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元大学バスケットボール選手のTEドーナーは「伸びしろがたくさんある」とブロンコスHCペイトン

2025年04月28日(月) 11:14


ユタ大学のケイレブ・ドーナー【AP Photo/David Zalubowski】

デンバー・ブロンコスのヘッドコーチ(HC)ショーン・ペイトンは、元大学バスケットボール選手をNFLのスタータイトエンド(TE)へと育てることに定評がある。

2010年のドラフト3巡目でジミー・グラハムを指名し、ニューオーリンズ・セインツで成功に導いたペイトンは今回、ユタ大学のケイレブ・ドーナーを7巡目(全体241位)で指名し、同じような結果──あるいは少しでも近い結果──を期待している。

ドーナーはグラハムと同様に、大学フットボールをわずか1シーズンしかプレーしていない。限られた実績が評価を難しくしたものの、身長約201cmの体格とポテンシャルが、2025年ドラフトにおけるブロンコスの最後の指名にふさわしい存在となった。

チームの公式記録によれば、ペイトンHCはこれほどにも経験の少ない選手をドラフトすることは「難しい」と語ったという。

「ジミー・グラハムも確かキャッチ数は14回か15回くらいだった。どちらも大学フットボールの経験は1シーズンだけで、バスケットボール選手としては優れていた。ただ、ジミーの場合はもっと評価材料があった。彼はコンバインにも招待されていた。今回はドラフト終盤で、身長約201cm、体重約111kgの選手に成長の可能性を見た。バスケットボールのスキルセットが高いレベルにあるのはすぐにわかった。プレー時間は少なかったが、それでも注目に値するものが十分あった。ビッグ12のプロデーで彼の動きを見られたこともプラスだった。いくつかのプレーだけでも動きのスキルが見て取れたし、伸びしろがたくさんある。もしグラハムの時のようにうまくいけば、すごくエキサイティングなことだ」

「リーグの歴史をさかのぼれば、(アントニオ)ゲイツも確かドラフト外で契約したはずだ。タイトエンド向きの体型を持つ選手たちが減っているわけではなく、今はバレーボールやバスケットボールをやっているかもしれない。いずれにしても彼らは突出している。実際にフットボールをプレーする姿を見る機会があれば、パッドを着けて1シーズン戦う中で、動きのスキルや身長、体重、視覚と手の連動の良さが見えてくるだろう。多くの成長の可能性があって、そこに期待している」

ドーナーはフォワードとして、ブリガムヤング大学(BYU)とベイラー大学でそれぞれ2年間バスケットボールをプレーした。2024年にベイラー大学を卒業後、ユタ大学に転校し、バスケットボールで22試合に出場するとともに、ドラフト3日目に名前を呼ばれることにつながるフットボールへの挑戦を始めた。

ユタ大学のフットボールチームで12試合に出場し、限られた成績ながらも目を引く記録を残した。わずか4回のレシーブをすべてタッチダウンで終わらせ、2ポイントコンバージョンにも成功。そして、フィールドゴールブロックも記録している。カレッジフットボールでの通算レシービングヤードはわずか54ヤードという状態でNFL入りを果たした。

持ち前の資質を持ってしても、ドーナーの成長への道のりは険しいものになるだろう。

フットボールに応用できるバスケットボールスキルについて、ドーナーは、「ジャンプや高い位置でボールを捉えることは応用できる」と話している。

「でも、フットボールにはそれ以外にもたくさんの要素がある。それをこれから掘り下げて、基礎やテクニックをはじめとするあらゆる部分で、ブロンコスで素晴らしいフットボール選手になるために必要なことを学んでいくのを、心から楽しみにしている」

プレッシャーをかけるわけではないが、ペイトンHCが挙げた2人はドーナーにとってきわめて高い目標と言えよう。

グラハムはマイアミ大学で1シーズンだけフットボールをプレーし(キャッチ17回、213ヤード、タッチダウン5回)、その後セインツに加入。すぐに相手守備にとって脅威となり、プロボウルに5回選出され、レシーブ通算719回で8,545ヤード、タッチダウン89回を記録した。

一方、プロフットボールの殿堂入りを果たしたゲイツは、大学で一度もフットボールをプレーしていなかった。ケント州立大学のバスケットボール部から、ドラフト外でロサンゼルス・チャージャーズ入りを果たした逸材だ。16年にわたるキャリアの末にタッチダウン通算116回を決め、タイトエンドとして歴代1位に立ち、レシーブ955回と1万1,841ヤードはいずれも同ポジションにおいて歴代4位につけている。

グラハムとゲイツという成功例は、ブロンコスがドラフト終盤で賭けに出た理由を裏づけるものだ。ただし、同じように複数の競技を経験してドラフト指名やドラフト外契約を勝ち取ったものの、その後に忘れ去られた選手も数多く存在する。

今のドーナーに課せられているのは、フットボールをさらに学び、ロースター入りを果たすことだ。ブロンコスのタイトエンド陣にはエバン・エングラムとアダム・トラウトマンが在籍しており、オフシーズンプログラムでは、ルーカス・クルルやネイト・アドキンスといった経験豊富な選手たちとの競争に臨むことになる。

結果を残すのは決して簡単なことではないが、ドーナーはこのチャンスを心から楽しんでいる。

「これ以上うれしいことはなかった」とドーナーはドラフト指名について語った。

「ただチャンスがほしかっただけだし、どこにいようと──今はブロンコスの一員になったけど──勝利のためにできることはすべてやるつもりだ。フットボールの経験はまだ多くないけど、だからこそこの競技に挑戦している。情熱と愛情を持つようになったからだ。あの時はすごく興奮したし、スポーツをする人間なら誰もが夢見る瞬間だった。だから、今こうしてここにいるんだ」

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