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スタッフォードをラムズのQBとして復帰させることが「第一目標」とマクベイHC

2025年02月27日(木) 14:12


ロサンゼルス・ラムズのマシュー・スタッフォードとヘッドコーチ(HC)ショーン・マクベイ【AP Photo/Ryan Sun】

ロサンゼルス・ラムズがクオーターバック(QB)マシュー・スタッフォードに他チームでの自身の価値を見極める機会を与えたことは、今オフシーズンに大きな話題となっている。

ラムズのヘッドコーチ(HC)ショーン・マクベイにとっては、集めた情報を活用してスタッフォードをロサンゼルスにとどめるための合意に至ることが、依然として目標となっているようだ。

ポッドキャスト番組『Fitz & Whit(フィッツ・アンド・ウィット)』に出演したマクベイHCは「誰もが気づいているのに触れたくない大きな問題について話すとき、そこには本当に難しい問題がある」と語った。

「彼に引き続きチームをけん引し、クオーターバックとしてプレーしてもらいたいという点で、私たちの意見に相違はない。今回のケースにおける興味深くも難しいジレンマや力学は、ヘッドコーチとしてどのように短期的な視点と長期的な視点の両方を持って、実際にどのようなものなのかを把握できるかということだ」

「彼にクオーターバックを続けてもらいたいという点について誰も異論を唱えていないし、それについては誤解が生じないようにしておこう。そこには複雑な側面がある。どうやって構築し続けるのか。彼をどうサポートするのか。それらに関連して彼がその価値に見合ったものを得ていることをどうやって確認するのか。そういったことを話せないといけない。つまり、結局は私たちにも彼にも考えがあって、誰もが正しいわけでも間違っているわけでもない。最終的に、彼が素晴らしい選手だからこそ、たくさんの関心が寄せられているということだ」

2021年にトレードで加入して以来、スタッフォードはラムズの支えとなっている。

スタッフォードは加入初年度にキャリアハイに並ぶタッチダウン数(41回)を記録し、チームを第56回スーパーボウル制覇に導いた。2023年にはプロボウルに選出され、ラムズでの4年間で3回、プレーオフ進出を果たしている。

17年目のシーズンを迎えようとしている37歳のスタッフォードは、輝かしいキャリアの中で数々の負傷を経験してきた。ラムズでの在籍期間だけでも、投球側の肘の手術を受けたり、脊髄挫傷とUCL(内側側副靱帯/ないそくそくふくじんたい)の捻挫によって2022年シーズン後半に欠場を余儀なくされたりしている。

2024年7月のトレーニングキャンプ開始時に、スタッフォードとラムズは契約調整に合意。その内容は、2025年の保証金の大部分をなくす代わりに2024年に2,350万ドル(約35億0,351万円)を保証することで、両者がのちに再評価できるようにするものだった。

その時が今、訪れている。

スタッフォードが今後もプレーを続けるつもりだということは確かだが、依然として疑問なのは、どれほどの金額で、どのチームでプレーするのかという点だ。

そうした疑問にできるだけ透明性をもって答えるために、ラムズは最近、スタッフォードに対して自身の市場価値について他チームと話すことを許可した。ラムズはスタッフォードの価値を把握することが、交渉を成功させるためのより良い理解につながることを期待している。

QBを切望しているチームが価格をつり上げる可能性もあるだろう。どこかのチームがスタッフォードに希望通りの金額を提示し、ラムズに大量のドラフト指名権を手渡すことでスタッフォードを引き抜くことも考えられる。

ラムズがかつてスーパーボウルMVPに輝いたワイドレシーバー(WR)クーパー・カップをトレードしようとしていることを踏まえると、そうした動きはなおさら衝撃的だと言えよう。しかし、その他の選手はほとんどが有望な若手選手である上に、大量のドラフト資本を有していることから、ラムズは理論上、安価なクオーターバックや、もう少しキャリアに余裕のあるクオーターバックと共に結果を残すこともできる。

ラムズはスタッフォードの残留を望んでいる一方で、あらゆる可能性を検討しているようだ。

「この4年間うちのクオーターバックだった、ものすごく素晴らしい選手がいなくなる将来はどういったものになるのか、ということは考えなければならない」と述べたマクベイHCはこう続けた。

「どう進めていくかに正解も間違いもないが、私たちが使える資金や、見返りとして得られるドラフト資本に関して最も賢明な決定を下すためには、少なくともそれを調べるために必要な情報をすべて把握しなければならない。何事も秘密裏に進める必要はないし、全員が同じように状況を把握していることが望ましい。第一の目標は、彼にクオーターバックとして戻ってきてもらうことだけどね」

「そうした決断は単独で下されるわけではなく、そこが難しい部分でもある。だが、彼のことが大好きだし、彼はチームにとって素晴らしい存在だ」

スタッフォードは2025年もラムズで素晴らしい存在であり続けるのか、それとも他チームに移るのか。その決定が下されるまでの時間は刻々と過ぎている。

【RA】