チーフスTEトラビス・ケルシーの引退決断に助言する兄ジェイソン、「時が経てば答えは見えてくる」
2025年12月18日(木) 12:39
フィラデルフィア・イーグルスの元センター(C)ジェイソン・ケルシーほど、弟が直面している葛藤を理解している人物はいないだろう。人生のすべてを捧げてきたフットボールから、いつ身を引くべきか。その決断の重みを、身をもって知っている。
カンザスシティ・チーフスがプレーオフ争いから正式に姿を消した今、次にチームが直面する大きな課題は、タイトエンド(TE)トラビス・ケルシーの去就だ。37歳で迎える来季、14年目のシーズンに復帰するのか。それともスーパーボウル制覇3回という実績を携え、第一線を退き、5年後に金のジャケットを手にする時を待つのか。
現地15日(月)、ピッツバーグ・スティーラーズの本拠地で行われた試合を前に、現在は同ネットワークのアナリストを務めるジェイソン・ケルシーにこの話題を振るのは、『ESPN』にとってごく自然な流れだった。
『Kansas City Star(カンザスシティ・スター)』によれば、トラビスの引退の可能性について問われたジェイソンは、「自分の意見としては、その決断を本当に下すには、一度フットボールから少し距離を置く必要がある」と語ったという。
「残りの3試合をプレーして、チームメイトやコーチたちとその時間を楽しんでほしい。来年戻ってくるかどうかに関係なく、チームは必ず変わる。だからこそ、この3試合を全力でプレーしてから、ゆっくりと現実を受け止めればいい。時間が経てば、自然と答えは見えてくる」
「シーズン直後というのは、特に今シーズンのような展開のあとだと、さまざまな感情が入り混じるものだ。今はまだ気持ちが整理できていなくて当然。一度距離を置いて、じっくり考える時間が必要になる。そうすれば、自ずと答えは見えてくる」
ジェイソン・ケルシーの現役生活は、2023年シーズンにイーグルスがワイルドカードで敗退した瞬間に幕を閉じた。タンパベイ・バッカニアーズに敗れ、フィールドを後にする姿は、すでにその覚悟を固めているかのようだった。
一方のトラビス・ケルシーは、2023年に7年連続で記録していた1,000ヤード超えのシーズンが途切れて以降、状況が好転していない。昨シーズンは16試合で823ヤードを記録。今年も現時点で797ヤードに到達しており、残り3試合でその数値を上回る可能性はあるものの、キャッチ数は合計81回のペースにとどまり、2015年以来最も少ない数字になる見込みだ。
将来の殿堂入りが確実視されているケルシーは、2026年にフリーエージェントとなる予定だが、現役を続行する場合はチーフスでプレーすると見られている。
昨季の第59回スーパーボウルでの大敗を受け、オフシーズンにはモチベーションを取り戻し、スリムな体型で復帰したと報じられていたケルシー。しかし今季は、ベテランの苦戦がはっきりと表れ、パスを落とす場面が目立っている。
最大の疑問は、ケルシー自身が華々しい引退ではなく、静かに幕を下ろす形でキャリアを終えることに納得できるかどうかだ。4度目のロンバルディトロフィーを掲げて表彰台に立つのではなく、プレーオフ進出を逃し、最後のパスをクオーターバック(QB)パトリック・マホームズではない誰かから受けるような終わり方だ。
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