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2025年のカウボーイズ守備陣の方針について語るエバーフラスDC、「ボールを奪う」

2025年02月19日(水) 13:13


ダラス・カウボーイズの守備コーディネーター(DC)マット・エバーフラス【AP Photo/Tony Gutierrez】

ボールを奪え。

それは、マット・エバーフラスが2025年のダラス・カウボーイズのディフェンスに簡潔に示した義務だ。

これまでシカゴ・ベアーズのヘッドコーチ(HC)を務め、新たにカウボーイズの守備コーディネーター(DC)に就任したエバーフラスは、現地18日(火)に報道陣に対応した際に、エキサイティングでチャンスをうまく生かせるユニットになると予測した。

チーム公式サイトによると、エバーフラスは「とてもシンプルだ。ボールを奪う。それが私たちのやることだ。ランを止め、このフットボールチームのためにエキサイティングなプレーをしたいと思っている」と述べたという。

エバーフラスの回答は意外なものではない。エバーフラスは2011年から2017年までカウボーイズのラインバッカー(LB)コーチを務めた後、インディアナポリス・コルツの守備コーディネーターとして4シーズンを過ごし、ベアーズのヘッドコーチを2シーズン以上にわたって務めた経歴を持つ。

エバーフラス率いるディフェンスの特徴は、ランを止め、ターンオーバーを誘い、苦しい状況に陥ったとしても壊れないということだ。ターンオーバーを誘うことは最も一貫性のある特徴となっている。2018年シーズンから2024年シーズンまで、エバーフラスが指揮したコルツとベアーズの守備陣は1シーズンを除くすべてのシーズンで、ターンオーバー数でトップ10にランクインしており、唯一例外となったのは2022年のベアーズ(14位)だった。

ベアーズはエバーフラスを欠いた状態で2024年シーズンを終えたものの、テイクアウェイ数(24回)では10位につけている。カウボーイズは22回で12位と、それほど差はなかった。

苦痛を伴う敗北を喫し、混沌とした結末を迎え、ポテンシャルを発揮することができず、4勝8敗という悲惨な成績を残したことを受け、エバーフラスはベアーズから解任された。

過去にチームでの経験があることを踏まえると、エバーフラスがカウボーイズに加入したことは大きな驚きではなかった。そうして、エバーフラスはダラスという慣れ親しんだ場所に戻り、守備コーディネーターというなじみのある役職に再び就いている。

「前に7年間ここにいたから、(ジョーンズ)ファミリーのことはよく知っている」と語ったエバーフラスは「地域のことも、ファンベースのことも知っているし、戻って来られてワクワクしている。私が最も楽しみにしているのは、ファンベース、一緒に取り組む選手たち、ジョーンズ家やブライアン・ショッテンハイマーと一緒に仕事をすることだ」と続けた。

エバーフラスがヘッドコーチとしての初年度に備えるショッテンハイマーの手助けをしながら、自身のヘッドコーチとしての最初の仕事がうまくいかなかったことを挽回しようとしているのは、興味深い展開だと言える。

とはいえ、エバーフラスはディフェンスだけを指揮することに十分満足しているようだ。

「私はずっと、ゲームプランをまとめ、選手たちと取り組み、試合当日に指示を出すことが大好きだった。リーグの素晴らしい攻撃コーディネーター(OC)たちと対決するのは、私が長年楽しんできたことだ。ゲームプランをまとめることは、私にとっても、うちのスタッフにとっても楽しいことなんだ」とエバーフラスは話している。

そうしたプランは主に、カウボーイズの中で最も才能のある選手の1人であるLBマイカ・パーソンズを中心に展開されるだろう。

パーソンズが3年連続で守備コーディネーターが変わる状況に備える中、エバーフラスはプロボウルに4回選出されたパーソンズを擁するディフェンスの計画を立てることにワクワクしている。

「マイカは一流のパスラッシャーだ」とエバーフラスは強調した。

「もちろん、彼をそういうふうに使うつもりだし、彼はディフェンスでさまざまなことができる素晴らしいアスリートだ。そういう選手がいると、そのスキルセットを生かしたくなるものだ。彼とより多く一緒にいることで、そのスキルセットが何なのかを理解し、それを最大限に生かせるようになると思う」

「彼は、私たちがポジションやパスラッシュに関して彼が最も輝けるような形で起用し、パスラッシュという彼が最も得意とすることを活用することを理解している」

2021年NFLドラフトの全体12位で指名されて以来、パーソンズはカウボーイズのオールスター選手となっている。一方、2023年ドラフト1巡目指名を受けたディフェンシブタックル(DT)マジー・スミスはほとんどの試合で苦戦してきた。マジーは2024年シーズンに全17試合で先発を務めたが、『Pro Football Focus(プロフットボール・フォーカス)』の総合評価は34.8だった。

予想通り、スミスが自身のシステムでどのような活躍をするかについて楽観的な見方を示したエバーフラスは、次のように話している。

「マジーには期待している。彼のことは(ミシガン大学を)卒業したときから気に入っていた。本当に爆発的なアスリートだし、良い動きができる大柄な選手だ。彼のプレーを次のレベルに引き上げるのが楽しみだし、彼は確実にそれを実現できるだろう」

新たな役職に就こうとしているエバーフラスにとっては、面白いシーズンとなるはずだ。

新たなチャプターを迎える一方で、エバーフラスはこれまで何年にもわたって取り入れてきた“ボールを奪う”という成功の方程式を貫きたいと考えている。

【RA】