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カウボーイズLBパーソンズのトレード要求に「ファンが心配する必要はない」とジョーンズオーナー

2025年08月04日(月) 13:18

【NFL】

ダラス・カウボーイズのオーナーであるジェリー・ジョーンズが、ラインバッカー(LB)マイカ・パーソンズがトレードを要求して以降、初めて公の場でコメントした。

「マイカのことは本当に高く評価している」と、ジョーンズは現地2日(土)の練習後に『ESPN』に語った。

「あれ(トレード要求)は交渉の一部にすぎない」

金曜日、パーソンズは自身のSNSにジョーンズとの詳細なやり取りを投稿し、カウボーイズではもうプレーしたくないとの意思を表明した。パーソンズは、今年3月に契約延長をめぐってカウボーイズのオーナーと面会していたことにも言及した。

「3月にジョーンズ氏とリーダーシップについて話し合うために会った」と、パーソンズは金曜日に投稿している。

「いつの間にか話は契約の話題に移っていた。たしかに、自分の契約に対する希望について意見を交わしたが、それが正式な交渉になるとは一切思っていなかった。その後、ジョーンズ氏には代理人から連絡すると伝えて、これで問題が解決するだろうと思っていた」

それから5カ月が経った今も、パーソンズは新契約を求め続けている。

パーソンズはプロボウルに4回選出され、オールプロのファーストチームにも2度名を連ねている。NFL入りしてからの4シーズンすべてでサック数12回以上を記録しており、2021年のNFLドラフトで全体12位指名を受けて以来、瞬く間にリーグ屈指のパスラッシャーへと成長した。

9月4日(木)に予定されているフィラデルフィア・イーグルスとの開幕戦まで約1カ月となった今、ジョーンズはパーソンズがシーズン第1週にフィールドに立ち、出場準備が整っているかどうかについて、多くを語ろうとはしなかった。

「自分の期待については話したくない。それは憶測になってしまうからだ。ただ、これまでに起きたことについてなら話せるし、それについて特別な感情はない」とジョーンズは述べている。

26歳のパーソンズは今季にルーキー契約の最終年を迎える。チームが行使した5年目オプションにより、2025年の年俸は2,400万ドル(約35億4,384万円)となる予定だ。しかし、NFLのトップクラスのパスラッシャーと比べると、その金額は市場の最高水準よりもおよそ1,700万ドル(約25億1,022万円)低い。

もし契約延長(あるいはトレード)が成立しなければ、カウボーイズは来年のフリーエージェンシー(FA)を前に、パーソンズにフランチャイズタグを適用する可能性がある。

ジョーンズとパーソンズが3月に面会した際、契約延長の可能性について話し合いが行われたが、その場にパーソンズの代理人であるデイビッド・ムルゲタの姿はなかった。ジョーンズは、ムルゲタではなくパーソンズ本人と直接話した理由について次のように説明した。

「自分の経験では、契約で取り決めたことを実行する際に生じる問題を解決するのは、代理人ではない。だから、こういった性質の話は選手本人と直接やり取りするのが好ましいと思っている」

カウボーイズでの新契約には至っていないパーソンズだが、他のNFLチームは主力パスラッシャーとの長期契約をすでに締結している。

このオフシーズンにラスベガス・レイダースはディフェンシブエンド(DE)マックス・クロスビーと3年総額1億650万ドル(約157億2,579万円)の契約延長を結び、3月5日にはクオーターバック(QB)以外の選手としてリーグで最も高額な報酬を得る選手となった。その数日後、クリーブラン・ブラウンズのDEマイルズ・ギャレットが年平均4,000万ドル(約59億640万円)の4年契約延長にサインし、クロスビーの契約を上回った。さらに数カ月後には、ピッツバーク・スティーラーズのアウトサイドラインバッカー(OLB)T.J.ワットがパスラッシャー市場に新たな基準を打ち立てた。ワットは3年総額1億2,300万ドル(約181億6,218万円)の契約延長を締結している。

カウボーイズはこれまでも契約交渉が長引く傾向にあり、最近ではその例としてガード(G)ザック・マーティンが挙げられる。2年前のオフシーズン、マーティンは契約延長がまとまるまでチームに合流せず、8月中旬になってようやく契約が成立した。昨夏には、ワイドレシーバー(WR)シーディー・ラムが契約延長を待つ間、オックスナードで行われたカウボーイズのトレーニングキャンプを欠席。ラムはプレシーズン終了後に、4年総額1億3,600万ドル(約200億8,176万円)の契約延長を結んでいる。QBダック・プレスコットも、リーグ開幕週の日曜日に行われたシーズン第1週の試合が始まるわずか数時間前に契約延長を締結した。

これらの契約はいずれも土壇場まで交渉が続いたものの、最終的にはレギュラーシーズン開幕前にジョーンズがまとめ上げている。今回の状況についてもジョーンズは把握しており、パーソンズの件で不安にならないでほしいとカウボーイズファンに呼びかけた。

「ダックにNFL史上最高額の契約を支払い、ラムにも多額の金を払ってからまだ1年も経っていないことをみんな忘れているようだ」とジョーンズは語った。

「選手に対して金銭的な報酬を与える気がないなどと言う者は、物事の流れを見ていない。交渉は常に行われており、それは最高のチームをフィールドに送り出すためのものだ。多くの場合、それはふさわしいかどうかという問題ですらない。私はマイカのことをとても気に入っている。ただ、どんな関係にも言えることだが、時期によって感情の波はある。それが現実というものだ。だから、心配しすぎないでほしい。ファンの皆さんに言いたいのは、それだけだ。眠れなくなるほど心配する必要はない」

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