ビルズQBアレンのようなQBになることを「夢見ていた」と明かすチーフスTEケルシー
2025年01月26日(日) 09:38トラビス・ケルシーはずっと現在のようなパスキャッチを得意とする素晴らしいタイトエンド(TE)だったわけではない。
キャリア12年目のベテラン選手であるケルシーは、高校ではクオーターバック(QB)としてプレーし、次世代の偉大なデュアルスレットQBになることを夢見てシンシナティ大学に進学した。現在、カンザスシティ・チーフスのタイトエンドとして活躍しているケルシーに話を聞くと、彼が最初に思い描いていたキャリアは、バッファロー・ビルズのQBジョシュ・アレンが築き上げてきたものによく似たものだと言うだろう。
現地24日(金)、ケルシーは「ジョシュはまさに俺がNFLでなるのを夢見ていた選手だ。大きくて、身体能力の高いクオーターバックで、強い腕を持ち、デュアルスレットの選手として活躍できる。俺にはジョシュのような腕の才能がなかったから、タイトエンドに転向させられたんだ」と話している。
アレンは2024年シーズンにMVP級の活躍を見せ、3,731パスヤード、タッチダウン28回に対してインターセプト6回、パサーレーティング101.4という成績を収めた。また、531ランヤード、タッチダウンラン12回も記録し、ビルズをキャリアで3度目となる13勝に導いている。
その結果、ビルズはAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)チャンピオンシップゲームに再び進出し、日曜夜にチーフスと対決することになった。近年、支配的な強さを誇るチーフスはビルズのスーパーボウル進出を阻んできた(アレン率いるビルズはプレーオフのチーフス戦で0勝3敗となっている)が、ケルシーは自分がなりたいと夢見ていたようなスターQBに現在も畏敬の念を抱いている。
ケルシーは「彼には何でもやってのける能力がある。困難な状況に立ち向かい、リーダーとして前に立ち、チームを導いていくんだ。選手たちの出入りがある中で、彼は毎週、チームを動かす中心選手になっている。彼のことは心から尊敬している」と語った。
クオーターバックになる夢が絶たれた後、ケルシーはタイトエンドとして成功する道を見つけ出した。ドラフト3巡目指名を受けたケルシーは、タイトエンドのレシーブ数(1,004回)とレシーブヤード(1万2,151ヤード)で歴代3位につけており、3つのスーパーボウルリング獲得を含め、プレーオフでも素晴らしい成績を残している。
日曜日のAFCタイトル戦に臨むにあたり、ケルシーはNFLポストシーズンの歴史の中で最も多いレシーブ数(172回)を記録しており、レシーブヤード(2,020ヤード)とタッチダウンレシーブ数(20回)ではいずれも殿堂入りした元ワイドレシーバー(WR)ジェリー・ライス(2,245ヤード、タッチダウン22回)に次ぐ歴代2位となっている。
その過程で、ケルシーは後ろから来るワイドレシーバーに即興でラテラルパスを通すなど、投手としての才能も垣間見せてきた。それは、35歳のケルシーがプレーオフにおいてもより自信を持って遂行できるようになっている作戦であり、ケルシー流のデュアルスレットと見なすことができるかもしれない。
チーフスが史上初のスーパーボウル3連覇を狙う中、ケルシーとその仲間たちはアレン率いる勢いのあるビルズに対してとにかく全力を尽くすだろう。
ケルシーはビルズ戦について「この試合で待ち受けている挑戦にワクワクしている」と語り、「自分が持っている機会にとても感謝しているし、これは俺たちが経験してきた中で最も大きい挑戦の1つだ。だから、それに立ち向かうのが楽しみだ」と続けた。
ビルズ対チーフス戦は日曜日のアメリカ東部時間18時30分【日本時間27日(月)8時30分】にキックオフの予定だ。
【RA】