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ウォーレン・ムーンがタイタンズ全体1位指名QBウォードに永久欠番となっていた1番ジャージーの着用を許可

2025年04月26日(土) 10:32


ウォーレン・ムーンとマイアミ大学キャメロン・ウォード【AP Photo/George Walker IV】

2025年NFLドラフト全体1位指名を受けた選手は、確かにテネシー・タイタンズの“1番”となる。

クオーターバック(QB)キャメロン・ウォードが現地24日(木)夜に行われたドラフトの全体1位で指名されたことは驚きではなかったが、金曜日に行われたウォードの入団記者会見は殿堂入りした元QBウォーレン・ムーンがマイアミ大学出身のウォードに1番のジャージーを手渡すというサプライズで始まった。この番号は、ムーンがヒューストン・オイラーズで10年間活躍した後にフランチャイズによって永久欠番とされていたものだ。

ムーンは「私はただ、この若者に大きな尊敬の念を抱いているからここに来た」と語り、こう続けている。

「彼がこれまでの道のりで十分ではないと言われ続けてきたという点で、私たちの旅路には似ている部分が多い。誰も彼に素晴らしい機会を与えたいと望まなかったが、彼はただただ戦い、リーダーシップや粘り強さを示し続けてきた。そして今日、ここでナショナル・フットボール・リーグのドラフト全体1位指名選手となった。それこそ、私がここに来たかった理由であり、彼のことをどれほど誇りに思っているかを本人に伝えたかったのだ」

「私はさまざまな理由で1番を着用していたし、大学に所属していた1976年から長くその番号を身につけていた。ヒューストン・オイラーズの組織のために非常に名誉ある形で着用し、最終的には殿堂入りキャリアを築くことができた。今はテネシー・タイタンズファミリーの一員だ。私のヒューストン・オイラーズのジャージーが着られることはもう二度とないだろう――そうであってほしいと願っている。だが、テネシー・タイタンズのジャージーはキャムが着ることになる。キャムはこの組織を活性化するために新たな風を吹き込み、チームをリーグで最も成功した組織の1つだった数年前の水準に戻すことに貢献するだろう」

ウォードは約1カ月前からムーンに許可を求めていたが、金曜日のような形で授けられるとは思っていなかったと明かしている。無名だった高校時代からNFLドラフト全体1位で指名されるまでの道のりと同様に、ウォードはナッシュビルで称賛を受けながら紹介された際も謙虚な姿勢を崩さなかった。

ウォードは報道陣に「ムーンさんがこの番号を授けることで祝福してくれたことをうれしく思っているけど、番号自体には何の意味もないと思っている。重要なのはフィールドでのプレーだ。だから、チームメイトと共にこの機会に挑む準備はできている」と話し、次のようにつけ加えた。

「数字を意味のあるものにするのは人じゃなくて選手だ」

記者会見を終えた後、『NFL Network(NFLネットワーク)』のサラ・ウォルシュの取材に応じたウォードは、ムーンが着用していた番号を身につけることに対するプレッシャーは感じていないと語った。

「重荷は感じていない。俺は今でも無名選手だ。たまたま高い順位で指名されただけだから、これまで言われてきたことはいつまでも忘れないし、それが頭から離れることは決してない。毎日、思い出す。俺はただチームメイトと一緒に仕事に取り掛かりたいだけだ」とウォードは話している。

金曜日、ウォードはドラフト全体1位指名選手として尊大な態度を取ることなく、プロの道へと歩みを進めることへの興奮を表現しようとした。

ウォードは5年間のカレッジキャリアを通じて158回のタッチダウンパスを決め、NCAA記録を樹立している。大学加入当初の評価は低かったが、最終的にはドラフト全体1位指名選手となった。NFLで新たな高みを目指し、タイタンズのチームメイトと共にフィールドに立つことを待ち望んでいる22歳のウォードは、レジェンドが身につけていた背番号1をまといながら、パスヤードとタッチダウン数でフランチャイズ記録を塗り替えることを目指しているのかもしれない。

ウォードはウォルシュに、NFLでの学習曲線について「レシーバーたちと一緒に時間を過ごすことが一番大切だと思う。パスを通すタイミングが、完璧なカバレッジを破るカギだと思っている。俺もレシーバーも、オフェンス全体、スタッフ、オフェンシブラインも含めて、みんなが自分の仕事を遂行する必要があるし、長い目で見れば、コミュニケーションが重要になると思う」と語った。

【RA】