タイタンズQBレビスが投球側の肩の手術へ、今季終了
2025年07月22日(火) 10:21
結局、テネシー・タイタンズでは形式的なクオーターバック(QB)争いが行われないことになった。
現地21日(月)、タイタンズのQBウィル・レビスが投球側の肩の手術を受けて2025年シーズンを棒に振ることになると、『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートが状況を知る人物の話をもとに報道。その後、チームが正式に発表した。
レビスは今回の決断によって開幕前にシーズンを終えることになった。手術は7月29日(火)に予定されている。ラポポートによると、レビスは長期的な健康を確保するために手術を受けることを選んだという。昨シーズンからこのケガと向き合ってきたレビスは、練習には参加してきたものの、痛みは完全に治っていなかった。
チームは声明で「医師や代理人と相談した結果、ウィル・レビスは2025年シーズンの全試合を欠場することにつながる肩の手術を受けることを決めた。私たちは長期的な健康に重点を置くという彼の決断を支持している。彼はプロ意識を持ってオフシーズンを過ごし、リーダーとして明らかな成長を見せてきた。彼が完全に回復すると確信している」と述べている。
レビスのケガは2025年のタイタンズにとって何を意味するのか?
今回のニュースを受け、茶番劇とも言えるナッシュビルでのクオーターバック争いには終止符が打たれた。今後はキャメロン・ウォードが率いるチームとなる。
ドラフト全体1位指名を受けた新人のウォードが開幕から先発を務める可能性は常に高かったが、ヘッドコーチ(HC)ブライアン・キャラハンはオフシーズンを通して、ウォードはその座を自らの手で勝ち取らなければならないと主張していた。しかし、チーム内で先発の座を争える唯一のQBが今季絶望となったことで、競争に関する話に耳を傾ける者はいなくなるだろう――そもそも最初からそのような人がいればの話だが。
レビスのケガが公表されるまで、キャラハンHCはウォードを先発に指名することを避けてきた。今週から始まるトレーニングキャンプで、その方針が変わるかどうかが明らかになる。
タイタンズのロースターに登録されている他のクオーターバックは、ベテランのブランドン・アレンとティム・ボイルだけだ。アレンはキャリアで10試合に先発してきたが、2022年以降は1試合のみとなっている。一方、7シーズンで7つ目のチームに属しているボイルは、先発した5試合ですべて敗北を喫してきた。いずれの選手も、ウォードがケガでもしない限り、先発の座を奪う可能性は低い。
タイタンズは練習の回数を分散させるために、キャンプ用のベテラン控えQBを迎えることを検討するかもしれない。
負傷したレビスにタイタンズでの将来はあるのか?
ベテランのクオーターバックを擁するチームにとってのバックアップ候補と見られていたレビスに関するトレードのうわさは、今回のケガによって完全に消えた。次のオフシーズンにそうしたうわさが再び浮上するのかどうかに注目だ。
今回の負傷は、2023年ドラフト2巡目指名を受けたレビスにとって新たな打撃となっている。
ドラフトで予想よりも順位を落としたレビスは、最初の2シーズンで21試合に先発出場したものの、その成績はタッチダウン21回、インターセプト16回、パス成功率61.0%と、効率的とは言えないものだった。
現在26歳のレビスは、強力な腕力と身体能力を誇るものの、安定してショートパスをつなぐ能力を示したことがなく、プレッシャーに対応するのにも苦労し、先発として継続するにはあまりにも多くのミスを犯してきた。昨シーズンは、爆発的なロングパスを投げられる一方で最悪の判断を下すこともある、いちかばちかのパサーとなっており、自ら“愚か”だったと認めるプレーで勝利のチャンスを何度も逃してキャラハンHCを苛立たせていた。
タイタンズがドラフト全体1位指名権を獲得した時点で、レビスが先発として過ごせる時間は残りわずかとなっていた。ウォードの指名を受け、2025年がサイドラインで学ぶ年になるという運命はすでに決まっていたものの、手術を受けるという決断により、3年目のシーズンはフィールドに立つチャンスもないままベンチで過ごすことが確定している。レビスが健康を取り戻し、サイドラインでの1年間で十分に学んでタイタンズ、あるいは他のチームで有能なバックアックとして活躍できるだけの力を身につけられたかどうかは、次のオフシーズンに明らかになるだろう。
【RA】