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1,000ヤードの連続記録が途切れるもプレーオフ進出に専念するバッカニアーズWRエバンス

2025年12月19日(金) 11:31

タンパベイ・バッカニアーズのマイク・エバンス【AP Photo/Peter Joneleit】

2024年レギュラーシーズンの最後の日曜日に、タンパベイ・バッカニアーズのワイドレシーバー(WR)マイク・エバンスは9ヤードのキャッチに成功して1,000ヤード超えの連続記録を11シーズンに伸ばし、チームの歴史に残る記念すべき瞬間を迎えた。

エバンスは2025年シーズンにその記録を12シーズンに伸ばすことを目指しているわけではない。エバンスは脳しんとうやハムストリングの負傷、鎖骨の骨折により、今季の出場が5試合にとどまっている。残り3試合では1,000ヤード超えは不可能だろう。

それはエバンスが以前から覚悟していた現実だった。

エバンスはバッカニアーズの番組『Players’ Table(プレーヤーズ・テーブル)』で連続記録について「鎖骨を骨折し、脳しんとうも起こしたから、もう終わりだと分かっていた」と語っている。

「こうなる運命だったんだと思うし、それでいい。受け入れている。最高レベルの選手、いや史上最高の選手かもしれないジェリー・ライスと肩を並べられたんだから、それで十分だ。今はただチームをプレーオフに導くことに集中したい」

「バッカニアーズの50シーズンにわたる歴史の中で、ジェリー・ライスと並んでタンパベイ・バッカニアーズの選手として歴史に名を刻んだ。それはとても素晴らしいし、子どもの頃に夢見たり想像したりすることすらできなかったことだ。タンパベイ・バッカニアーズの主力選手でいられることは本当に恵まれている」

ニューオーリンズ・セインツに勝利した昨シーズン第18週に、エバンスの記録達成がかかる中、クオーターバック(QB)ベイカー・メイフィールドは試合終了まで残り1分を切っていた状況でエバンスを見つけてパスを通した。ボールを受け取ったエバンスはそこから7ヤードを駆け抜け、1,000ヤード超えシーズンの連続達成数でライスと並び、レイモンド・ジェームス・スタジアムの観客を熱狂の渦に巻き込んだ。

それは、バッカニアーズファンが何十年も語り継ぐ瞬間になると同時に、エバンスをチーム史上最高の選手の1人として位置づけ、殿堂入りへの道を開くものとなった。2025年シーズンは困難の連続だったが、エバンスはシーズン第15週に復帰すると、今もなお十分な力を発揮できることを示し、自身の不在でチームに欠けていたビッグプレーを生み出す能力を発揮した。

バッカニアーズにはその力が必要だ。バッカニアーズは直近の6試合で5敗を喫したことで、カロライナ・パンサーズに残り3週間でNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)南地区の優勝争いに再び食い込むチャンスを与えている。

ある意味では、2025年シーズンを通して負傷者が相次いでいたにもかかわらず、バッカニアーズがここまで踏みとどまれていること自体が立派な成果だと言える。WRクリス・ゴッドウィンは数週間前にすでに復帰していたが、エバンスが復帰してから初めてこの強力なレシーバーコンビは本来の姿を取り戻し始めた。

シーズン第15週に29対28で敗れたアトランタ・ファルコンズ戦で、エバンスはターゲット12回、キャッチ6回、132ヤードを記録。その中にはメイフィールドとの抜群の連携によって生まれたビッグプレーも含まれていた。ゴッドウィンもエバンスの復帰による恩恵を受け、キャッチ4回で20ヤード、タッチダウン1回をマーク。さらに、2ポイントコンバージョンにも成功した。

バッカニアーズは力が及ばずファルコンズに敗れたが、オフェンス面での成功により、5勝1敗の好スタートを切った頃の攻撃力を再び取り戻せると信じる理由を手に入れている。

エバンスは自身とゴッドウィンの復帰について「俺たちが再集結したらどうなるか、どんなふうになれるかを考えていた。世界最高のレシーバー陣の1つになるからね。俺たちは今、その状態に戻り、このチームがプレーを成功させ続けることに貢献しようとしている」と語った。

WRジェイレン・マクミランも復帰の波に乗ってシーズン第15週に今季初出場を果たし、新人WRエメカ・エブカへの依存度が高かったレシーバー陣に厚みを加えた。理論上、4人全員がそろったことで、バッカニアーズ(7勝7敗)は残りの3試合でオフェンス面での成果をさらに上げられるはずだ。今週日曜日を含め、バッカニアーズはそのうち2試合で地区ライバルのパンサーズ(7勝7敗)と対決する。

成果を上げることができれば、バッカニアーズファンはエバンスが1年前に連勝記録を伸ばしたときと同じように満足するだろう。今回は、記録は重要ではないが、勝つことは間違いなく重要だ。

【RA】