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2025年NFLドラフトを前に全チームが1巡目指名権を保有

2025年04月18日(金) 10:31


2024年NFLドラフト【AP Photo/Paul Sancya】

2025年NFLドラフトがアメリカ・ウィスコンシン州グリーンベイでスタートするまで1週間。現時点で、すべてのチームが1巡目の指名権を有している。

『NFL Research(NFLリサーチ)』によれば、2025年の指名プロセスは全32チームが新リーグイヤー開始時に1巡目指名権を有している、歴史上初めてのプロセスだという。その事実は、今も変わっていない。

全チームが1巡目指名権を手にドラフトデーを迎えること自体が珍しいだけではなく、同じく『NFLリサーチ』によれば、これらの指名権が4月24日(木)までにトレードされなかった場合、新リーグイヤー開始時からドラフト初日までの間に1巡目指名権が一切トレードされないのは、2014年以来になるとのことだ。

トレードの少なさは今年の話題となっている。今回のドラフトクラスは堅実ではあるものの、突出した部分がないと評されており、真のゲームチェンジャーがトップにいないことから、各チームはトレードアップを目指そうとしていない。仮に全体28位の指名権があるとして、18位の選手と同様の選手を獲得できるなら、トレード資本をなげうつ価値はないということだ。

しかしながら、カロライナ・パンサーズのジェネラルマネジャー(GM)ダン・モーガンが今週に指摘したように、1チームでも誰か1人の選手にほれ込み、何としても獲得しなければと決意したならば、状況は変わってくる。

2025年の1つの特徴として、上位のクオーターバック(QB)たちの実力に疑問が持たれている。QBを必要としているテネシー・タイタンズは全体1位でキャム・ワードを指名すると見られる。それ以降の選手の評価がどうなってくるかだ。シェドゥーア・サンダースは来週、これまでに集まっている関心が正当なものであることを示せるだろうか? ジェイレン・ミルローやジャクソン・ダート、タイラー・ショウといった、今後の成長が期待される選手たちは、各チームにトレードアップしてでも――おそらく1巡目の後半で――獲得したいと思わせることができるのか?

デレック・カーが肩を負傷したとの報を受け、ニューオーリンズ・セインツもクオーターバックを必要としており、セインツが有する全体9位がターニングポイントになるかもしれない。

過去15年にわたり、ドラフト1巡目指名の当日に、最初にトレードアップして指名を行ったチームは、12名の攻撃選手(2024年全体10位でミネソタ・バイキングスが指名したQBのJ.J.マッカーシーを含む)をドラフトしてきた。それ以外のケースとしては、ヒューストン・テキサンズが2023年に全体3位で指名したエッジのウィル・アンダーソンJr.、2019年にピッツバーグ・スティーラーズが全体10位で選択したラインバッカー(LB)デビン・ブッシュ、2013年にマイアミ・ドルフィンズが全体3位で指名したエッジのディオン・ジョーダンがいる。

今回のドラフトに関係して、『NFLリサーチ』は他にも過去のトレードの傾向を指摘した。

・24回のドラフトで連続して、少なくとも1チームがトップ15内で、もしくはトップ15内へトレードアップ
・2011年(新人の報酬スケール制導入)以来、トップ10内での、もしくはトップ10内へのトレードが平均して1.5回発生

広くフランチャイズクオーターバックだと見なされる選手がいないことが、トレードの動きを鈍らせてきた。一部のチームは自ら動く前に、ドラフト日にドミノが倒れ始めるのを待っているのが現状だ。ドラフトがこれほど迫った段階で1巡目のトレードがないのはまれなことではあるが、だからといって、必ずしもドラフト日のグリーンベイに嵐が吹き荒れないというわけではない。

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