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TEケルシーを平手打ちも退場を免れたチャージャーズDTタートについて語るチーフスHCリード

2025年09月09日(火) 09:53

ロサンゼルス・チャージャーズのティエア・タートとカンザスシティ・チーフスのトラビス・ケルシー【Ben Liebenberg via AP】【AP Photo/Fernando Llano】

多くのファンと同様に、カンザスシティ・チーフスのヘッドコーチ(HC)アンディ・リードも現地5日(金)にブラジルで臨んだシーズン初戦で、ロサンゼルス・チャージャーズのディフェンシブタックル(DT)ティエア・タートがタイトエンド(TE)トラビス・ケルシーの頭部を平手打ちしたにもかかわらず退場とならなかった理由に困惑している。

チャージャーズが27対21で勝利した試合で、チーフスのランニングバック(RB)カリーム・ハントが走った直後、タートはケルシーのヘルメットをたたいたとして第3クオーターに不必要なラフネスの反則を取られた。タートはケルシーの頭部に打撃を与えた後も試合に出続け、試合終盤には昨季のAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)王者であるチーフスを抑え込む役割を果たした。

リードHCは月曜日、プレー後にケルシーに対して攻撃的な行動をとったタートが退場処分にならなかった理由が理解できなかったと明かしている。

リードHCは報道陣に「そのルールが理解できない。手を開いていたのか、握っていたのか、何でもいいがとにかく分からない。どういう判断になったのかが理解できない。だが、開いた手だろうが握り拳だろうが、ケルシーが頭をかなり強く打たれたのは確かだ」とコメント。

そのプレーについてNFLに説明を求めるつもりかと尋ねられたリードHCは「リーグと話し合うつもりだ。詳しいことは話せない」と答えた。

NFL公式ルールブックによると、以下のスポーツマンシップに反する行為のいずれか、またはそれらの組み合わせで同じ試合中に2度反則を取られた場合、その選手は自動的に退場になるという。

・たとえ接触がなくても、相手に拳あるいは前腕を振りかざすこと、または蹴ること
・相手選手、チームメイト、審判、またはリーグ関係者に対して、攻撃的、脅迫的、侮辱的な言葉や身振りを用いること
・チーム間の敵意をあおる可能性のある挑発的または侮辱的な行動や言葉を用いること

『NBC』のテリー・マコーリーは金曜日の放送で、NFLの審判およびルールアナリストであるウォルト・アンダーソンが、タートが退場にならなかった理由について「頭部への接触は手のひらによるもので、失格に該当する行為ではなかった。今回のケースは拳によるパンチではなく、手のひらで頭部をたたいただけと判断され、退場にはならなかった」と述べたと伝えた。

映像からは確かに、タートはケルシーを握り拳ではなく、手のひらでたたいた様子が見てとれる。

タートをめぐる論争は、NFLが今季にスポーツマンシップに反する行為に対する罰則を強化した中で発生。シーズン開幕戦でフィラデルフィア・イーグルスのDTジェイレン・カーターがダラス・カウボーイズのクオーターバック(QB)ダック・プレスコットに唾を吐きかけたとして退場となった事例が、その代表的な初期事例となった。

チーフス戦をタックル1回、パスディフェンス2回という記録で終えた後、タートのもとには不満を抱えるチーフスファンやケルシーのサポーターから大量のDMが届いている。

キャリア6年目のタートはそれを煽る形で、ケルシーの婚約者であるテイラー・スウィフトの名前をもじって「ブラジルでも俺はスウィフトすぎる(素早すぎる)ぜ」とソーシャルメディアに投稿し、ケルシーとそのファンを挑発した。

ケルシーとチーフスはシーズン第15週にタートを含むチャージャーズと再び対戦する予定だ。

【RA】