在職中のレイダースHCピアース、4勝13敗のシーズン後も“変更点は聞いていない”
2025年01月07日(火) 12:48アントニオ・ピアースがラスベガス・レイダースのヘッドコーチ(HC)として迎えた最初のシーズンは、暫定ヘッドコーチを務めた2023年シーズンの勝利数を下回る結果となった。
将来が完全に保証されているわけではないものの、現時点では雇用されている状態のピアースHCは、現地6日(月)に自身の立場について“変更点は聞いていない”と報道陣に明かしている。
自身の将来を心配する代わりに個人的な成長に焦点を当てているピアースHCは、“ヘッドコーチが改善すべきことすべて”に取り組んでいると語った。
それは決断を下す際に、自分の直感をもっと信じることから始まるのかもしれない。
ピアースHCは「その状態に戻ること、つまり忍耐だ。私がもっとうまくやるべきことは、自分の直感を信じることだ。去年はそれがうまくできていた。今年はやりたかったことを思うようにできなかった」と話している。
ピアースHCは暫定ヘッドコーチとして感じていた自由とは裏腹に、2024年にはフルタイムのヘッドコーチとして働くことへのプレッシャーを感じていたのかもしれない。しかし、ピアースHCはクオーターバック(QB)の状況への対応方法について指摘しているようにも見えた。レイダースはシーズン開幕前にトレーニングキャンプで先発争いを行い、結果としてガードナー・ミンシューがシーズン開幕時の先発となっている。
最終的に、ピアースHCがエイダン・オコンネルをチームにとって最良の選択肢と見なしていたことが明らかになった。2023年シーズン、ピアースは暫定HCに就任した直後にオコンネルを先発に指名。2024年は同じアプローチを取る代わりに、新たに加入したミンシューと競争させた。そして、明確なリーダーが生まれないまま、ミンシューが先発となっている。
それが2024年におけるレイダースの可能性を損なう結果につながったのかもしれない。オコンネルを不確かな立場に置くことは、キャリア2年目のパサーには決してプラスに働かなかった。
ピアースHCは「エイダンに関して言えば、彼はようやく17試合に出場した選手だ」と述べ、こう続けている。
「私は彼が初戦の先発になったことがないという全体の状況を考えている。彼が試合に投入されたり、コーチに変更があったり、クオーターバックがベンチに下げられたりしてきた。では、もし彼がオフシーズン全体を先発として過ごしたらどうなるのだろうか?」
「その評価には多くの人が関わることになると思う。エイダンに関しては、昨夜見たような素晴らしいプレーもあれば、振り返ってやり直したいようなプレーもあった。彼はまだ機動力を磨いているところだ。3年目を迎える若手選手には、やるべきことがたくさんある」
レイダースはシーズン序盤から苦戦し、ピアースHCのミンシューに対する不満が表面化した。ピアースHCは何度もミンシューをベンチに下げ、最初はオコンネルに、オコンネルが負傷した際にはデズモンド・リッダーに先発を任せた。
落ち着いて考えれば、オコンネルが明白な選択肢だった。しかし、レイダースはすでに4勝13敗でシーズンを終えており、最後の3試合中2試合で勝利していなければ、その成績はさらに悪くなっていただろう。
終盤の結果はピアースHCにポジティブな影響を与えており、2023年シーズン終盤に仕事を勝ち取ったピアースHCは、2025年シーズンが始まる際に同じ運命をたどるかもしれない。
その一方で、レイダースがリセットボタンを押す可能性もある。レイダースはすでに4月のドラフトでクオーターバックを指名することが予想されているが、現在保持しているのは全体6位指名権であるため、トレードアップが必要になるかもしれない。また、そうした意欲が、サイドラインに新たな指導者を迎えたいという欲求と重なる可能性もある。
結果がどうであれ、ピアースHCはコーチとして自分自身に忠実であり続けることを学んだ。ピアースHCはそれが、10連敗を喫したレイダースがシーズン終盤にある程度の成功を収めるための指針になったと考えている。
苦戦を強いられていた時期にチームをまとめ上げた方法について問われたピアースHCは「普段通りに自分らしくいることだ。私は決して変わらない。勝っても負けても引き分けてもね」と答えた。
「あなたたちの前にいても、建物の外にいても、私がA.P.であることに変わりはない。それが私の選手たちへの接し方だ。彼らを一人の人間として扱う。彼らはプロフットボール選手だ」
「選手たちは毎週、メッセージや考え方をしっかりと受け入れてくれていたと思う。勝っても負けても引き分けても、彼らは戦い、努力を惜しまなかった。そこには成長があった。何人かの若手選手が明らかに進歩する姿を見た。この1カ月間は私たちにとってまさにそういう時期だったと思う。2試合連続で勝ち、昨夜の試合では敗れたが、それでも何かを感じ取ってもらえたと思う。基本的な部分やスキーム、選手たちの成長が見てとれたはずだ。それがうちのチームにとってのプラスであり、ポジティブな点だと思う」
ピアースHCは厳しいシーズンの中でチームが見せた努力を評価し、選手たちを称えることをためらわなかった。また、ヘッドコーチとして初めてのフルシーズンを終えたことで、貴重な教訓も得ている。
それによってレイダースがピアースHCを2025年もチームにとどめる決断をするかどうかは、いずれ分かるだろう。
【RA】