「責任は自分たちにある」と不振のマクダニエルHCを擁護するドルフィンズの選手たち
2025年09月17日(水) 12:18
2025年シーズン開幕から2試合でマイアミ・ドルフィンズは低調なスタートを切っており、ヘッドコーチ(HC)マイク・マクダニエルの周囲に不穏な空気が立ち込めている。
現地14日(日)に行われたニューイングランド・ペイトリオッツ戦を33対27で落としたドルフィンズ。試合前には、マクダニエルHCとジェネラルマネジャー(GM)クリス・グリアの解任を求める横断幕を掲げた飛行機がスタジアム上空を飛び、チームがミスを重ねるたびに、ハードロック・スタジアムの各所からブーイングが響いた。
試合後、マクダニエルHCは自身の進退を問う声を一蹴した。
「職の安泰について心配していたら、仕事なんてできない」とマクダニエルHCは『The Associated Press(AP通信)』に語っている。
「それは自分の信念すべてに反することだ。この立場を当然のものだと感じたことは一度もない。自分にとって何より大事なのは、起きている時間すべてを使って、どうすれば自分の仕事を全うできるかを考えること。その結果として、多くの人に影響が及ぶということも理解している」
そのうえで、マクダニエルHCはチームへのメッセージはいまだ届いていると信じている。
「もし、自分のメッセージが伝わっていないと感じるようなことがあれば、そこには当然対応する」とマクダニエルHCはコメント。
「だが自分の目には、勝つためにできる限りのことをしようと努力し、結果が出ない中でも前に進み、状況を変えようとしているチームの姿が映っている」
選手たちもマクダニエルHCを擁護し、フィールドで結果を出さなければならないのは彼ではないと強調する。
ラインバッカー(LB)チョップ・ロビンソンは「フィールドに立っているのは彼じゃない」と語った。
「プレーしているのは俺たちで、ミスをしているのも俺たち。だから、最終的に悪く見えるのは彼かもしれないけど、実際の責任は俺たちにある。もっと良くしていかなきゃならない」
ドルフィンズ守備陣には開幕から厳しい内容が続いている。セカンダリーが苦戦するのは想定内だったとしても、フロントまでもが不発に終わっている点に、失望の声が上がっている。
『NFL Research(NFLリサーチ)』によれば、ドルフィンズは2024年シーズン第18週から数えて12連続ドライブで相手に得点を許しており、これは1993年以降で最長記録だという。さらに、2025年シーズンに入ってからも10連続ドライブで失点を重ねており、こちらも1993年以降で最長となっている。
一方のオフェンスは、開幕戦の期待外れなパフォーマンスから一転し、シーズン第2週の日曜日には一定の改善が見られた。クオーターバック(QB)トゥア・タゴヴァイロアはパス32回中26回成功、315ヤード、タッチダウン2回、インターセプト1回、パサーレーティング115.5を記録。2022年以降、1試合でパス成功率80%以上かつ300パスヤード超えをマークしたのはこれが4度目で、この期間中ではNFL最多となっている。
レフトタックル(LT)パトリック・ポールも、外部からの雑音について問われると、指揮官への信頼を口にした。
「彼は選手を大切にしてくれるコーチで、俺たちを信じてくれている」とポールは述べている。
「自信を持たせてくれるし、気持ちも高めてくれる。彼が集めたコーチ陣から教わるテクニックを通じて、俺たちは緊張感を持って、かつ自信を持ってフィールドに立てる。みんな彼のことが大好きだ」
マクダニエルHCがチームからの信頼を完全には失っていないことが、0勝2敗のドルフィンズにとって、当面の猶予期間となる可能性もある。ただし、白星を重ねることができなければ、彼の職を守る術はない。
プライムタイムに行われる強豪バッファロー・ビルズとのシーズン第3週の試合は、マクダニエルHCが本当にロッカールームの支持を得ているのか、それとも表面だけのものなのかを占う試金石となりそうだ。
【R】