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タッシュプッシュを「完璧に」遂行することを目指すイーグルスHCシリアニ

2025年09月17日(水) 12:03

フィラデルフィア・イーグルスのヘッドコーチ(HC)ニック・シリアニ 【AP Photo/Charlie Riedel】

フィラデルフィア・イーグルスが20対17でカンザスシティ・チーフスに勝利した後、イーグルスのラインマンが複数のタッシュプッシュプレーで早めに動き出す様子を捉えた映像がソーシャルメディアで拡散された。

今オフシーズンに多くの議論を呼んだタッシュプッシュプレーは、オーナーからの十分な支持を得られず禁止には至らなかった。このプレーは2025年シーズン開幕後も依然として物議を醸している。イーグルスは現地14日(日)に臨んだ試合でそれを7回実行し、5回成功させた。そのうち1回はチーフスの反則が認められた際のものだ。

スローモーション映像で明らかになったノーコールが、このプレーを巡る最新の炎上騒動を引き起こしている。フォルススタートの可能性について質問されたヘッドコーチ(HC)ニック・シリアニは、イーグルスがスナップ前に動き出した可能性を否定しなかった一方で、指摘については軽く受け流した。

『NBC Sports Philadelphia(NBCスポーツ・フィラデルフィア)』によると、シリアニHCは「私が見た映像の1つはあまりにもスローで再生されていたから、肉眼では見えないと思う」と述べたという。

「つまり、ものすごくスローになっていた。映像を処理してそういう見せ方ができるのは分かるけど、あまりにもスローすぎて“なるほど!”って感じだった」

「だが、あのプレーでは完璧でなければならないということは理解する必要がある。そして、あのプレーを完璧に遂行できるよう努力を続けるつもりだ」

明らかなフォルススタートは、オーナー投票であと2票足りず禁止とならなかったプレーに対する批判の材料をさらに増やすことにつながる。このプレーを巡る議論が続けば、次のオフシーズンにはついに禁止が実現するかもしれない。

すべてのプレーをスローで確認したら違反行為だらけになってしまうと主張するシリアニHCは、次のように語った。

「多くプレーでスロー再生をすれば同じことになる。審判の仕事は大変で、ものすごいスピードで起こっていることを瞬時に判断しなければならない。パスインターフェアでも同じようなことがある。リモコンで映像を極端にスローにすると、“ああ、このプレーは確かにそうかもしれないな”という感じになる」

シリアニHCはこのプレーを規則に従って遂行するにはオフェンスが“完璧”である必要があることを理解している。

「その状況では完璧でなければならないと分かっているので、プレーの精度やタイミングをさらに高められるよう努力する。適任の選手がそろっていることは間違いないし、きっとやり遂げられるだろう」とシリアニHCは語った。

スーパーボウル王者のイーグルスは今季もタッシュプッシュプレーを武器として使い続けるはずだ。そして、2026年春には“禁止するか否か”の議論が再び繰り広げられることになるだろう。

【RA】