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契約延長は未定も今季に集中するビルズRBクック、「いずれ実現する」

2025年07月25日(金) 14:33

バッファロー・ビルズのジェームス・クック【AP Photo/Rick Osentoski】

バッファロー・ビルズのランニングバック(RB)ジェームス・クックにとって2025年のオフシーズンは、ストレスはあったものの、興味深いものだった。

将来に関する話し合いを何度も重ねるも明確な結論が出ず、来シーズン以降の経済的な見通しが不透明な中、クックにはトレーニングキャンプへの参加を見送る理由が十分にあった。

しかし、クックはトレーニングキャンプを欠席するどころか、時間通りに集合し、練習にフル参加している。その考えはシンプルで、契約をきちんと全うするというものだ。クックは自身の努力が契約延長につながり、キャリアを通して在籍してきたビルズに2025年シーズン終了後も残留できるようになることを望んでいる。

『The Athletic(ジ・アスレチック)』によると、クックは現地24日(木)に「話し合いはしている。諦めるつもりはない。俺は自分が望むもの、必要としているものに値する。いずれ実現するだろう」と語ったという。

クックが求めているのは、年平均1,500万ドル(約22億0,677万円)の契約だ。それが実現すれば、NFLのランニングバックとしての年平均額でトップ4に入り、フィラデルフィア・イーグルスのセイクワン・バークリーやサンフランシスコ・49ersのクリスチャン・マカフリー、ボルティモア・レイブンズのデリック・ヘンリーと肩を並べることになる。問題はクックがその価値に見合うかどうかだ。

クックは2024年シーズンに1,009ランヤードを記録し、タッチダウン数(16回)でリーグトップタイにつけた。1,000ヤード超えを達成したのは2年連続のことだった。しかし、パスが重視される現代において、クックは他の新進気鋭のランニングバックほどパスキャッチ能力を持ち合わせていない。実際、ビルズはその役割をタイ・ジョンソンに任せることがほとんどだ。

ランニングバックにトップクラスの報酬を支払い、走ることだけに専念させるのは、現代のロースター構築の考え方とは逆行している。とはいえ、クックのプレーを観察し、ビルズ攻撃陣における彼の役割を理解している人は、NFL MVPに輝いたクオーターバック(QB)ジョシュ・アレンに過度に依存していたユニットのバランスをとる上で、その存在がいかに重要かを知っている。そして、クックのランナーとしての価値は疑いようがなく、昨季のタッチダウン数がそれを物語っている。

それを踏まえて自信を深めているクックは、今シーズンの基本給520万ドル(約7億6,502万円)よりも高い金額を支払ってくれるチームが現れることを確信しているのだ。

「つまり、どんな形であれ、どこかで必ず実現するだろう」とクックは話している。

この発言により、クックが2026年シーズンに退団する可能性は一気に高まった。ビルズのジェネラルマネジャー(GM)ブランドン・ビーンは今オフシーズンにサラリーキャップ管理の複雑なプロセスについて説明し、クックをチームに残すための余地がないことを示唆。それを受け、クックは来シーズン以降に別のチームでプレーする可能性を考慮しなければならなくなった。

しかし、ビーンGMは7月下旬の時点で事を荒立てる発言はしていない。

ビーンGMは水曜日に「ずっと言っているように、私はジェームス・クックが大好きだ。私の考えはご存じのはず。私はドラフトし、育成した選手と再契約したいのだ」とコメント。

「これはビジネスだ。キャッシュだけではなく、サラリーキャップも考慮して調整しなければならない。時にはそれを見て“このウェブサイトを見て、これとこれをすれば調整できるはずだ”と言う人もいるだろう。だが、私たちは2026年や2027年、それ以降のことも見据えなければならない。そうしないと、ある年に“ああ、選手があまりいない。ここで彼らを手放すか”という状況に陥ってしまうかもしれないからだ。そうなれば、失いたくない選手をトレードしたり、カットしたりしなければならなくなる。だから、彼をチームに残すには、そういったことすべてがチームにとって理にかなっていなければならない」

ビーンGMの発言は決別する可能性に備えているようにも受け取れるが、それが確定しているわけではない。ビーンGMは来年のトレーニングキャンプでクックがビルズのユニフォームを着ている姿を見たいともつけ加えており、契約交渉中にありがちな、バランスをとりながら慎重な姿勢を貫いている。

その間、クックは黙々と仕事に打ち込むつもりだ。その中には、第3ダウンでのパスプレーでより大きな役割を果たしたいという思いも含まれている。

自分にできることをコントロールしていれば、報酬はあとからついてくると信じているクックは、次のように語った。

「それが俺の仕事だ。罰金を食らわないように参加しないと。ここに来て、準備が整っていることを示し、手に入れるべきものを手に入れるつもりだという姿勢を見せるだけさ。俺が責任を負うべき相手は、チームメートと自分自身、そして家族だけだ。だからこうして練習に参加して、このゲームを愛し、ここにいる意思があるっていうことをチームメイトに示している」

【RA】