キックオフルールの変更でリターン率が2011年以降で最高の数値に
2025年09月10日(水) 10:15
キックオフルールに加えられた小さな変更が、2025年シーズン第1週におけるキックオフリターンの大幅な増加につながった。
シーズン第1週のキックオフリターン率が75.6%に達し、キックオフ地点が30ヤードラインだった2010年シーズンより後で過去最高の週別リターン率となった。
リーグは2011年にキックオフ位置を35ヤードラインに変更。これによりキッカー(K)が容易にタッチバックを狙えるようになり、リターン率が2010年の80%から2011年には53.4%に低下した。
それ以降、リターン率は低下し続け、2023年には過去最低の21.8%に達している。その結果、昨シーズンに“ダイナミックキックオフ”と呼ばれるルールが採用されることになった。
試行初年度となった昨シーズンにリターン率は32.8%とわずかに上昇。それと同時にプレー中の負傷率も低下した。
このルールにより、キックオフは通常のプレーに近い形式となった。カバレッジ選手とブロッカーを接近させることで、このプレーで多くのケガを引き起こしていた原因である高速での衝突が起こらないようになったのだ。リーグによると、リターン時の脳しんとう発生率は43%減少し、下半身の負傷も大幅に減少したという。
リーグは今季にタッチバック時のボール位置を35ヤード地点に変更することでリターン率が60%から70%上昇すると予想。それと同様にロングリターンの数も増加し、試合にさらなる興奮がもたらされると見込まれていた。
シーズン第1週にはキックオフの4分の3以上がリターンされ、当初の目標を上回る結果となっている。
『Sportradar(スポーツレーダー)』によれば、シーズン第1週におけるキックオフリターン後の平均攻撃開始地点は29.5ヤードラインで、昨季の29ヤードよりやや前進していたという。リターン時の平均開始地点とタッチバック時の開始地点との差が大きくなったことで、チームはエンドゾーンより前にボールを蹴る戦略をより頻繁に取るようになっている。
シーズン第1週では7回のリターンが40ヤード以上の獲得につながった。テネシー・タイタンズのチムレイ・ディーケイはデンバー・ブロンコス戦の前半終了間際に71ヤードのリターンに成功し、フィールドゴールを決めるチャンスをチームにもたらしている。1週間で40ヤード以上のリターンがこれほど多く記録されたのは、2015年シーズン第13週(9回)以来のことだ。
記事提供:『The Associated Press(AP通信)』
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