膝の負傷により2024年をほぼ全休したパンサーズDTブラウンが復帰へ準備万端
2025年08月20日(水) 11:11
カロライナ・パンサーズにとって、今オフシーズン最大の課題はディフェンスの強化だった。その中でも戦力アップに最も貢献できる可能性があるのが、ケガからの復帰しを果たしたプロボウル経験者のディフェンシブタックル(DT)デリック・ブラウンだ。
ランストップに定評のあるブラウンは、昨季わずか1試合に出場したのみでシーズン終了となる膝の負傷に見舞われた。そんな中、先週末に行われたヒューストン・テキサンズとの試合で3回のスナップに出場し、実戦復帰の第一歩を踏み出した。この出場は本人の強い希望によって実現したものだったという。
チームの公式サイトによれば、ブラウンは「1週間ずっと出してくれってせがみ続けたからな」と笑いながら振り返っているとのことだ。
「前の週のクリーブランド・ブラウンズ戦では練習もせず、サイドラインでただ出場を待ち続けていたから、実際にフィールドに立てたのは最高の気分だった」
「この9カ月は本当に長かった。ここまで戻ってくるためにどれだけの苦労をしたかを思い返すと、この瞬間を楽しめるだけで十分だったよ。まあ、今回はほんのお披露目みたいな感じだったけど、今は与えられた機会をしっかり受け止めたい」
パンサーズは昨季、ブラウンを欠いた影響を大きく受けた。ケガをする前にフル出場を果たした2023年にブラウンは103回のタックルを記録し、ディフェンシブラインマンとしてのシーズン最多タックル記録を樹立している。
ブラウン不在のディフェンスは隙だらけとなり、チームはランで合計3,057ヤードを許し、NFL史上3番目に多い被ヤードを記録。総被ヤードでは6,877ヤードと、歴代2位のワースト記録を残している。
チームがラン攻撃で好き放題やられている姿を見守るしかなかった当時を振り返り、ブラウンは「正直、最悪だったよ。本当に」と語った。
「歩けるようになるまでは家で試合を観ていたんだけど、あれはひどかった。ずっとテレビに向かって怒鳴っていたよ。でもまあ、それ以外は悪くなかったけど」
「去年のケガという逆境を通じて、本当にたくさんのことを学んだ。そしてその経験が、フットボールという競技に対する感謝の気持ちをより一層強くしてくれたんだ」
過酷なリハビリを経て復帰にたどり着いたブラウンは、その原動力について次のように話している。
「今は自分を追い込んでコンディションを戻して、いつでも戦える状態にしようとしているところさ。10週間近く体重をかけられない状態から、歩くことを覚え直して、そこから走れるようになって、さらにスタミナをつけていくなんて、正直クレイジーだよ。本当に過酷だった」
パンサーズはこのオフシーズンにセーフティ(S)トレボン・モーリグ、ラインバッカー(LB)クリスチャン・ロゼブーム、ディフェンシブエンド(DE)のパトリック・ジョーンズ二世とターショーン・ワートン、ノーズタックル(NT)ボビー・ブラウン三世といった複数のディフェンダーを補強している。
しかしながら、シーズンを通してブラウンがフル出場できることこそが、ディフェンス再建における最大の収穫となるかもしれない。
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