カンザス州とミズーリ州の双方とスタジアムをめぐる交渉を推し進めるチーフス
2025年07月23日(水) 14:02
カンザスシティ・チーフスはカンザス州とミズーリ州の双方の議員とスタジアムに関する交渉を進展させているが、チームがGEHAフィールド・アット・アローヘッド・スタジアムにとどまるのか、最終的に別の場所に移転するのかは依然として不透明なままだ。
チーフスは最近、カンザス州からの資金調達パッケージに関する6月末の期限の延長を認められた。この動きは長年拠点としてきたミズーリ州からの移転が現実的な可能性として浮上していることを示している。
ミズーリ州は州議会の特別会期を経て共和党のマイク・キーオー知事が署名した資金調達パッケージで対抗した。
現地22日(火)、チーフスのマーク・ドノバン社長は「これまでより多くの会議や議論を重ねてきた」と述べている。
「今はまさに、膨大だった合意内容を一段落、一文にまで絞り込む段階にあり、それについて合意に達する必要がある。私たちはこれを双方で進めている。今は最終的にどちらの方向に進んでいくか見通せない状況だ」
チーフスとMLBのカンザスシティ・ロイヤルズは、ミズーリ州カンザスシティ東部にあるトルーマン・スポーツ・コンプレックスで50年以上にわたって試合を行い、そこにあるアローヘッド・スタジアムとカウフマン・スタジアムは駐車場を共有してきた。しかし、ジャクソン郡とのリース契約が2031年1月に満了予定であるため、両チームは今後の方向性を数年にわたって模索し続けている。
ジャクソン郡の有権者は昨年、チーフスの本拠地であるアローヘッド・スタジアムの8億ドル(約1,175億6,680万円)規模の改修工事と、カンザスシティ中心部に20億ドル(約2,939億1,700万円)規模のボールパーク地区を建設する計画に充てられる予定だった売上税の延長案を否決した。
現在、両フランチャイズはそれぞれのスタジアム計画の実現に向けて動き出している。
ミズーリ州の場合、州内で新設または改修されるスタジアムの費用の最大50%を賄う債券の発行や、各スタジアムにつき最大5,000万ドル(約73億4,856万円)の税額控除、地方自治体からの詳細未定の支援が法律で認められている。一方、カンザス州の議会は、州内の新設スタジアム建設費の最大70%を公的に賄うことを承認した。
チーフスのオーナーであるクラーク・ハントは、父でありチーム創設者のラマー・ハントがダラスからフランチャイズを移転させた際に建設したアローヘッド・スタジアムに対して、深い思い入れがあることを認めている。
しかし、チーフスのオーナー一族の中で最も知名度の高いハントは抜け目のないビジネスマンであり、新施設が生み出す収益の重要性も理解している。そのため、アローヘッドの全面改修が選択肢として残る一方で、スーパーボウルやファイナルフォーなどの大規模イベントを開催したいというハントの願いを実現するための屋内型スタジアムの建設も、可能性の1つとして残っている。
一方、ロイヤルズはカウフマン・スタジアムの改修工事を行わない方針を明確にしている。
筆頭オーナーのジョン・シャーマンはダウンタウンでの野球場建設を望んでおり、その選択肢は依然として存在している。しかし、約1カ月前にロイヤルズの関連会社がカンザス州カンザスシティ南郊のオーバーランドパークにある広大な土地の抵当権を購入したとの報道があり、同地に新しいスタジアムとボールパーク地区が建設される可能性が浮上している。
チーフスがミズーリ・ウェスタン州立大学でのトレーニングキャンプで今年初の全体練習に臨む直前、ドノバン社長は「私たちの仕事、そして私のチームの仕事は、実現可能な中で最良の2つの提携関係を細部まで明確にすることだ」と語り、こう続けた。
「その時点で私たちはハント家に“これらが選択肢だ。どうしたいか?”と尋ねる」
「重要なのはその取引の細部だ。ビジネス的な観点や将来の展望から見て、どの取引が最も理にかなっているのか? 何がファンや次世代にとって最も理にかなっているのか? どちらの立場にも説得力のある主張がたくさんある」
記事提供:『The Associated Press(AP通信)』
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