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GトゥニーはLTへ転向も「決して動じない」とチーフスHCリード

2025年01月31日(金) 12:12


カンザスシティ・チーフスのジョー・トゥニー【Todd Rosenberg via AP】

カンザスシティ・チーフスは今シーズンを通してレフトタックル(LT)に課題を抱えていた。その解決策として、2年連続オールプロに選出されたガード(G)ジョー・トゥニーをレフトタックルに配置し、クオーターバック(QB)パトリック・マホームズのブラインドサイドを守らせる決断を下した。

この起用が成功したことで、頼りなかったレフトタックルは安定し、チーフスは3年連続のスーパーボウル進出を果たした。

『SiriusXM(シリウスXM)』のポッドキャスト“Let’s Go!(レッツ・ゴー)”に出演したヘッドコーチ(HC)アンディ・リードは、トゥニーのポジション変更への対応について、共演したジム・グレイと、トゥニーがニューイングランド・ペイトリオッツで最初の6シーズンを過ごした際のコーチであるビル・ベリチックと語った。

「ビルがジョー・トゥニーを譲ってくれたことには感謝しているよ」とリードHCは笑いながら話した。

「今、彼をレフトタックルに起用しているんだ。ビル、君のところではオールプロのガードだったけど、今はレフトタックルとしてプレーしていて、彼はそれに対して一切文句を言わない。レフトタックルは全く別の世界だ。外側には何のセーフティネットもない。タフなポジションだ。でも、彼はそれを当たり前のように引き受け、決して動じない」

チーフスは2021年、オフェンシブラインの再構築の一環としてトゥニーをペイトリオッツから獲得し、5年総額8,000万ドル(約123億3,280万円)の契約を結んだ。

ベリチックはトゥニーについて次のように語った。

「入団した時に彼に言ったんだ。“ジョー、これからは君をガードで起用するから、緊急時や他に誰もいない場合を除いて、もうタックルをやることはない”とね。でも、彼はそういう選手なんだ。黙々と仕事をこなし、スナップごとに全力を尽くす」

オフシーズンにチーフスは新人オフェンシブタックル(OT)キングスレイ・スアマタイアと2年目のOTワーニャ・モリスにレフトタックルのポジションを争わせた。しかし、若手の2人は開幕直後から苦戦。スアマタイアは最初の2試合で先発したが、NFLのベテラン相手に圧倒され、モリスも11試合の先発でほとんど成長を見せられなかった。チーフスはシーズン途中に膝の負傷から復帰したばかりのベテラン、D.J.ハンフリーズを獲得したものの、決定的な解決策にはならず、最終7試合でわずか92スナップの出場にとどまった。

レフトタックルの不安定さが続く中、チーフスはトゥニーを外側へ移した。この決断が功を奏した。

チーフスは開幕からシーズン第14週までの間に35回のサック(1試合平均2.7回)を許していたが、第15週にトゥニーをレフトタックルに配置して以降、プレーオフを含めたサック数は11回(1試合平均1.8回)に減少。そのうちの5回は、第18週に主力を温存した試合で記録されたものだった。

インサイドで起用された時ほどの支配力を発揮できないため、トゥニーのレフトタックル起用は長期的な解決策ではない。とはいえ、チーフスを再びスーパーボウルへ導くには十分だった。2025年のオフェンシブラインの課題について考えるのは、2月9日にニューオーリンズで行われるフィラデルフィア・イーグルスとのスーパーボウルが終わってからでも遅くはない。

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