――への対応と、ジョーンズに与えた高額契約は、シェーンGMの履歴書における2つの問題点となっている。

ジャイアンツファンから絶え間なく変更を求める声が上がっているにもかかわらず、マーラとティッシュは現状を維持し、QBポジションの強化がチームの立て直しにつながると期待している。ダボールHCへのプレッシャーは続き、それはシェーンGMにもかかってくるだろう。シェーンGMは今後、ジャイアンツにどれほど長くとどまるかを決定づけるような重要な決断を下さなければならない。

月曜日、マーラはダボールHCとシェーンGMに対して2025年に向けての優先事項を明確に伝えたと報道陣に明かした。

チーム公式記録によると、マーラは「このオフシーズンに向けての私たちの最大の課題は将来のクオーターバックを見つけることだ。ドラフトで指名するか、ベテラン選手を獲得するかはさておき、最終的には彼らに決めてもらうことになる」と述べたという。

マーラは、たとえクオーターバックが決まったとしても、ジャイアンツの状態が改善しなければダボールHCとシェーンGMの来季以降の将来は保証されていないと示唆した。

ジャイアンツの立て直しについて、「あまり時間がかからない方がいい。我慢の限界に近づいているからね」とマーラは話している。

NFLと大学の両方で経験を積んだベテランのダボールは、攻撃コーディネーター(OC)としてバッファロー・ビルズの劇的な立て直しに貢献し、2018年と2019年に下位に位置していたオフェンスを2020年と2021年にトップ5に導いたことで、ヘッドコーチ候補に躍り出た。この進歩はQBジョシュ・アレンがスーパースターへと成長を遂げた時期と重なり、ジャイアンツは2022年にダボールをヘッドコーチとして採用することで、ジョーンズが同じような結果を出すことを期待していた。

その結果は当初、期待通りのものだった。ダボールHCは2022年シーズンにジャイアンツをプレーオフに導き、ワイルドカードラウンドでミネソタ・バイキングスを敵地で下したことでさらなる衝撃を与え、明るい未来を予感させた。

とはいえ、数字を見る限り、ジャイアンツが2022年に成功したのは例外的なことだった可能性が高く、将来を暗示するものではないことが示唆されていた。ジョーンズはキャリアハイとなる3,205パスヤードとキャリア最初の4年間で最高のパス成功率67.2%を記録したものの、タッチダウンは15回にとどまった。また、ジョーンズは708ランヤードを稼ぎ、7回のタッチダウンランもマークしたが、それがジャイアンツでのジョーンズの限界であり、持続可能ではない可能性があると見られていた。

最終的にその見方は正しかったことが証明されている。2023年、ジョーンズはケガによって6試合の出場にとどまった。そのシーズンを6勝11敗で終えたジャイアンツへのプレッシャーが高まる中、ジョーンズには2024年シーズンにわずかな猶予期間が与えられたが、不本意な結果を受けて11月にチームから放出された。

強いて言えば、あの魔法のような2022年シーズンはダボールHCがいかにしてチームから最大限の力を引き出せるかを示す例だったと言えよう。この考えが2024年シーズン以降のダボールHCの立場を守る結果につながったのかもしれない。

ダボールHCは次に選ばれるクオーターバックと共に、2022年と同じような成果を上げることが期待されている。そのクオーターバックは4月のドラフトで1巡目指名を受ける可能性が高いが、ベテラン選手がつなぎ役として起用される可能性もあるだろう。そして、ダボールHCはより短い時間で結果を出すことを求められるはずだ。

ジャイアンツが2024年のパフォーマンスを繰り返すようなことがあれば、ダボールHCは2025年シーズンの途中あるいは終了後にほぼ確実に解雇されるだろう。

【RA】