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FAとなるQBランスの退団を見込むカウボーイズ、4月のドラフトでQB指名の意向

2025年02月25日(火) 10:19


ダラス・カウボーイズのCOOスティーブン・ジョーンズ【James D Smith via AP】

クオーターバック(QB)トレイ・ランスを起用する試みがサンフランシスコ・49ersで失敗に終わったとき、ダラス・カウボーイズは2021年ドラフト全体3位で指名された選手を獲得するチャンスに飛びついた。

1年半が経過した今、カウボーイズもランスからの転換を図る準備を整えているようだ。カウボーイズのCOO兼共同オーナーであるスティーブン・ジョーンズは現地24日(月)に、チームはランスが3月に他チームとの契約を模索することになると見込んでおり、4月に行われるドラフトで新たなクオーターバックを獲得して育成を目指す可能性が高いと述べている。

ジョーンズは『The Dallas Morning News(ダラス・モーニング・ニュース)』に「トレイを試してみたかったし、実際にそうした。私たちはトレイのことを高く評価している。だが、ダック(プレスコット)と長期契約を結んでいるため、おそらくランスは別の道を模索することになるだろう」と語った。

カウボーイズとランスの決別を、デプスチャートのトップに立つ可能性の欠如のせいにするのは簡単だが、カウボーイズが2024年にクーパー・ラッシュに頼ったことからも分かるように、ランスが本格的に先発争いに加わることは一度もなかった。プレスコットがハムストリングを負傷したことによってシーズンの流れが狂っていたにもかかわらず、カウボーイズはシーズン第18週になってからようやくランスにまともな出場機会を与えた。また、今年のドラフトはクオーターバックの有望株が豊富ではないと見られているにもかかわらず、カウボーイズはランスを残すのではなく、新たな有望選手の指名を検討する道を選んでいる。

それだけでカウボーイズがランスに対して抱いている感情が説明できると言えよう。今後、カウボーイズは長い目で見て育てるべき新たな候補者を見つけなければならない。

「私たちの目標の1つはドラフトで若いクオーターバックを獲得することだと思う。それがどうなるかは分からない」とジョーンズは話している。

「だからこそ、トレイを獲得する代わりに(ドラフト4巡目指名権を)手放した。クオーターバックに関しては、私たちが4巡目で選ぼうとしていた選手でさえ、1巡目で指名されることがある。常に自分たちの予想よりずっと高い順位で指名されるのだ」

カウボーイズはQBポジションを確定させているわけではない。先発として2024年に4勝4敗、キャリア通算で9勝5敗の成績を収めてきたラッシュも、フリーエージェント(FA)になる予定だ。ラッシュを保持できるかどうかを確信していないジョーンズは、次のように話している。

「私たちがクーパーのことをどれほど評価しているかはご存知だろう。ただ、彼にどれだけのコストがかかるかが分からない。ダックにあれだけの金額を払っている以上、残念ながらそこではコストを抑える必要がある」

成績が振るわないことを踏まえると、ランスは安価で確保できる可能性が高いものの、カウボーイズにはそのような契約を追求するつもりがないようだ。ラッシュは十分に良いプレーを見せてきたため、多少の昇給は見込めるが、法外な額になることはないだろう。カウボーイズとラッシュが再契約することは不可能な話ではない。

ドラフトに関して言えば、カウボーイズは1巡目以降に指名された新人クオーターバックよりも手頃なバックアップオプションを見つけることはできないだろう。

カウボーイズがプレスコット時代に何かを学んだとすれば、それはプレスコットを支えるクオリティの高い控え選手の重要性だ。プレスコットはキャリアを通してシーズン終了につながるケガを何度か経験してきた。2022年シーズン終盤にもプレスコットが負傷したことを受けて先発を務めたラッシュは、質の高い2番手オプションであることを証明している。それは多くのNFLジェネラルマネジャー(GM)がそう簡単に見つけられない存在だ。

ベテランバックアップQBを欠いた状態で2025年シーズンを迎えるのは危険なように思える。カウボーイズは1年前よりもフリーエージェンシーで積極的な姿勢を見せるつもりだと表明しており、そのアプローチにはクオーターバックも含まれるはずだ。

ただ、ランスがその計画に含まれることは期待しないほうがいいだろう。

【RA】