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イーグルスのパス攻撃不振について「天候がひどすぎた」と話すWRブラウン

2025年01月21日(火) 12:42


フィラデルフィア・イーグルスのA.J.ブラウン【AP Photo/Derik Hamilton】

フィラデルフィア・イーグルスはパス攻撃がいまだ安定しない中、NFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)チャンピオンシップゲームへの進出を果たした。

現地19日(日)に行われた試合で、イーグルスはチーム全体で285ヤードを記録する爆発的なラン攻撃を展開し、ロサンゼルス・ラムズを28対22で下した。ランニングバック(RB)セイクワン・バークリーが205ヤードを走り、2本のロングタッチダウンを決めている。しかしながら、パス攻撃は苦戦を強いられた。クオーターバック(QB)ジェイレン・ハーツは20回中15回のパス成功で128ヤードを記録したものの、7回のサックを受け、イーグルスの総パスヤードはわずか65ヤードにとどまった。

7回ターゲットにされながらキャッ2回で14ヤードに終わったワイドレシーバー(WR)A.J.ブラウンは、イーグルスのパス攻撃が振るわなかった理由に雪と強風による悪天候を挙げた。その一方で、ラムズのQBマシュー・スタッフォードがこの試合で324ヤードと2本のタッチダウンを記録したことを認めている。

「今回の試合については大目に見てほしい」とブラウンはパス攻撃が不発に終わったことについて語った。

「この試合は仕方なかった。本当に厳しかった。コンディションがきつすぎた。この質問を何度も受けているけど、どうしようもなかったんだ。天候がひどすぎて、フィールド上では何も見えなかった。そんな状況でボールを投げたりキャッチしたりするのを想像してみてくれ。確かに彼らは試合終盤にやっていたけど、あの場面ではそうせざるを得なかったんだろう。彼らだって最初からそうしようと考えていたとは思えない」

ハーツは雪がさらに激しくなる前の前半に66パスヤードを記録した。参考までに、スタッフォードは前半だけで126ヤードとタッチダウン1回を記録している。

ブラウンは、激しく降り続く雪が試合のあらゆる局面に影響を与えたと述べた。

「間違いなく、すべてに影響があった」とブラウンはコメント。

「大敵にさえこんな状況は経験させたくないよ。まったく楽しくなかった。何ひとつ楽しくなかった。タフな試合だったし、厳しいコンディションだった。でも、そんな中でできる限りのことをして勝ちに行った。それができて良かったよ」

日曜日の試合でパス攻撃が不振に陥った理由を天候のせいにすることはできるかもしれないが、これが一度きりの問題というわけではない。ハーツはグリーンベイ・パッカーズと対戦したワイルドカードラウンドでも131パスヤードに終わっている。脳しんとうで途中退場したシーズン第15週の試合を除けば、先発した直近6試合で200ヤード以上のパスを記録したのは1度だけ(ピッツバーグ・スティーラーズ戦の290ヤード)。プレーオフを含む17試合では、250ヤード以上を記録したのが4回、300ヤードを超えたのはシーズン第3週のニューオーリンズ・セインツ戦の1回のみとなっている。

ハーツは多くのミスを犯したが、ブラウンも前半終盤に完璧なロングパスを落としてしまった。それが成功していれば、40ヤード以上のゲインとなったかもしれない。

「悔しいけど、言い訳はしない」とブラウンは落球について述べている。

「ただ、あれをキャッチできていればとは思う。コンディションが影響する部分もあるけど、とにかく悔やまれる。どうにかしてボールを落とさないようにベストは尽くしたつもりだ」

ブラウンはイーグルスの選手としてこれまでプレーオフで5試合に出場しているが、いずれの試合でもチーム最多のレシーブヤードを記録したことはない。

ハーツはブラウンについて「ぜんぜんかみ合わなかった」と切り出し、こう続けた。

「今回はうまくかみ合わなかった。全体的に見ても、最近はあまりうまくいっていない。だからこそ、オフェンス全体として、目の前にあるチャンスを最大限に活かし、そこから学び続けたいと思っている」

ハーツが膝の負傷を抱えながら日曜日の試合に臨み、ブラウンも膝のケガから完全には回復していない様子の中、イーグルスのパスゲームには終始ぎこちなさが見られた。ラムズの強力なパスラッシュを相手にしながら、膝を痛めているハーツにディープパスを求めた采配には疑問が残るのも無理はない。

イーグルスのヘッドコーチ(HC)ニック・シリアニは次のように述べている。

「あの場面で必要だと考えたことを実行しただけだ。もちろん、プレーコールは常に見直さなければならない。それが最も重要だ。プレーコールが原因かもしれないし、ディフェンスが良いプレーをしたのかもしれない。いろいろな要因が考えられる。それでも今回もやり遂げた。ディフェンスが相手を止めてくれた。これがチームとしてのフットボールだ。オフェンスがディフェンスの分をカバーする場面もあれば、逆もしかり。あるいはスペシャルチームが試合開始時にファンブルを奪うこともある。何があっても、次に進むために必要なことをやり、そこからミスを修正していくしかない」

バークリーを中心としたランゲームが穴を埋める役割を果たしているおかげで、パスゲームの不安定さがイーグルスのシーズンを台無しにすることはなかった。今季3回目の対戦となるワシントン・コマンダースと激突するNFCチャンピオンシップゲームでも、イーグルスは再びランゲームに頼る展開になるだろう。今年のコマンダースとの2試合では、イーグルスは平均219.5ヤードのランを記録している。

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