オフシーズンの再編に「明確なプランがある」と語る49ersのリンチGM
2025年03月21日(金) 11:10
サンフランシスコ・49ersはこのオフシーズンにフリーエージェントで16人の選手を失い、その多くがチームの主力だった。
現地19日(水)、プロデーが行われたスタンフォード大学の会場でジェネラルマネジャー(GM)のジョン・リンチは、「何もできずに見ているだけというのは最悪だ」と『The Bay Area News Group(ザ・ベイ・エリア・ニュース・グループ)』に語った。
49ersは複数の選手をリリースし、ワイドレシーバー(WR)ディーボ・サミュエルをトレード。一方で、大金を投じるここ数年の方針を見直す中で、目立った補強は行わなかった。オフェンスではガード(G)アーロン・バンクス、オフェンシブタックル(OT)ジェイロン・ムーア、ランニングバック(RB)イライジャ・ミッチェルが移籍。ディフェンスでは、ラインバッカー(LB)ドレイ・グリーンロー、セーフティ(S)タラノア・フファンガ、コーナーバック(CB)シャーバリウス・ウォードといった守備の要を含む多くの選手を失った。さらに、キャップスペースの調整のため、ノーズタックル(NT)ジャボン・ハーグレイブ、ディフェンシブタックル(DT)マリーク・コリンズ、ディフェンシブエンド(DE)レナード・フロイドらを放出している。
リンチGMは、チームの再構築は4月のドラフトで進めていく方針だと明かした。
「ドラフトというものがある。そして、われわれは多くの指名権を持っている」と『The Athletic(ジ・アスレチック)』に話している。
「ファンの皆さんに伝えたいのは、われわれには明確なプランがあり、それを遂行するということ。そして、その機会にとてもワクワクしているということだ」
49ersは来月のドラフトで11の指名権を持つ。
チームは現在、過渡期を迎えている。リンチGMは今後の大型契約に備えて予算管理を進めているところだ。その中には、このオフシーズンに格安契約から一気に高額契約へと移行する可能性があるクオーターバック(QB)ブロック・パーディーの契約も含まれる。
「常に数年先を見据えることが大事だ」とリンチGMは語る。
「われわれは将来の見通しを立て、今後の大型契約に備えて動いている。そうするためには、必要なキャップスペースを確保しなければならない。そして、チームを維持するために無理な動きをするのではなく、柔軟性を持たせることが重要だ」
パーディーに加え、タイトエンド(TE)ジョージ・キトルやLBフレッド・ワーナーの契約延長についても、リンチGMは具体的な内容には触れなかった。
リンチGMはまた、ここ数年にわたりオーナーのジェド・ヨークが49ersのスーパーボウル制覇を目指して資金を惜しみなく投入してきたが、今はそのバランスを見直す時期だとも説明した。
「昨年は本当に素晴らしいロースターだった」とリンチGMは振り返り、次のように続けた。
「だからこそ、“このチームで勝負をかける”と決断し、すべてのチップを賭けた。ただ、どこかのタイミングでリセットが必要になることも分かっていた。それが今年というわけだ。レナード・フロイドやマリークといった選手の貢献度は大きかったし、素晴らしい選手だ。彼らに問題があったわけではない。ただ、今がリセットのタイミングだと判断し、新たな戦力を加えてチームの再構築に踏み切った」
今回の49ersの再編は、同じディビジョンのライバルであるロサンゼルス・ラムズの動きに近い。ラムズは数年間にわたってドラフト指名権や高額契約を積極的に活用したが、2023年には特にディフェンスで若手主体のロースターにシフトしながらも競争力を維持した。多くのベテランを失ったなかで、リンチGMが49ersをNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)西地区の最下位から脱出させるためのカギは、すべてのドラフト指名で的確な戦力を見極めることにある。
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