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テキサンズ、2シーズンでボビー・スロウィクOCを解雇へ

2025年01月25日(土) 19:30


ヒューストン・テキサンズの攻撃コーディネーター(OC)ボビー・スロウィク【AP Photo/Maria Lysaker】

成功、そして試練の年となった2024年シーズンは、ボビー・スロウィクから攻撃コーディネーター(OC)という職を奪った。

『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートが現地24日(金)に伝えたところによると、テキサンズはスローウィクと決別することにしたという。また、オフェンシブライン(OL)コーチのクリス・ストローサーもヒューストンを去るとラポポートは伝えている。

スローウィクの離脱によって気まぐれな2シーズンが幕を下ろすことになる。テキサンズのプレーコーラーとして素晴らしいデビューシーズンを飾ったスローウィクは、クオーターバック(QB)C.J.ストラウドの指示役として、ディビジョンタイトル獲得、ホームでのプレーオフ勝利、ディビジョナルラウンド出場を演出し、ストラウドはオフェンス部門年間最優秀新人賞を獲得する輝かしいルーキーシーズンを過ごした。スローウィクのコールによってテキサンズはオフェンスでトップ12に入って2023年を終え、パスオフェンス(試合平均獲得ヤード)で7位にランクイン。驚きの改善を見せたチームには明るい未来が見えていた。

しかし、2年目はそうとは言えなかった。テキサンズのOLは1年を通して不安定で、パスゲームが大きく足を引っ張り、さらなる飛躍を狙ったストラウドの試みはうまくいかなかった。ストラウドはNFLで2番目に多いサック(52回)を浴びたクオーターバックとなり、度重なるプロテクションの失敗によって、パフォーマンスは低迷した。ストラウドがOLを信じていないのは明らかとなり、シーズンが進むにつれてそれが決断力の欠如につながった。そして彼らしくないメンタル的なミスによってターンオーバーを喫した。パス成功率、パスヤード、パスタッチダウンとパサーレートは低下し、インターセプトの合計数は2023年の5回から、2024年は12回に跳ね上がっている。

理論的に考えれば、テキサンズは2023年より2024年の方が良くなるはずだった。レシーブ陣にワイドレシーバー(WR)ステフォン・ディッグスを、バックフィールドにランニングバック(RB)ジョー・ミクソンを加え、2人とも成果を挙げている。しかし、ユニット全体の一貫性のなさがチーム全体の足かせとなってしまった。ミクソンの負傷、ディッグスのシーズン終了となるACL(前十字靭帯/ぜんじゅうじじんたい)断裂――さらにWRニコ・コリンズがケガで離脱し、タンク・デルが膝のケガでシーズン終了――なども重なったとはいえ、スキームの決定においてテキサンズの判断も良かったとは言えない。

その結果は惨たんたるものだった。テキサンズは2024年の試合平均獲得ヤードで22位、パスでは21位、得点は19位、ランは15位という結果に終わっている。

懸命な回復によってワイルドカードでロサンゼルス・チャージャーズを下し、ディビジョナルラウンドでカンザスシティ・チーフスとの対戦に持ち込んだことは興味深かったが、その頃にはオフェンスの強力なチームから、ディフェンス頼みでしか勝てないチームに変貌してしまっていた。これほど優秀な選手のそろったチームとしては単純に不十分な成績だった。そのため、ヘッドコーチ(HC)デミコ・ライアンズはスローウィクとストローサーの2人と手を切る決断を下した。

テキサンズがヘッドコーチの選択に自信を持っていることは幸いと言える。これから行われるOCとOLコーチの採用は、彼らの長期的な成功にとって重要なものだ。そのプロセスは今、始まろうとしている。

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