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ポジション奪還も狙っていたカウボーイズQBロモ

2016年11月18日(金) 14:23

ダラス・カウボーイズのトニー・ロモ【AP Photo/LM Otero】

現地15日(火)にダラス・カウボーイズのクオーターバック(QB)トニー・ロモが感銘的なスピーチを披露する以前に、練習中に先発QBの座を奪還するチャンスを模索していたことが分かった。

スティーブン・ジョーンズ上級副社長は先ごろ、スポーツメディア『The MMQB』に対して「トニーは賢い。彼は本当に頭の切れる人間だ。だから、そうすることがチームにとって良い影響を与えないことをすぐに理解してくれたと思う。今は誰もダック(プレスコット)に代わってほしくはないんだ」と語った。

今週の前半、彼が穏やかな表情を見せていたことを考えると少しの驚きではあるが、これに関する手がかりは約6分間にも及ぶロモのスピーチの中に散見される。予期しなかった現実を受け入れる中、ロモは自分の口で心境を語らざるを得なかったのだ。

ジョーンズは同メディアに対してこのようにも語っている。

「われわれはダックが今後、チームを背負って立つ選手になると確信している。試合を通してもう十分な確信を得た。“まだ9試合ではないか”と言う人もいるかもしれないが、それは違う。毎試合、結果を残すということは至難の業だ。それは試合だけに留まらない。ダックはどんな状況であってもうまくこなせる能力を備えている。49ers戦では2タッチダウンでチームを救い、先週のスティーラーズ戦ではチームを勝利に導く2回のドライブをまとめてくれた。イーグルス戦でも同様だ」

ロモの立場なら誰でも、この現況に抗う者はいないだろう。短期間で急激に加速したプレスコット熱が、それと同様の速さで冷め始めた時のため、ロモは準備をし続けるべきなのだ。

元QBのドリュー・ブレッドソーが水曜日に指摘したように、ロモにとって最悪な展開にはまだなっていない。だが、もしプレスコットが今のレベルを保ち続ければ、チームがプレーオフに進出する可能性は非常に高い。トム・ブレイディの時代が幕を開け始めた頃、ブレッドソーは次にどう動くべきかを模索しながらただじっと自分の出番を待つしかなかった。

オーナーであるジェリー・ジョーンズは最近になり、ロモがいつの日か素晴らしいコーチ、もしくは、攻撃コーディネーター(OC)になるだろうと発言。しかし、ロモ自身はまだ引退については全く考えていないことを明言した。ジョーンズは17日、記者に対してロモとプレスコットの両者を同じロースターに登録することは全くもって“両立可能”だとし、ロモがチームを離れることは1度も考えたことがないと明かした。

ブレッドソーと同様に、ジョーンズの夢のようなシナリオに反する形でロモがどこか他の場所でプレーする可能性は低くない。当時のブレッドソーが経験した苦い思いを今、ロモも感じているに違いない。