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J.J.ワットらスター選手が契約問題を抱えるベンガルズDEヘンドリックソンを擁護

2025年05月14日(水) 14:01


【NFL】

現地12日(月)、ディフェンシブエンド(DE)トレイ・ヘンドリックソンがシンシナティ・ベンガルズに対する不満を表明した件が、元オールプロのエッジラッシャーの耳にも届いた。ヘンドリックソンは火曜日になって、現行契約では2025年にプレーしないと発言しているが、それに先立って、複数の選手たちがヘンドリックソンを支持する発言を残している。

NFLの年間最優秀守備選手賞に3度輝き、将来のプロフットボール殿堂入りが確実視されているJ.J.ワットが、ヘンドリックソンのチームに対する不満を受けてSNS上で支持を表明した。ワットらしい率直な物言いで、「早いうちに適正な報酬を払うか、後になって高額を払うかだ」とコメントしている。

「チームはビジネスとして扱いたがるくせに、選手が同じように振る舞うのは気に入らない」と、ワットは月曜日に投稿した。

ワットの投稿には現役および元NFL選手たちが次々と反応し、チームに残るために希望額を下回る契約を受け入れさせるという慣習に対する反発の声が相次いだ。

「これまでの働きに対して報酬を払え!!!」と、ニューオーリンズ・セインツのDEキャメロン・ジョーダンはワットの投稿に返信している。

「去年の時点でちゃんと対応できたはずだろ! しかも彼は年間最優秀守備選手(DPOY)級の活躍を見せたんだ」

元ディフェンシブタックル(DT)ダムコング・スーは次のような内容を投稿した。

「俺も100%この意見に賛成だ。チームというのは本当にこういうやり方をする。デトロイト・ライオンズもまさに俺に対してそうだった。だから俺はチームを離れざるを得なかったんだ。しっかりと結果を残した2014年シーズンに対して報酬を求めたとき、彼らは当然のように低い金額を受け入れさせようとしてきた」

「でも、彼らは忘れていたんだ。俺が元1巡目指名選手として、本来なら(クオーターバック/QB)マシュー・スタッフォードより高い報酬を受け取るはずだった2010年に、すでにその割引を適用したことを」

「彼らはQBより多くは払えないと言ってきた。だから俺は、わかった、じゃあ2度目の契約の時に俺がそれだけ価値のある選手だと証明してみせるから、彼よりも多く払ってもらうさ、と返したんだ!」

昨年に33歳にしてキャリア最高のシーズンを送ったボルティモア・レイブンズのベテランミドルラインバッカー(MLB)カイル・バンノイは、「J.J.、チームがもう使えなくなる次の言い訳は年齢だな!」とコメント。

「数字は数字だ!! トレイには正当な報酬がふさわしいし、今季も2試合を除いて暴れまくるさ!」

ヘンドリックソンが昇給に値するのは疑いようがない。2024年シーズンにはリーグ最多となるサック17.5回を記録し、2年連続で同じ数字を叩き出したにもかかわらず、平均年俸ではトップ10に届いていない。

クリーブランド・ブラウンズのDEマイルズ・ギャレットが年俸4,000万ドル(約59億520万円)の延長契約を勝ち取り、ラスベガス・レイダースのDEマックス・クロスビーも2年連続で昇給を果たしている現在のマーケットにおいて、次に報われるべきはヘンドリックソンだ。しかし本人によれば、ベンガルズからの反応はほとんどなく、沈黙に近い状態が続いているという。

意図的ではないにしろ、J.J.ワットの発言は弟であるピッツバーグ・スティーラーズのアウトサイドラインバッカー(OLB)T.J.ワットの契約にも影響を及ぼす可能性がある。T.J.はヘンドリックソンよりわずかに年上で、同じく現在の契約が最終年を迎えている。昨年のオフシーズンにランニングバック(RB)たちが団結して市場の現状について議論したように、パスラッシャーたちもまた、ヘンドリックソンの置かれた状況が2026年以降の市場動向に影響を与えかねないことに気づき始めているようだ。

兄のJ.J.ワットにとって、これは敬意と正当な報酬に関する問題だ。この件について率直に物申す資格があるとすれば、それは間違いなく彼だ。

この議論がすぐに大きな影響を及ぼすことはないかもしれない。少なくとも短期的にはそうだろう。だが、カレンダーが6月、7月へと進むにつれ、ベンガルズとヘンドリックソンが合意に至らない限り、この問題が解消することはない。現時点では、事態の打開は容易ではなさそうだ。

【R】