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シーホークスがQBサム・ダーノルドと3年147億円の契約へ

2025年03月11日(火) 11:08


ミネソタ・バイキングスのサム・ダーノルド【AP Photo/Stephen Brashear, File】

クオーターバック(QB)サム・ダーノルドが再び、ジーノ・スミスによって開けられた扉の先に進もうとしている。

現地10日(月)、シアトル・シーホークスがダーノルドと保証金5,500万ドル(約80億7,785万円)を含む3年1億0,050万ドル(約147億6,044万円)の契約を結ぶと『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポート、マイク・ガラフォロ、トム・ペリセロが報じた。

昨オフシーズンに橋渡し役のクオーターバックとしてバイキングスと1年契約を結んだダーノルドは、そこで素晴らしいキャリアの転換を遂げた成果として今回の大型契約を手に入れている。

ダーノルドは2018年にフランチャイズQB候補としてニューヨーク・ジェッツからドラフト全体3位で指名されたものの、3シーズンを通して停滞し、その後はカロライナ・パンサーズで2シーズン、サンフランシスコ・49ersのバックアップとして1シーズンを過ごしてきた。ジェッツはかつてスミスが先発を務めていたチームでもある。ダーノルドのバイキングス加入時の通算成績は、21勝35敗、1万2,064パスヤード、タッチダウン63回、インターセプト56回、パス成功率59.7%というものだった。

その後、バイキングスで14勝を挙げたダーノルドは、4,319パスヤード、タッチダウン35回、パス成功率66.2%を記録し、これまでのキャリアハイを大きく上回った。しかし、シーズン終盤に突然かつての姿に戻ったダーノルドは、第18週に行われたデトロイト・ライオンズとの重要な一戦で力不足を露呈。ワイルドカードラウンドのロサンゼルス・ラムズ戦でも同じような敗北を喫したことにより、バイキングスでの将来は不透明になってしまった。

ラポポートとペリセロによると、バイキングスはダーノルドにフランチャイズタグをつけることを見送ったが、その時点で両者は双方にとって有益な契約を結ぶことに依然として興味を示していたという。

その後、シーホークスが3月7日にスミスをラスベガス・レイダースにトレードすることで合意し、クオーターバック市場に連鎖的な影響を及ぼす動きに出た。ペリセロが月曜日に報じたところによると、シーホークスがトレードの合意に至る前に、スミスはダーノルドと同様の契約を断っていたという。

『The Insiders(ジ・インサイダーズ)』は土曜日に、シーホークスはバイキングスと再契約する見込みがないダーノルドに関心を向ける意向だと伝えていた。

その2日後、ダーノルドは実際にシーホークスとの契約に合意している。

ダーノルドはジェッツから2018年NFLドラフトで1巡目指名を受けた際に、スミスの直接的な後任になったわけではない。どちらかと言えば、精神的な後継者と言った方が適切だろう。2013年ドラフトの2巡目で指名されたスミスは、ダーノルドが加入する1年前にはすでに他チームに移籍しており、その前のシーズンではベンチに下げられていた。とはいえ、ダーノルドはスミスが全体39位で指名されて以来、ジェッツが最も高順位で指名したクオーターバックとなっている。

ダーノルドは今後、再び先達の足跡を追う瞬間を迎えることになった。

スミスがかつてシーホークスでヘッドコーチ(HC)を務めていたピート・キャロルとレイダースで再会するように、ダーノルドもクリント・クビアックと再会を果たすことになる。現在シーホークスの攻撃コーディネーター(OC)を務めているクビアックは、2023年に49ersでパスゲームコーディネーターを務めていた。

マイク・マクドナルドHCが率いるオフェンスは非常に流動的であり、ダーノルドはそこに加わることになる。シーホークスはワイドレシーバー(WR)タイラー・ロケットを放出しただけでなく、D.K.メットカーフのトレード要請も受け入れ、ピッツバーグ・スティーラーズとの取引をまとめた。シーホークスはここ数年、オフェンシブラインの補強を必要としているが、それがかなわなかった場合、ダーノルドは前任者がしばしば行っていたように、その穴を補う方法を見つけなければならないだろう。

バイキングスに関しては、チームの将来をJ.J.マッカーシーの手に委ねるようだ。

ダーノルドはバイキングスが自分抜きでどのように戦うのかを、それほど長く待たずに間近で見ることになる。ダーノルドとシーホークスは2025年のレギュラーシーズン中にバイキングスを迎え撃つ予定だ。

【RA】