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ブラウンズGMベリーがシーズン開幕時に4人のQB全員を残留させる可能性を示唆

2025年07月26日(土) 10:44

クリーブランド・ブラウンズのシェドゥーア・サンダース【AP Photo/Sue Ogrocki】

クリーブランド・ブラウンズにとって2025年シーズンは興味深いものとなりそうだが、その理由は一般的なものとは異なる。

昨季を3勝14敗で終えたため、チームに寄せられる期待は当然低い。しかし、ブラウンズはクオーターバック(QB)陣に特殊な状況を抱えたまま新シーズンに臨もうとしており、4人のクオーターバック――ベテランのジョー・フラッコ、元ドラフト1巡目指名選手のケニー・ピケット、新人のディロン・ゲイブリエルおよびシェドゥーア・サンダース――が先発の座をかけて争っている。そうした中で、練習機会の配分やプレシーズンでの出場機会、最終的なロースター構成について多くの疑問が生じている。

クオーターバックが4人いるのは多すぎるため、ロースターを53人に絞る際には、4人のうち少なくとも1人が最終メンバーから外されると多くの人が予想している。しかし、ジェネラルマネジャー(GM)アンドリュー・ベリーは木曜日にそうとは限らないと述べた。

チーム公式記録によると、ベリーGMは「私たちはロースターの最後の5枠を主に育成枠と捉えており、それはどのポジションからでも選ばれる可能性がある」と語り、こう続けたという。

「また、現代のロースターの柔軟性、特に練習生から昇格させられる仕組みを考慮すると、48人のゲームデーロースターを編成する際の柔軟性は高まっており、以前ほど制約が厳しくないと考えている」

「53人のメンバーにふさわしい4人がいて、彼らを残しておくことがチームにとって最も理にかなっていると思ったら、そのようにするつもりだ」

ブラウンズのオフシーズン序盤の動きは理にかなったものだった。デショーン・ワトソンがアキレス腱(けん)の断裂から回復しておらず、すでに再起用に値しないことが明らかになっていた中、チームはカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)出身のドリアン・トンプソン-ロビンソンをフィラデルフィア・イーグルスにトレードし、トンプソン-ロビンソンを起用する試みを終えるのと引き換えにピケットを獲得した。その1カ月後には、2023年シーズンのプレーオフ進出の立役者であるフラッコをフリーエージェント(FA)契約で呼び戻している。

どちらの動きもブラウンズがクオーターバック陣の再編を終えたことを示すものではなかったため、ドラフト全体2位指名権を用いてQBを指名するのではないかという期待が高まっていた。ところが、有望なQBが少ないことを考慮し、ブラウンズは3巡目まで待ってから動きに出ている。その際、大方の予想でドラフト3日目まで残ると見られていたゲイブリエルを指名するためにトレードアップを行い、フットボール界に衝撃を与えた。

その時点で、2025年シーズンの先発候補がはっきり定まったわけではなかったものの、ブラウンズの補強作業は終わったように見えた。しかし、ブラウンズはドラフト5巡目で再びトレードアップを行い、1巡目で指名される可能性が高いと見られていたにもかかわらず順位が大きく下がっていたサンダースを指名するという賭けに出ている。

最後の補強は、リスクは低いものの、事態を複雑にするものだった。現在のブラウンズは、ポテンシャルのあるピケットや、短期間で結果を残したことで知られるフラッコに加え、評価すべき新人選手が2人いる状況となっている。

そこにこそ、ブラウンズの2025年のトレーニングキャンプが興味深いものになっている理由がある。ブラウンズは制約がある日々の練習スケジュールの中で4人のクオーターバックを評価しなければならない。そこでは頻繁にクオーターバックをローテーションさせる必要もあるだろう。最初の2回のセッションではすでに、練習機会の配分にばらつきが見られた。ロースターを53人に絞る時期が来れば、クオーターバックの選択肢を模索し続けるために他ポジションの厚みを犠牲にすることを覚悟しながら、パズルのピースを組み合わせる作業に追われることになるだろう。

ブラウンズが2025年に多くの試合で勝つことはないかもしれないが、こうした状況ゆえに注目に値するチームとなる見込みだ。ブラウンズはその過程で長期的な解決策を見つけることが期待されている。もし見つからなければ、2026年も保有している2つのドラフト1巡目指名権を用いて順位を上げ、終わりの見えない解決策探しにおける次の候補者を獲得することになるだろう。

【RA】