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「多くの試合に勝つ。誰に聞かれても構わない」と意気込みを語るレイダースHCキャロル

2025年07月23日(水) 15:45

ピート・キャロル【Joe Robbins via AP】

ピート・キャロルは興奮していた。なぜなら、彼はピート・キャロルだからだ。

現地22日(火)、ラスベガス・レイダースのキャロルHC(ヘッドコーチ)はチームのメディアルームで記者の質問に答えていたが、頭の中は1時間後に迫ったチームミーティングのことでいっぱいだったようだ。

「動き始めるのが待ちきれない」とキャロルHCは述べている。

キャロルHCはコーチ業から遠ざかっていた1年間に恋しく思っていた、慣れ親しんだ環境に身を置いている。現在はラスベガスに拠点を移し、レイダースの立て直しを目指しているところだ。レイダースは2002年シーズンにスーパーボウル出場を果たした後、突然の低迷に陥り、かつての栄光を取り戻すために今も努力を続けている。

その取り組みはレイダースがトレーニングキャンプを開始する水曜朝に本格的に始まる。キャロルHCは昨季を4勝13敗で終えたチームに対しても、求めるレベルを下げるつもりはない。

「多くの試合で勝つ」と強調したキャロルHCはこう続けた。

「それ以外のことは想像もできない。私は20年くらいずっと、毎年10勝を挙げてきた。つまり、私が期待していることは何か? 多くの試合に勝つつもりだし、誰に聞かれても構わない」

「誰が何を聞いているかではなく、私たちが何をするかが重要だ。だからこそ、期待はものすごく大きい。期待に応えられるように基準を設定する必要がある。どうなるか見てみよう」

キャロルHCは2010年にシアトル・シーホークスで採用したゲームプランを踏襲したいと考えている。シーホークスはキャロルがヘッドコーチに就任した最初の2シーズンを7勝9敗で終えたが、その後の9年間のうち8シーズンで2ケタ勝利を達成した。

その間にシーホークスは2年連続でスーパーボウルに出場し、デンバー・ブロンコスに35点差をつけて圧勝した試合や、惜しくも敗れたニューイングランド・ペイトリオッツとの熱戦も経験している。

その前に、キャロルHCは南カリフォルニア大学(USC)を全米屈指の強豪校へと育て上げ、2003年と2004年には全米制覇に導いた。2003年はルイジアナ州立大学(LSU)とタイトルを分け合っている。

「哲学があるかないかのどちらかで、私たちにはそれがある」とキャロルHCは話している。

「私たちには信念と原則があり、それが自分たちを導いてくれている。だから、それを大きく変えるつもりはない。自分たちが知っていることと成功してきたことに忠実であり続けるつもりだ」

キャロルHCが自信を持っている一因は、サイドラインから離れていた昨季にある。

「去年は私にとって本当に貴重な時間だった」とキャロルHCは振り返った。

「当事者である時と、一歩引いている時とでは見方が異なるものだ。物事をクリアに見る機会が明確に訪れたからこそ、以前とは異なる見方ができた。多くのことを学んで吸収し、自分たちにできることや、すべての面で成長し、よりうまく物事を進める上で必要なことについて、自分の認識が変わったように感じた」

キャロルHCは引退生活を楽しむこともできたが、レイダースからオファーを受け、再びヘッドコーチに就任するチャンスに飛びついた。9月15日に74歳の誕生日を迎えるキャロルは、NFLの現役ヘッドコーチとして最年長だが、まだ衰えを見せる気配はない。

13時から始まるチームミーティングは、ただやり過ごすためのものではなく、キャロルHCらしく全力で取り組むべきものなのだ。

「自分たちを見つけ出さなければならない」と語ったキャロルHCはこう続けている。

「自分たちが何者なのかを見極める必要があり、それには適切な指導が必要だ。つまり、それは私から始まる。次に、コーディネーターからポジションごとのコーチに至るまで、全員が今いる選手たちでできることを把握するという重要な仕事を果たさなければならない。それは重要なプロセスだ。その考え方は少しあいまいに聞こえるかもしれないが、私にとっては明確に体系化されたものとなっている」

「それは本当に魅力的なプロセスだ。その中に飛び込んでいくことに心からワクワクしている」


記事提供:『The Associated Press(AP通信)』


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