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セインツ残留のために減給を受け入れるつもりはないQBカー

2025年01月08日(水) 12:54


ニューオーリンズ・セインツのデレック・カー【AP Photo/Jason Behnken】

オフシーズンを迎えたニューオーリンズ・セインツは、ヘッドコーチ(HC)探しを皮切りに多くの課題を抱えている。新たなリーダーを迎えた後、焦点はクオーターバック(QB)デレック・カーの将来に移るだろう。

カーは2023年にセインツと4年1億5,000万ドル(約237億円)の契約を結んだ。契約はあと2年を残しており、セインツはデッドマネーを負担してカーを放出するか、契約の再構築を目指すかを判断しなければならない。カー自身は、減給に応じるつもりはないと『ESPN』のキャサリン・テレルに語っている。

「減給は受け入れられない」とカーは切り出し、こう続けた。

「そうだな、それはないな。特に、自分がやってきたことを考えるとなおさらだ。契約を再構築する? もちろんだ。チームを助けるためなら、そういう形ではいつでも協力する。でも、フィールドで示してきたことにはそれ相応の価値があるはず。場合によってはもっと厳しい状況もあるかもしれないけど、契約を結んだ時に、これがチームに一番の柔軟性をもたらす選択だと確信していた。それでも、クオーターバックとしての誇りはある。“チームを構築してほしい”と任される立場だけど、今より低い金額でプレーする気はない。このスポーツは肉体的にすごく過酷だし、家族のためにもできるだけのことをしたいと思っている」

カーは、自身の将来についてのフロントオフィスとの話し合いは「かなり前向きだった」と話している。シーズン終盤の4試合を左手の骨折で欠場したカーは、今は体調の回復に専念しているという。

「まずは自分の体調を整えることが最優先だ。それ以外のことは、自分がコントロールできることじゃない」とカーは現地6日(月)に語った。

「ジェネラルマネジャー(GM)ミッキー・ルーミスやオーナーのゲイル・ベンソンをはじめ、この組織の人たちとは前向きな会話ができた。お互いに良い感触を持っているから、将来に向けて良い方向に進む自信はある。時々見せた可能性をもっと広げられると信じている。ただ、全体像を常に示せたわけではないという難しさもあった。これからどうなるか見てみよう」

少なくとも、カーの契約再構築は避けられない状況だ。2025年のキャップヒットは5,146万ドル(約81億3,170万円)に達する見込みで、3月に新しいリーグイヤーの3日目を迎えた時点で、カーがロースター入りしていれば、負傷を抱えていても3,000万ドル(約47億4,060万円)のベースサラリーが完全保証される。また、同じく3月には1,000万ドル(約15億8,020万円)の保証付きロースターボーナスも支払われる予定だ。ただし、カーがリリースされて他のチームと契約した場合、そのボーナスはオフセットされる込みだ。

セインツは2025年もサラリーキャップを大幅に上回る見込みで、契約再構築や選手の放出を行わなければ、新リーグイヤーが始まるまでに規定を順守することは難しい。仮にカーを6月1日以降に放出すれば、キャップヒットを2シーズンに分散することが可能となる。

2024年シーズンにカーは10試合に出場し、パス成功率67.7%、2,145ヤード、タッチダウン15回、インターセプト5回を記録。シーズン序盤の2試合では好調だったものの、その後のセインツ攻撃陣は失速し、一貫性を欠く展開となった。カーはシーズン中盤に斜筋の負傷で3試合を欠場し、最後の4試合もケガで欠場している。

カーの将来については、新たに就任するヘッドコーチの意向が大きな影響を与えることになるだろう。セインツは現在、デトロイト・ライオンズの守備コーディネーター(DC)アーロン・グレン、ニューヨーク・ジャイアンツの攻撃コーディネーター(OC)マイク・カフカ、フィラデルフィア・イーグルスのOCケレン・ムーア、元スタンフォード大学HCデビッド・ショウ、マイアミ・ドルフィンズのDCアンソニー・ウィーバーらに面談を求めている。暫定HCのダレン・リジーも正式な昇格を目指しており、カーのポテンシャルについて前向きな見方を示している。

「デレック・カーについて、それぞれが意見を持つのは自由だ」とリジー暫定HCは月曜日にコメント。

「だが、彼が先発しなかった試合で、われわれは1勝も挙げられなかった」

2024年のセインツは5勝12敗、リッジ体制下では3勝5敗という成績に終わった。一方で、過去2シーズンでカーが先発した試合では14勝13敗を記録している。

【R】