ニュース

NCAAがミシガン大学在任中の問題によりチャージャーズHCハーボーに10年間の理由開示命令

2025年08月16日(土) 12:47

ロサンゼルス・チャージャーズのヘッドコーチ(HC)ジム・ハーボー【AP Photo/Jayne Kamin- Oncea】

現地15日(金)、NCAAがサイン窃取スキャンダルを受けてミシガン大学に数千万ドルの罰金を科し、ヘッドコーチ(HC)シェローン・ムーアに対して3試合の出場停止処分を下した。このスキャンダルは、カレッジフットボール史上最多勝利数を誇る同校に2年近く影を落としていた。

すでにミシガン大学から自主的に2試合の出場停止処分が科されていたムーアは、2026-27シーズンの初戦を含め、合計3試合の出場停止処分を受けることになった。ムーアには2年間の理由開示命令が科されたものの、指導活動やその他のスポーツ関連活動は引き続き行うことが認められる。

金銭的な制裁は2,000万ドル(約29億3,702万円)を超える見込みで、内訳としては5万ドル(約734万円)の罰金、フットボール部門の予算の10%相当の罰金、ミシガン大学の2025-26年度奨学金の10%相当の罰金、および2025年と2026年のポストシーズン収益の予想損失と同額の罰金が含まれる。また、ミシガン大学は来シーズンの公式訪問数を25%削減され、保護観察期間中の14週間はフットボールリクルーティング関連の連絡が禁止される。

不許可のスカウティング活動およびサイン窃取作戦を実行した元下級スタッフのコナー・スタリオンズには8年間の理由開示命令が科された。ミシガン大学でヘッドコーチを務めていたジム・ハーボーには、以前に出された4年間の理由開示命令が2028年8月7日に終了した後、さらに10年間、理由開示命令が科される。ハーボーとスタリオンズはいずれも、スポーツ関連活動への関与が禁止される見込みだ。

『NFL Network(NFLネットワーク)』のトム・ペリセロは、ハーボーに関する金曜日の発表についてNFLはコメントを差し控えたと報じている。

NCAAにはサイン窃取を禁止する規則はないが、対戦相手の試合にスカウト担当者を派遣したり、電子機器を用いて相手チームのサインを記録したりすることは禁止されている。

昨年、学校に送付された通知の中で、NCAAはムーアがアシスタントとしてハーボーの下で規則に違反したと主張していた。

2023年に全米制覇を果たした後にミシガン大学を去り、現在はロサンゼルス・チャージャーズのヘッドコーチを務めているハーボーは、訴訟に発展した後、ビッグ10が調査を打ち切ることを条件に3試合の出場停止処分を受けた。また、ムーアはスタリオンズとのテキストメッセージ――後に復元され、NCAAに提示された――を削除したことも告発されている。

NCAAの調査は、ミシガン大学のスタリオンズが大規模な対面スカウティングおよびサイン窃取作戦を実行したという疑惑が浮上した2023年シーズン序盤に表面化した。スタリオンズは大学から謹慎処分とされ、後に辞任している。

スタリオンズはNCAAの調査には関与していなかったが、最近の発言で、2シーズンにわたる7試合で、対戦相手が使用したほぼすべてのサインを把握していたと明かしている。

ビッグ10コミッショナーのトニー・ペティティは先月、NCAA違反委員会に書簡を送り、ミシガン大学のフットボールプログラムがサイン窃取スキャンダルに関連して追加の制裁を受けるべきではないとの意見を示した。

ミシガン大学は8月30日(土)にホームでニューメキシコ大学とのシーズン初戦に臨み、9月6日(土)にはムーアがかつてオフェンシブラインマン(OL)として在籍していたオクラホマ大学と対戦する予定だ。

【RA】