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レイブンズ離脱後初の凱旋試合は「特別な意味を持つ」と語るブラウンズQBフラッコ

2025年09月11日(木) 14:48

クリーブランド・ブラウンズのジョー・フラッコ 【AP Photo/Kirk Irwin】

現地14日(日)にクリーブランド・ブラウンズの一員として古巣ボルティモア・レイブンズとの試合に臨むクオーターバック(QB)ジョー・フラッコ。レイブンズで11年間プレーし、チームを離れてから6シーズン以上が経った今、キャリアで初めて“チャーム・シティ”ことボルティモアに戻ることになった。

ブラウンズの先発QBを務めるフラッコは水曜日、この機会がもっと早く実現しなかったことが不思議なくらいだとしつつ、楽しみにしていると語った。

「チームを離れた時は良好な関係だった」とフラッコは話している。

「でも同時に、もう自分が所属していないチームと対戦するとなれば、何かしらの感情が湧いてくるのは自然なことだ。そういう状況を経験した選手を何度も見てきて、みんな平静を装おうとするけれど、やっぱり特別な意味を持つ試合なんだ。相手を倒したいという気持ちは当然あるし、そこには他の試合とは少し違った感覚がある」

フラッコはレイブンズを長年にわたって成功へと導き、その間に第47回スーパーボウル優勝とMVP受賞を果たしている。今もレイブンズの組織に対して感謝の気持ちを抱いているという。水曜日の会見で、チームを「とても特別な場所」と表現し、「たくさんの良い思い出がある」と語った。また、レイブンズとはこれまでにも対戦経験があるため、今回そこまで感情的にはならないだろうとしつつも、ボルティモアでの対戦は初めてであることにも言及している。

今回フラッコはM&Tバンク・スタジアムのビジターサイドに立ち、現在はボルティモアを本拠地とするレイブンズが1996年にクリーブランドに残して行ったチームカラーをまとって戦うことになる。

フラッコがボルティモアに戻って来るということには、さまざまな意味で興味深い背景がある。2025年シーズンはレイブンズにとってボルティモア移転後30年の節目にあたり、これを記念するセレモニーには、殿堂入りを果たしたジョナサン・オグデン、レイ・ルイス、オジー・ニューサムらレイブンズのレジェンドたちも姿を見せる予定だ。

長年NFLを追い続けているファンであれば気づくかもしれないが、このレジェンド3人のうちニューサムは、かつてブラウンズのタイトエンド(TE)として名声を築き、プロフットボール殿堂入りを果たしている。ニューサムは1990年シーズンを最後に現役を引退し、翌1991年にブラウンズのフロント入り。そして1996年のボルティモア移転後もチームに残った。

事実上、日曜日の試合はさまざまな個人的なつながりが交錯する再会の場となる。フラッコにとってはボルティモアへの初凱旋であり、一方のレイブンズにとっては、自身の創設に深く関わる存在である相手チームとの対戦を前に、チーム誕生を祝う節目の試合でもある。

日程上は偶然だったとはいえ、ブラウンズのファンはこの対戦カードと創設記念セレモニーが重なることに意図的なものを感じずにはいられないだろう。フラッコ自身もその意味を理解している。

「そうだな、真っ先に思い浮かべるというほどのことではないかな。自分はもうここの選手じゃないからね。でも、周りにどう見えているかは分かる」とフラッコはコメントしている。

「今回のような設定をどう受け取るかは人それぞれだと思う。クリーブランドの人ならある感情を抱くだろうし、ボルティモアの人なら大したことじゃないと思うかもしれない。ただ、そういう類のものだ」

「正直言って、俺にとってはむしろワクワクする要素だよ。向こうはレジェンドたちを呼んで、元選手たちも戻ってくるわけだろ。そういう中でこっちが乗り込んでいくんだから、注目も集まるし、より面白くなるんじゃないかな」

同地区ライバル同士で、普通の対戦カード以上に深い因縁を持つ両チームのシーズン第2週の一戦が白熱した内容となれば、それだけでブラウンズにとっては価値のある勝利と言えるだろう。とりわけ、開幕戦で痛恨の逆転負けを喫した直後であればなおさらだ。同じことはレイブンズにも言える。全米中継されたバッファロー・ビルズとの試合で大崩壊したばかりのチームにとっても、重要な一戦となる。

この試合を取り巻く状況だけでも、十分に見応えのあるものになるかもしれない。フラッコは、いま自分が所属するチームが勝利を収め、慣れないビジター側のトンネルを笑顔で後にできることを願っている。

【R】