ソニーの新型NFLコーチ用ヘッドセットが2025年シーズンに初採用へ
2025年07月15日(火) 11:18
現地14日(月)、『Sony(ソニー)』とナショナル・フットボール・リーグ(NFL)がNFLコーチの要求に応えるために一からカスタム開発された新型NFLコーチ用ヘッドセットを発表した。業界トップクラスの“1000Xヘッドフォンシリーズ”から得た知見と工学原理をもとに作られたヘッドセットは、音響革新と最高レベルのエンジニアリング基準に対するソニーの徹底した取り組みを反映するものであり、NFLとのコラボレーティブエンジニアリングや技術協力の新たなシンボルにもなっている。
NFLフットボール運営部門執行副社長のトロイ・ビンセントは「ソニーは常に時代を先取りし、今日のゲームにおける厳しい要求に応えられる技術を開発している。トップレベルのコーチや選手たちは、信頼性の高いコミュニケーションを重視しており、このヘッドセットは試合当日の卓越したパフォーマンスとフットボールの革新を融合させる新たな例となっている」と述べた。
グリーンベイ・パッカーズのヘッドコーチ(HC)マット・ラフルアーは「ヘッドコーチとして、スタッフや選手とのコミュニケーションは何よりも重要だ。ソニーは、騒がしい環境での聞き取りやすさから、プレッシャーが最も高まる状況での快適さや信頼性に至るまで、私たちがまさに必要としているものを時間をかけてしっかりと理解してくれた」と語り、「このヘッドセットは試合のあらゆる要素を考慮して設計されており、今シーズンおよびそれ以降の試合で頼りにできることを楽しみにしている」と続けている。
『Sony Electronics(ソニーエレクトロニクス)』の社長兼COOであるニール・マノウィッツは「私たちはコーチ優先のアプローチをとっている。つまり、耳を傾け、テストを行い、設計することでスポーツ特有の多様な要求に対応できるようにしている」とコメント。
「このヘッドセットはフィールドでの使用を想定して作られているが、ソニーの長年にわたる音響技術の革新が支えとなっている。WH-1000XM6ヘッドホンといった製品の開発で培った知見が、過酷な環境下でも明瞭さ、集中力、高いパフォーマンスをもたらすための方法を考える上で指針となった。これは、当社の専門知識が現代のゲームにとっての実用的な解決策に生かされていることを如実に示す例だ」
ソニーの高度なノイズキャンセリング技術は、ヘッドセットに組み込まれたカスタムソリューションの開発において重要な役割を果たした。サイドライン向けに特別に調整・チューニングされたヘッドセットには、1000Xシリーズなどの製品で世界中の何百万人ものユーザーから信頼されているノイズキャンセリング技術が活用されている。開発段階では、スタジアム内での精度を高めるために、実際の観衆の騒音が100デシベルを超える環境でテストされ、ノイズキャンセリングアルゴリズムの最適化が図られた。また、このヘッドセットにはコーチの声を分離して強調するように設計された特注のマイクも搭載されており、フィールド上で一貫性と明瞭性を兼ね備えたコミュニケーションが可能となっている。
ソニーはこのヘッドセットをサイドラインでの過酷な使用環境に耐えられるよう、雨、みぞれ、雪、極端な暑さや寒さなどの厳しい気象条件にも対応できるように設計・製造した。また、サイドライン特有の物理的負荷を想定し、徹底した落下試験も実施。長時間の装着や素早い着脱に対応できるよう人間工学に基づいて設計し、激しい動きでもしっかりとフィットする装着感を実現した。
新しいヘッドセットは2025年NFLシーズンに全32チームで全面的に導入される予定で、サイドラインでのコミュニケーションを強化し、より明瞭で自信に満ちたリアルタイムの戦略遂行を支えるだろう。ヘッドセットはベルトパックを介して“Verizon Business(ベライゾン・ビジネス)”の“Managed Private Wireless Solution(マネージド・プライベート・ワイヤレス・ソリューション)”に接続される。
NFLの公式ヘッドセットとなる新製品の登場は、ソニーとNFLの継続的なパートナーシップにおける新たな一歩となっており、そのパートナーシップは工学的専門知識と現場での知見を融合し、フットボールの試合に技術革新をもたらしている。
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