NFLオーナーが選手の2028年夏季五輪フラッグフットボール参加を承認
2025年05月21日(水) 10:59
NFL選手が2028年夏に金メダルの獲得を目指すことになった。
NFLオーナーが現地20日(火)に行われた春季リーグミーティングで、全会一致の32対0で決議案を可決し、NFL選手が2028年ロサンゼルス夏季オリンピックのフラッグフットボールに参加するためのトライアウトを受けることを認めた。
各チームから参加できる選手は最大1名までとされている。また、各チームが指定した国際選手も自国代表として参加することが可能だ。
火曜日、NFLコミッショナーのロジャー・グッデルは今回の発表を受けて「このニュースはスポーツ全体、そしてNFLにとって、素晴らしい機会となると思う」と報道陣に述べている。
「これは、NFLフットボールおよびフットボールを、世界中のあらゆる年齢層とあらゆる機会を持つ男女に向けたグローバルなスポーツにするための、本当の意味での新たな一歩だ。私たちはそれが正しいことだと考えており、これはその目標を達成するための大きな一歩だ」
NFLフットボール運営部門執行副社長のトロイ・ビンセントは「私たちは今、国際舞台に立っており、それはとてもワクワクすることだ。私たちはアメリカで最も素晴らしいスポーツを真に国際舞台へと届けることができる」と語った。
決議の承認を受け、リーグ経営協議会は今後、NFLPA(NFL選手会)や各国の管理機関、オリンピック当局と交渉を進めることができるようになった。10人の選手で構成されるロースターは、各国の国内オリンピック委員会(NOC)によって選出される。
国際オリンピック委員会(IOC)が2023年10月に、2028年夏季オリンピックで史上初めてフラッグフットボールを正式種目に追加することを決めて以来、今回の決定は予想されていた。
それから間もなくして、NFLは現役選手および元選手がオリンピックに出場できるようNFLPAと協力していくと発表。それ以降、NFLが独自の“ドリームチーム”を結成する可能性に期待が高まっている。
“ドリームチーム”はもともと、1992年夏季オリンピックでアメリカ男子バスケットボールチームに与えられた称号だ。それは、初めてNBA選手をメンバーに含んだアメリカ代表チームであり、マイケル・ジョーダンやマジック・ジョンソン(現在はワシントン・コマンダースのオーナーグループの一員)、ラリー・バード、チャールズ・バークリーといった史上最高の選手たちが名を連ねていた。
現在はNFLも独自の“ドリームチーム”を擁する可能性が出ている。
「選手たちにとって、自国を代表し、世界的なスポーツの頂点である金メダルを目指して競い合うことは、とてつもなく素晴らしい機会だと思っている」とグッデルは語った。
NFLの多くのスター選手はすでにプロボウルゲームズでフラッグフットボールの経験を積んでいる。リーグは2023年に、従来の1日限りのプロボウルを複数日にまたがるイベントに変更。複数の競技や3試合のフラッグフットボールゲームを実施し、得点が合算されて最終スコアが決まる形式にした。
しかし、ロースターを編成する前に、いくつかの詳細を詰める必要がある。
その中には、選手がフラッグフットボールの活動中に負傷した場合の傷害補償やサラリーキャップの調整措置のほか、NFL選手に対して“医療スタッフやフィールドの環境に関する一定の最低基準”を確保することも含まれていると、オリジナルの決議文書で示されている。
フラッグフットボールの試合およびイベントは選手のNFL活動と“不当に重複しない”ように日程が調整される必要がある。
大会までにはまだ3年あるものの、スター選手が出場を決断するかどうかは大きな注目を集めるだろう。
プロボウルに選出された経歴を持つミネソタ・バイキングスのワイドレシーバー(WR)ジャスティン・ジェファーソンは火曜日に行われた発表会に出席し、「それは間違いなく、少しばかり考えないといけない決断だ」とコメント。
「3年後の話だし、その間に3シーズンを乗り越えないといけない。もちろん、年をとるし、体も変わるだろう。でも、それはずっと夢だった。ずっとやりたいと思っていたことだ。自国のために、世界中の他の国の選手と戦うこと。“自分が世界一だ”と言うチャンスを得ること。俺たちが他の国と対戦していないという批判をしてきた人たちがいなくなり、本当に世界一だと言えるようになること。もしその機会が巡ってくるなら、それは間違いなく楽しみだ」
2028年夏季オリンピックは7月14日(金)から30日(日)まで開催される。
しかしこの火曜日は、NFL選手がフラッグフットボールで金メダル獲得を目指すことを正式に認められた記念すべき日となるだろう。
ジェファーソンは「オリンピックに出場して金メダルを獲るチャンスを考えると、それは夢のような話だ」と話し、こう続けている。
「子どもの頃に陸上競技の大会を見たり、バスケットボールで金メダルを獲る姿を見たりしていたことを思い出す。子どもの頃はずっと、ああいう舞台に立ちたいと思っていたけど、フットボールは世界的なスポーツじゃなかった。だから今、このスポーツを広げ、これからもっと世界的なものにしていくのは本当に素晴らしいことだ」
【RA】