ニュース

プレーオフ進出が危うい中、いら立ちを抱えつつ解決策を模索するチーフスTEケルシー

2025年12月12日(金) 09:52

カンザスシティ・チーフスのトラビス・ケルシー【Cooper Neill via AP】

6勝7敗のカンザスシティ・チーフスは窮地に立たされている。

そうした中、タイトエンド(TE)トラビス・ケルシーは引き続き打開策を模索している。現地7日(日)に20対10で敗れたヒューストン・テキサンズ戦で2回、致命的な落球をし、そのうち1回が勝敗を決定づけるインターセプトにつながったことを受け、36歳のケルシーは自身のポッドキャスト番組『New Heights(ニュー・ハイツ)』の最新エピソードで不満をあらわにした。

『ESPN』によると、ケルシーは「これだけ必死に努力して、報われることを期待しているのに、今はなぜだか分からないけど、小さなことがうまくいかない。これまでの年ではいつも答えが分かっていた気がするのに、今年はそれが見つからないんだ」とコメントしたという。

「仕事に出て努力して、練習習慣やゲームプラン、基本動作、教えられたことを完璧にすることで問題を解決し、フィールドに出て仲間のために全力でプレーすれば、これまでのようにうまくいくはずだと思い続けている。だけど今年はどうもうまくいかない」

テキサンズ戦でボールを落としたのはケルシーだけではなく、他の選手による落球も3回あり、それにはワイドレシーバー(WR)ラシー・ライスによる第4ダウンでの2回も含まれている。しかし、過去10年近くにわたってクオーターバック(QB)パトリック・マホームズの頼れるターゲットとして定評があったからこそ、ケルシーの落球は特に大きな影を落とした。

チーフス王朝が崩壊寸前にあるとすれば、ケルシーの落球はそれを象徴するものとなっている。

また、年齢の影響も無視することができない。36歳のケルシーはかつての輝きを時折見せているものの、2022年シーズンを最後に1,000ヤード超えを達成していない。センター(C)としてプレーし、将来の殿堂入りが確実視されている兄ジェイソンのキャリア終盤と同じように、2025年にトラビスのキャリアの先行きに関する疑問は大きさと注目度を増している。

今週はマホームズもそれについてコメントせざるを得なかった。

テキサンズに敗れた後、マホームズはケルシーについて「ここ数年は、彼と過ごすシーズンをすべて大切にしようとしている。いつこれが彼の最後のシーズンになるか分からないからね」と話している。

「彼は今年も見事にコンディションを整え、素晴らしいプレーを見せている。彼は今シーズンが終わったら、何をするか自由に選べるようになるけど、1つだけ分かっていることがある。それは、シーズンの残り期間でプレーオフ進出のチャンスをつかめるよう、全力を尽くすということだ」

「その可能性がどんどん低くなってきていることは分かっている」

チーフスが10年連続でAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)西地区制覇を果たす望みは、日曜日の敗北で絶たれた。プレーオフ進出の可能性も、ほとんど消えかかっている状態だ。

『Next Gen Stats(ネクスト・ジェン・スタッツ)』によると、シーズン第15週を迎えるにあたり、チーフスのプレーオフ進出確率はわずか13%だという。次戦でロサンゼルス・チャージャーズに敗れれば、その確率は0.07%にまで下がり、ほぼ不可能となる。さらに、日曜夜に他チームの結果次第でプレーオフ争いから完全に脱落するシナリオも存在する。

チーフスは、アンディ・リードがヘッドコーチ(HC)に就任して毎年のようにスーパーボウル争いに導くようになって以来、経験してこなかった状況に置かれている。そして、美しい形とは程遠いかもしれないが、ケルシーが2025年シーズンをもって引退する場合、このような形でキャリアを締めくくることになる。

結果や将来の決断にかかわらず、ケルシーは最大限の努力をすること――そして、自分の方に飛んできたボールをすべて両手でつかみ取ることに集中している。

ケルシーは「試合があったら、それを世界で一番大事な試合だと捉える」と語り、次のように続けた。

「でももちろん、プレーオフを見据えると、今の状況は厳しい。これまでの年ではなんとか切り抜けてきたことを考えるとなおさらだ」

「だから、最悪な気分だ。なんせ試合終盤に、最後のチャンスで流れを変えようとしていたときにあんなふうにボールを落としてしまったんだから。本当に最悪な気分だ。仲間たちのためにこれだけ頑張ってきたのに」

【RA】