プロボウルに4度選出されたライオンズCラグナウが7シーズンのキャリアに幕
2025年06月03日(火) 09:32
デトロイト・ライオンズはまた1つ大きな穴に対処しなければならなくなった。
現地2日(月)、プロボウル選出経験のあるセンター(C)フランク・ラグナウがNFLでの7シーズンを経て引退すると発表し、「自分の健康と家族の未来を優先すべき時が来た」と語った。
ラグナウはソーシャルメディアの投稿で次のようにつづっている。
「フットボールの旅が終わりつつあることと、NFLから正式に引退することを実感していく中で、この数カ月はとてもつらかった。自分は調子が良いと思い込もうとしてきたけど、実際はそうじゃない。自分の健康と家族の未来を優先すべき時が来た。このチームにすべてを捧げてきたし、まだまだ貢献できると思っていたけど、シンプルにそうじゃないというのが現実だ。体の声に耳を傾けなければならないけど、この決断は人生で最も難しいものの1つだった。ライオンズの組織はこのプロセスを通じて素晴らしい対応をしてくれ、チームとファンの皆さんに対する感謝はいくら強調しても足りないほどだ。みんなのために戦えたことは本当に光栄だった」
ラグナウの引退を最初に報じたのは『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートだ。
2018年ドラフト1巡目指名を受けたラグナウは、ライオンズ在籍中にNFL屈指のセンターとして評価されてきた。オールプロのセカンドチームに3度選出された経歴を持つラグナウは、過去3シーズンを含め、キャリアで4度プロボウルに選ばれている。
今春、ラグナウはライオンズの自主参加のOTA(チーム合同練習)に参加していなかった。契約延長を求めていたとの報道もあったが、ライオンズのインテリアオフェンシブラインの中核を担っていたラグナウは、完全にチームを去ることになった。
レフトガード(LG)としてキャリアを開始したラグナウは、2019年にセンターに転向。ライオンズ攻撃陣が再生を遂げる中、オフェンシブラインの中央で圧倒的な存在感を発揮した。
29歳のラグナウはキャリアを通して数多くのケガに悩まされてきた。2024年シーズン序盤には胸筋を負傷し、長期離脱の可能性もあったが、わずか1試合の欠場で復帰。ヘッドコーチ(HC)ダン・キャンベルは9月にそのケガについて話した際に、親しみを込めてラグナウのことを“頑固”で“堅物”な選手だと評した。
当時、キャンベルHCは「彼はタフで頑固だから出場したがっているし、彼はいつもそうだ」と述べている。
7シーズンのキャリアを通じて、脳しんとう、股関節、喉、足、膝、胸筋と、さまざまな部分に問題を抱えてきたラグナウは、レギュラーシーズンに20試合を欠場したものの、それ以上の試合をケガを抱えた状態で戦い抜いてきた。
NFL屈指のセンターの1人として活躍したラグナウは、特に地上戦において圧倒的なパワーを発揮した。
ラグナウの引退により、ライオンズのオフェンシブラインの中央には巨大な穴があく。幸いにも、ライオンズのジェネラルマネジャー(GM)ブラッド・ホームズはここ2年のドラフトでオフェンシブラインの内側を補強してきた。2025年ドラフトでは、ガード(G)のテイト・ラトリッジとマイルズ・フレイジャーをそれぞれ2巡目と5巡目で指名。2024年にはドラフト6巡目でGクリスチャン・マホガニーを指名している。ガードはいずれも若手選手だが、オフェンシブラインコーチのハンク・フレイリーはポジションをまたいで選手を育成することで知られている人物だ。
ライオンズはベテランのグラハム・グラスゴウをセンターとして起用する可能性がある。グラスゴウは9年のキャリアで2,600回以上のスナップをセンターとして経験してきた。OTAではラグナウが不在の中、ラトリッジもセンターとガードで練習を積んでおり、新人ながらポジション変更に挑戦するかもしれない。ライオンズは控えのセンターとしてマイケル・ニースも擁している。
攻撃コーディネーター(OC)を務めていたベン・ジョンソンがシカゴ・ベアーズのヘッドコーチに就任したことで、ライオンズ攻撃陣は疑問を抱えたままオフシーズンを迎えることになった。そうした中で、トレーニングキャンプでは新たに大きな穴を埋める必要も出てきている。クオーターバック(QB)ジャレッド・ゴフは新たなOCから指示を受け、新たなセンターからスナップを受けることになる。
【RA】