カウボーイズへのトレードを驚きつつ喜ぶQBミルトン
2025年06月02日(月) 12:34
ルーキーシーズンにトレードされたクオーターバック(QB)ジョー・ミルトン三世は、バックアップからまたバックアップになった。それにもかかわらず、NFLキャリアを進めていく中で、ミルトンはダラス・カウボーイズに加わったことで有頂天になっている。
2024年NFLドラフトの6巡目でニューイングランド・ペイトリオッツから指名されたミルトンは、長ければ新人契約の期間全体で、同じドラフトの全体3位で名を呼ばれたドレイク・メイの後ろに控える運命だった。しかし、ペイトリオッツのレギュラーシーズン最終戦で先発の機会を得た際、それを活用したミルトンは、カウボーイズをトレードに動かすだけの才能の輝きを見せている。
チームの公式サイトにて、ミルトンは「驚いたかって? そりゃそうさ。7時とかに起きて、電話があって、トレードされるって知ったんだから」とコメントした。
驚きはもちろん、不満とイコールではない。ミルトンのビッグDでの感触はそれとは正反対であり、これからダック・プレスコットのバックアップQBの座をウィル・グリアーと争っていくことになる。
「俺にできただろう唯一のことは、というか、俺があのとき実際にやった唯一のことは、神に感謝すること。ここに来たのは恩恵だ。ここになるとは思わなかった。どこに行きつくか、分からなかったんだ」
「仕事できることを、ただ神に感謝していた。(でも今は)まずは熱気の中に戻っている。第2に、彼は俺がドームでプレーすることを許可してくれた。第3に、ここはアメリカズチームだ。それに、ダックみたいな人から学べるのは素晴らしいこと」とミルトンは話している。
ニューイングランドではメイが本物のクオーターバックらしい姿を急速に確立していったのに対し、ダラスでは、ミルトンはより強固な先発クオーターバックが立ちはだかっている状況に置かれる。
プレスコットは2番手に大きな差をつけて、NFLで最も高額を支払われるクオーターバックとなった。年平均額は6,000万ドルで、2位タイの3人であるジョー・バロウ、ジョシュ・アレン、ジョーダン・ラブに年額500万ドルの差をつけている。それにもかかわらず、プレスコットの負傷歴から、カウボーイズのバックアップQBは非常に重要なポジションとなっている。
間もなく32歳になるプレスコットは、ハムストリングの腱が部分的に骨から断裂するというケガを負って昨シーズンを終えた。今は完全に回復し、ダラスに再びタイトルをもたらすための戦いの準備ができている。とは言え、過去5シーズンを振り返れば、25試合に欠場していた。
プレスコットが再び倒れることがあれば、ミルトンかグリアーに声がかかるだろう。
グリアーはキャリアの大部分を練習生として過ごしてきた。最後に先発したのはカロライナ・パンサーズに所属していた新人時代の2019年で、戦績は0勝2敗。インターセプトが4回、タッチダウンパスは0回だった。
ミルトンは荒削りだが、エキサイティングなパサーだ。ロケットのような腕を持つ一方、正確性の部分では調整を必要としている。とは言え、ミルトンがペイトリオッツで経験した唯一の先発で披露したパフォーマンスが平常のものとなれば、文句を言う者は誰もいないだろう。ミルトンはパス29回中22回成功、241ヤード、タッチダウン1回をマークしたのに加え、グラウンドでも1度、ポイントを獲得。プレッシャーからうまく逃れつつも、プレッシャーがかかる状況でも優れた投球を見せた。また、体勢が崩れていても狭い隙間にパスを通している。
ミルトンはチャンスを活用し、そのおかげでここにいる。
リシャッフルされたカウボーイズのQBルームに加わった新たな要素であるミルトンは、仲間のシグナルコーラーの中に自分の居場所を見いだした。
「すごいよ。俺たちには3つの別々のゲームがあるわけだろ? ダックはこのルームに1番多くの経験をもたらすし、ウィルの人生にはずっとフットボールがあった。そこに俺が来た。俺の子ども時代にはクオーターバックコーチがいたわけじゃない。ただ運動神経がめちゃくちゃ良くて、さらに違う武器もある」
「学びながらやってきて、いろいろとできるようになってきた。だから、それをすべてまとめて、また別のクオーターバックが出来上がる。それってすごいよね。俺たちはおたがいにいい影響を与えている。」
ミルトンが2025年のプレシーズン以降もその才能を披露するポジションにつけるとすれば、カウボーイズはミルトン獲得という低リスクな動きがハイリターンになることを期待するだろう。
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