クオーターバック（QB）カーク・カズンズにとってのベストプランは、アトランタ・ファルコンズでの初めてのシーズンとこのオフシーズンに立ち消えてしまった。

トレード話も静まった今、ベテランクオーターバックのカズンズはファルコンズのバックアップとして、先発QBマイケル・ペニックスJr.のサポートに回ることになる。

チームの公式サイトによれば、カズンズはファルコンズの参加必須のミニキャンプの場で「ここからは前に進んでいくよ」と話したという。

自主参加のチーム合同練習をスキップしたカズンズだが、予想通り、今週に始まるミニキャンプには姿を現した。適したトレード先が浮上しない限り、1年前に4年1億8,000万ドル（約260億8,393万円）の契約を結んだカズンズは、ファルコンズのバックアップQBになるだろう。

昨シーズンの第14週終了後にベンチに下がったカズンズは、新天地を探していた。しかし、それが実現しなかったことで、アトランタのQB2という新たな役割に自身のフォーカスと経験を振り向けている。『The Associated Press（AP通信）』はカズンズが現地10日（火）に次のように話したと伝えた。

「もちろんプレーしたいけど、現実的じゃないことに思い悩むつもりはない。自分の今いる状況に集中し、自分が制御できることをコントロールすることに集中した方がいいだろ。それが正しいマインドセットだと思う。1月、2月、3月は話し合いがあって、4月になってもあったけど、タイムラインという部分では俺たちは前進している」

先述のファルコンズとの契約は、カズンズがミネソタ・バイキングスでの最終年にアキレス腱を断裂した後に実現したものだった。カズンズはファルコンズのメンバーとしてフィールドに復帰し、14試合で3,508パッシングヤード、タッチダウンパス18回と、リーグハイのインターセプト16回を数えている。大部分でうまく動けないように見受けられたカズンズは、タンパベイ・バッカニアーズとの2試合でタッチダウン8回を決めた一方、他の試合では苦戦することが多く、5週間でタッチダウンパス1回にとどまったこともあった。

今となって振り返ってみれば、シーズンを通して起こっていた足首の張りのせいもあって、カズンズは自分が思ったほどの健康状態を得られなかったことを認めている。

「アキレス腱はすごくいい感じで治った」とAP通信に語るカズンズは、こう続けた。

「でも、足首がすごく固くなっていた。筋力を上げることが大事で、そこに集中していた。このオフシーズンになって分かったのは、筋力は大丈夫だったってこと。可動性が問題だった。その両方がないといけないのに、可動性が全然なかった。だから、今は可動性に取り組んでいる」

今の段階においてさえ、カズンズは完全な状態を取り戻すために取り組んでいると話しており、それは春にトレードを考えているチームにとって魅力的には映らないだろう。

「去年、シーズンが終わったときに、自分の体のことに取り組み始めていて、その時間があった。ずいぶん良くなったと思っていたんだ。1から10で言えば、8くらいだと思っていたけど、実際は3か4くらいだった。今は6とか7、8まで戻っている。自分が思っていたよりも、ずいぶん離れていたなと分かり始めたところだ。そこにたどり着くために、このオフシーズンには学ぶことがたくさんあった」

カズンズのトレードにおいて、財政面がハードルになることも確かだ。今年の保証金は2,750万ドル（約39億8,505万円）となっており、リリースした場合、ファルコンズには5,000万ドル（約724億4,485万円）のデッドマネーと1,000万ドル（約144億9,125万円）のキャップヒットが生じる。

そういったすべての兆候は、2024年3月の時点では誰も予測していなかった状況の中で最善を尽くすべく、カズンズとファルコンズが注意深く共に前進していくことを示していた。その1カ月後、ファルコンズは2024年ドラフトの1巡目でぺニックスを指名し、フットボール界を驚かせている。

そんな中でも、カズンズはぺニックスの未来は明るいと考えている。

チームの公式サイトによれば、カズンズは「マイケルは素晴らしい選手になるよ」と語ったという。

「彼は偉大なキャリアを歩むだろうね。形あるものにしろ、ないものにしろ、成功するために必要なすべてのものを持っている。俺は彼が必要としたときにサポートするためにここにいる。でも、あまりにもうるさくして、重荷になったり、別の意見になったりする必要はない。俺は自分にできる方法でサポートしたいだけで、彼もそれを分かっている」

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