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QBワトソンの獲得について「大きな動きに出て失敗した」とブラウンズオーナー

2025年04月01日(火) 14:47


クリーブランド・ブラウンズのデショーン・ワトソン【Joe Robbins via AP】

クリーブランド・ブラウンズは2025年に明らかにクオーターバック(QB)の獲得を検討している。現地3月31日(月)、ブラウンズのオーナーは3年前にチームがQBポジションで犯した過ちを初めて認めた。

その過ち――ヒューストン・テキサンズに3つのドラフト1巡目指名権を送ることでQBデショーン・ワトソンを獲得し、完全保証の2億3,000万ドル(約344億7,160万円)の契約を締結したこと――は現在もフランチャイズに影響を及ぼしている。この3シーズン、ブラウンズではクオーターバックが頻繁に入れ替わっており、ワトソンの獲得によって元ドラフト1巡目選手のベイカー・メイフィールドがトレードを要求するという騒動があって以来、QBポジションに関して最も厳しい状況にある。

オーナーのジミー・ハスラムとディー・ハスラムは月曜日に年次リーグミーティングの場で地元メディアに対応し、自分たちの過ちを率直に認めた。

『Cleveland.com』によると、ジミー・ハスラムは報道陣に対し、「私たちはデショーンに関して大きな動きに出て失敗した」と述べたという。

「私たちはクオーターバックを手に入れたと思ったが、そうではなく、彼を獲得するために多くのドラフト指名権を手放してしまった。だから、私たちはその穴から自分たちで抜け出さないといけない。あれは組織全体の決定であり、ディーと私に責任があるから、責任は私たちに問うべきだ」

ワトソンの獲得は、実際にトレードが行われる前から物議を醸していた。それでもブラウンズは、1年間プレーしていなかったクオーターバックに重大な出場停止処分が科される可能性が高いことを承知の上で取引を実行。さらに、市場を一変させるような歴史的な契約を結ぶという決断にも踏み切った。

現在のクオーターバックの報酬水準は当時よりも上がっているが、昨季のMVP受賞者であるバッファロー・ビルズのQBジョシュ・アレンが3月初旬に契約延長にサインするまで、ワトソンはNFL史上最高の保証額を受け取る選手としてトップに立ち続けていた。ブラウンズが見返りとして得たものがあまりに少ないことを踏まえると、その契約はさらに悪いものに見えてしまう。

ワトソンはリーグの個人行動規範に違反したことで2022年シーズンに11試合の出場停止処分を受けた。2023年はシーズン終了につながる肩のケガに見舞われたことで、6試合しか出場していない。また、2024年シーズンもフィールドで苦戦した後にアキレス腱(けん)を負傷し、7試合の出場にとどまった。

ワトソンはブラウンズでの3シーズンで19試合しか出場しておらず、その成績は9勝10敗、タッチダウン19回、インターセプト12回となっている。

現在のブラウンズは次の長期的な選択肢を見つける準備を完全に整えているが、それが4月のドラフトで実現するかどうかは分からない。今年のクオーターバック候補生は昨年のドラフトほど有望ではないと見られているため、ブラウンズはドラフト全体2位指名権を持っているものの、ポジションだけを見て選手を指名することにはあまり乗り気ではない可能性がある。

『ESPN』によると、ハスラムは「“そのクオーターバック”を獲得できれば素晴らしいが、無理にそうするつもりはない。私たちは辛抱強く、できる限り多くの優秀なフットボール選手を集めるつもりだ」と述べたという。

現時点で、ブラウンズのロースターには2人のクオーターバックがいる。それは、アキレス腱のケガからの回復を目指しており、2025年シーズンの大半、あるいはすべての試合を欠場する可能性が高いワトソンと、3月初旬にフィラデルフィア・イーグルスとのトレードで獲得されたケニー・ピケットだ。ブラウンズはQBポジションに関して複数の動きに出る可能性が高く、当然ながら慎重な姿勢を崩さないものの、すべての選択肢を残している。

ベテラン選手の選択肢としては、ブラウンズのヘッドコーチ(HC)ケビン・ステファンスキーがミネソタ・バイキングスに所属していた際に素晴らしいシーズンを過ごしていたカーク・カズンズや、2023年にチームのヒーローとなったジョー・フラッコが挙げられる。当時、フリーエージェント(FA)だったフラッコは自宅でくつろいでいたところからブラウンズのラインアップに加わり、チームをポストシーズンに導いた。

カズンズはアトランタ・ファルコンズと契約中であるため、獲得するにはトレードが必要となる。報酬が高いバックアップ選手でもあるカズンズは、ブラウンズがドラフト全体2位でクオーターバックを指名しない場合、論理的に最も適した選択肢となるだろう。

フラッコは昨季にインディアナポリス・コルツで先発を任されたり外されたりしながら、年齢を感じさせる場面もあったが、ハスラムは月曜日にフラッコの名前が“話題に上がっている”と明かした。

「何かをするという意味ではないが、彼は話に出てきている」とハスラムはコメントしている。

これは、ハスラムが言及した大きな動きに出て失敗したことによる影響だ。それは、ディフェンシブエンド(DE)マイルズ・ギャレットが年俸4,000万ドル(約59億9,506万円)に上る契約延長を提示されるまで退団を望んでいた理由も説明できるかもしれない。

『The Athletic(ジ・アスレチック)』によれば、ハスラムは「いいか、マイルズは去年、フラストレーションを感じていたが、私たちも同じだ。全員がフラストレーションを感じているんだ。彼がフラストレーションを感じるほど気にかけてくれていることをうれしく思う。彼が今後もずっと私たちと一緒にいてくれることを楽しみにしている」と述べたという。

ギャレットは確保された。クオーターバックについては、少なくとも現時点では同じことが言えない。

【RA】