ドルフィンズWRヒルがシーズン終了時の「俺は出て行く」発言について説明
2025年01月26日(日) 12:08マイアミ・ドルフィンズのワイドレシーバー(WR)タイリーク・ヒルはシーズン第18週に行われた試合に敗れてプレーオフ進出を逃した後、退団する準備が整っている可能性があると示唆した際に大きな注目を集めた。
その後の3週間で、オールプロに5回選出された経歴を持つヒルはその発言についてチーム幹部と面談し、レギュラーシーズン最終戦の第4クオーターに自ら退場したように見えたことを含めて話し合った。また、ヒルの代理人であるドリュー・ローゼンハウスは、退団を示唆する発言をしたにもかかわらず、ヒルはドルフィンズに献身しているとも述べている。
ヒルはビデオゲーム配信中に非公式ではあるものの、その問題に関する自身の見解を説明した。
『ESPN』によると、ヒルは「シーズン終了時にみんなが耳にしたのはフラストレーションから出た言葉だった」と語ったという。
「俺は人生でずっと勝ち続けてきた。あんたらには分からないだろうけど、毎日全力で頑張っている。ああいう気持ちになるのは当然だし、自分なりの意見を持つ権利もある。“そうだな、来年また頑張るよ”とでも言ってほしいんだろ。いや、それは無理だ。俺たちは戻ってこないといけないし、プレッシャーをかけなきゃいけない。こういう最悪な状況をどうにかしないといけないんだよ。もっと強い選手を加えろよ。俺は戦うぜ。競い合うのが大好きだからな」
常に激しいプレーを見せてきたヒルだが、NFL9年目のシーズンでは、慣れない状況に置かれることとなった。
キャリアで初めてプレーオフ進出を逃したことにより、ヒルのフラストレーションは頂点に達したが、それまでの数カ月間は試練の連続だった。
ポストシーズン進出を逃したことに加え、2024年シーズンはヒルが初めてプロボウルに選出されなかったシーズンにもなっている。また、ドルフィンズに加入してから3年連続のオールプロ選出もかなわなかった。
2023年シーズンにキャリアハイに並ぶ119回のレシーブでリーグトップのレシーブヤード(1,799ヤード)とタッチダウン数(13回)を記録したヒルだが、今季はレシーブ81回で959ヤードという数字にとどまり、4年連続のレシーブ100回超えと5年連続の1,000レシーブヤード超えを達成できなかった。タッチダウン数(6回)はキャリア最低の数字と並ぶもので、レシーブ平均ヤード(11.8ヤード)はルーキーシーズンと2021年シーズンに次いでキャリアで3番目に低かった。
手術を検討する必要がある手首のケガを抱えていたものの、それを回避したヒルは、アンダーニースルート以外で、クオーターバック(QB)トゥア・タゴヴァイロアとの連携がうまくとれていなかった。タゴヴァイロアは脳しんとうでシーズン第3週から第7週に欠場し、股関節のケガでシーズン最後の2試合を見送っている。
ドルフィンズはそうした逆境に打ち勝つことができず、8勝9敗と、2019年シーズン以来の負け越しを喫した。
ヒルの発言は苦しい状況が重なり、残念な結果となった直後に出たものだ。シーズン最終戦を迎えるにあたり、ドルフィンズにはAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)の第7シードを獲得できる可能性がわずかながらに残っていた。しかし、ドルフィンズは試合に敗れ、ヒルが「扉を開くつもりだし、俺は出て行く」と発言したことでサウスビーチには衝撃が広がった。
ヒルはそうした瞬間に動揺する権利を主張し続けているものの、チームと面談したことや、ローゼンハウスのコミットメントに関する発言があったこと、さらには契約があと2年残っていることを考慮すると、冷静な判断が下される可能性が高い。
いずれにせよ、来シーズンの第1週が到来するまでにはまだ長い時間が残されている。ヒルの今後や、ドルフィンズが再び優勝争いに加わるために何をするかは、引き続き注目されるだろう。
【RA】