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状況に応じてDEヴァン・ネスのDT起用を「検討」するとパッカーズHCラフルアー

2025年06月04日(水) 16:29


グリーンベイ・パッカーズのルーカス・ヴァン・ネス【AP Photo/Jeffrey Phelps】

ディフェンシブエンド(DE)ルーカス・ヴァン・ネスはキャリア3年目に、グリーンベイ・パッカーズのディフェンシブラインの内側でパスラッシュ能力を発揮することになるかもしれない。

2023年ドラフト1巡目指名を受けたヴァン・ネスは、ディフェンシブエンドとしてプレーしてきた2シーズンで7回のサックを記録しているが、地元記者たちは現地3日(火)に行われたOTA(チーム合同練習)でヴァン・ネスが内側でのプレーに参加していたことに気づいた。ヘッドコーチ(HC)マット・ラフルアーは練習後の記者会見で、23歳のヴァン・ネスが、パスプレーとなる可能性が高い場面でディフェンシブタックルとしてプレーする可能性はあると認めている。

ディフェンシブラインの内側と外側で起用することがヴァン・ネスの力を引き出すのに役立つ可能性があるのかと質問されたラフルアーHCは「ああ、状況に応じてその可能性はある」と答え、こう続けている。

「明らかにパスが予想される状況では、その可能性が検討されると思う。ただし、その多くは他の選手たちの状況次第でもあるだろう。ルーカスは大きな成長を見せており、パッドをつけてプレーする姿を見るのを楽しみにしている。他の選手たちがどう競い合うかも楽しみだ」

パッカーズに指名された当初は未熟な選手だったため、最初の2シーズンをローテーショナルプレーヤーとして過ごしてきたヴァン・ネスは、DEラシャン・ゲイリーの反対側のエッジスポットで先発を務める可能性がある。ヴァン・ネスは2024年シーズンにそのポジションで355回のスナップに参加した。ドラフト1巡目で指名され、新人契約も中盤に差し掛かった選手が先発出場を期待されるのは当然だと言えるが、昨シーズン中盤にプレストン・スミスがトレードされた後の7試合で先発を務めたのがヴァン・ネスではなく、2022年ドラフト5巡目指名を受けたキングスリー・エナグバレだったことを踏まえると、ヴァン・ネスはエナグバレとの競争を勝ち抜かなければならない。

パッカーズは昨シーズンに45回のサックでNFL内8位タイにつけたため、プレッシャーをかける新たな方法を必死に模索する必要があるわけではない。また、ケニー・クラークとデボンテ・ワイアットという2人の優秀なディフェンシブタックルを擁しているパッカーズ守備陣は、すでに相手クオーターバック(QB)にとって十分な脅威となっている。この2人は過去2シーズンで計19回のサックを記録してきた。

『Pro Football Focus(プロフットボール・フォーカス)』によると、ヴァン・ネスは2024年にディフェンシブタックルとして20回のスナップに参加したとのこと。サイズとスピードを兼ね備えたヴァン・ネスは、特定の状況下で興味深いミスマッチを生み出す可能性がある。クラークとワイアットが共に身長約191cmで、体重がそれぞれ約142kgと約138kgであるのに対し、ヴァン・ネスは身長約196cm、体重約123kgだ。ヴァン・ネスはパッカーズの他のディフェンシブラインマンよりもはるかに素早く中央を突破し、クオーターバックに迫ることができるかもしれない。

どれほどディフェンシブラインの内側で出場機会を得ることになっても、ヴァン・ネスが主にディフェンシブエンドとしてプレーすることは間違いなく、そのポジションで磨きをかける必要もまだまだある状態だ。ラフルアーHCはヴァン・ネスがオフシーズンプログラムに「以前とは異なるレベルの自信」を持って臨んでいると明かしており、チームとしてプレッシャーをかけることについて問われた際に、それをほのめかしている。

パッカーズのフロントフォー全体について「今日のフットボール界では、どのフェーズであっても、万能性を示せば示すほど、相手にとっては対策が難しくなると思う」と述べたラフルアーHCはこう続けている。

「やり過ぎかどうかの境界線は微妙だし、そこが難しい課題だと思う。確かに万能であることは望ましいけど、自分がやっていることに磨きをかけることも大切だ。やることが増えれば増えるほど、有意義な練習に割ける時間は減ってしまう。つまり、どうすれば十分な柔軟性や万能性を持てるのか、そして何を本当の意味で上達させられるのか、その間でバランスをとる必要があるということだ」

いずれにせよ、クオーターバックにプレッシャーをかける新たな方法を試してみることは決して無駄ではない。

【RA】