「尊敬し合う」からこそ選手はバッカニアーズに戻ってくるとILBデービッド
2025年03月19日(水) 13:33
インサイドラインバッカー(ILB)ラボンテ・デービッドはスーパーボウルリングをもう1つ手に入れるために、タンパベイ・バッカニアーズで14年目のシーズンを迎えることになった。
デービッドがバッカニアーズと6度目の新契約を結んだことは、長年にわたって中核メンバーを維持してきたジェネラルマネジャー(GM)ジェイソン・リヒトの手腕を際立たせている。35歳のデービッドは、それが組織内のリーダーシップのあり方を示していると語った。
チーム公式サイトによると、デービッドはタンパに戻りたいと望む選手について「それは素晴らしいことだと思う」と話し、次のように続けたという。
「そのことが十分に話題になっているかは分からないけど、(バッカニアーズは)チームの選手たちに忠実だ。多くの組織はそうじゃない。俺たちが彼らにとってどれほど重要かや、俺たちがどれほどチームに戻ってこの街のためにプレーしたいと思っているかについて、率直に何度もコミュニケーションをとってくれるのは素晴らしいことだと思う。みんなが同じ方向を向いて、すぐにでも物事を実現させようと協力し合うのは、本当に素晴らしいことだ。それについては十分に語られていないと思う。それは、彼らが迎え入れた選手たちをどれほど信じているかを物語っているし、それがオーナーシップを筆頭に組織全体の姿勢を示していると思う。彼らは自分たちの選手を求め、信じ、共に歩んでいこうとしている」
リヒトGMはオフシーズンにおける最大の功績の1つとして、ワイドレシーバー(WR)クリス・ゴッドウィンを大幅な地元割引でチームに戻すことに成功。ゴッドウィンは自身の家族を移動させたくなかった理由の1つとして、組織の家族的な側面を挙げた。
デービッドは組織との関係によって、バッカニアーズが他チームとは異なるものだと感じている。
「みんなはこの組織――そういう組織――のためにプレーしたいと思っている。それがお互いを尊重し合うことにつながる」と語ったデービッドはこう続けた。
「他の組織について聞くと、ジェネラルマネジャーと親しくないとか、何度も意見交換をすることがないという話を耳にする。俺はそういう話を聞くのが好きだし、そのときに尊敬の念がわいてくる。ここではまったく逆だしね。他の場所でそれを経験したことはないけど、ここではそういったことは見られない。実際に経験して、意見交換を重ねて、別の場所の話を聞くと、ここの一員でいることは本当に素晴らしいと思えるし、ここにいたいと思うようになる」
デービッドはバッカニアーズが5年連続のプレーオフ進出を果たした後に引退するかどうかを決めきれていなかったとコメント。自身の基準に満たないシーズンを、ポストシーズンに負傷するという形で終えたデービッドは、自分が戻るクラブのことをよく知っていたことで決断が容易になったと明かしている。
「試合に出るときに、自分が決めた基準を守れるかどうか。今年は不運にも、プレーオフゲームの最後に負傷したから、いつもより時間がかかった。そこから回復して、ケガの深刻度を確認してから前進しないといけなかったしね。でも、俺や俺の能力を信じてくれる人たちがそばにいてくれた。それはもちろん、チームメイトとか、このゲームを通じて関係を築いてきた人たちだ。彼らからちょっとした励ましを受けたり、モチベーションを得たりした」
「最終的にはそういう部分が決断を下すきっかけになった。前に進むためには、しっかりとした基盤を整えておきたいから、前進するために何がしたいのかを決め、気持ちを整理して進んでいく必要があった。心の中で“まだこのゲームを愛しているし、プレーする能力もある。自分を信用しているし、信頼している”っていう気持ちもあった。なぜやらない? もう一度挑戦してみてもいいじゃないかって思ったんだ」
デービッドの復帰により、トッド・ボウルズHC(ヘッドコーチ)率いるディフェンスはフィールド中央に位置するリーダーを確保することができる。バッカニアーズはK.J. ブリットがマイアミ・ドルフィンズに移籍したことを受け、かつてドルフィンズに所属していたアンソニー・ウオーカーJr.を獲得した。バッカニアーズはいずれデービッドの後継者となる選手を見つけることを期待しつつ、ドラフトで若手選手を獲得することも目指しているかもしれない。
【RA】