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2026年にベンガルズを退団している状況は「想像できない」とQBバロウ

2025年12月18日(木) 13:39

シンシナティ・ベンガルズのジョー・バロウ【AP Photo/Jeff Dean】

クオーターバック(QB)ジョー・バロウ率いるシンシナティ・ベンガルズは3年連続でプレーオフ争いから脱落したが、このチームでプレーを続けたいというバロウの情熱が失われたわけではない。

バロウが最近、この仕事を続けるなら楽しむ必要があると発言したことを受け、さまざまな憶測が飛び交っている。現地17日(水)、2026年にベンガルズでプレーしない可能性があると予想しているのかと質問されたバロウは「いや、そんなことは想像できない」と答えた。

その一方で、他チームでプレーすることについて考えたことがあるかという質問には、やや控えめに「いろいろなことを考えることはある」と返答している。

さらに、NFLは何が起こるか分からない世界だと説明したバロウは次のようにコメントした。

「毎年、信じられないようなことがたくさん起こっている。今年はマイカ・パーソンズがシーズン開幕前にトレードされた。とんでもないことが起こり得るんだ」

これまでの負傷歴や、ベンガルズがプレーオフ争いから脱落していることを踏まえ、バロウがこれ以上出場すべきではないとの考え方もあるが、バロウ本人は今のところ、最後の数試合を戦い抜くことに集中している。

結局のところ、感謝祭の日に復帰したバロウは、2025年シーズンの大半を普段着で観戦せざるを得なかった。2025年に戦うべき理由がなくなったこともあり、頻繁に負傷し、手術を受けたつま先を保護するために特殊なスパイクを履いているフランチャイズQBのバロウが、残りの3試合で健康を犠牲にしてまでプレーする意味があるのかと疑問視されるのは当然とも言える。

そうした声を聞くのにうんざりしているバロウは次のように語った。

「フットボールをプレーするのが好きなんだ。ケガから復帰しようと頑張ったのも、今週にプレーしたいと思ったのも同じ理由だ。まるですべてが、みんなが俺にプレーをさせないように全力を尽くしている気がする。俺はそれに抗い、みんなに抵抗しているような気分だ。ただフットボールをプレーしたい。望んでいるのはそれだけだ」

バロウの発言は解釈の余地を残すものとなり、結果としてさまざまな憶測を呼んだ。

2021年と2022年にAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)チャンピオンシップゲームに連続出場(うち1回で勝利してスーパーボウルに出場)したベンガルズは、3年連続でプレーオフ進出を逃し、一部ではヘッドコーチ(HC)ザック・テイラーの去就に疑問の声もあがっている。バロウがテイラーHCやジェネラルマネジャー(GM)デューク・トビンに言及した可能性も考えられるものの、その考えを突き詰めると根拠のない推測にたどり着くだろう。

バロウが最近のインタビューで“プレーを続けるにはフットボールを楽しむ必要がある”と語ったことも事態を悪化させている。ベンガルズはこの3シーズン、大きな逆境に直面しながらプレーオフ争いに残るために苦闘していたため、楽しい時間を過ごしていたとは言い難い。また、バロウはその間に頻繁に負傷欠場を余儀なくされていた。

メディア対応での発言ぶりから、バロウが退団を狙っているのではないか、あるいは組織に変化を促すために圧力をかけているのではないかと考える人もいる。また、チームの不振が続いていることから、バロウがかつてのバリー・サンダースのように全盛期に引退してしまうのではないかと危惧する声もある。しかし、少なくとも現時点でそれはリアリティに欠ける考えだと言えよう。

「考えはするけど、人生ではいろんなことを考えるものだ。みんなと同じようにね」とバロウは話している。

「起こる可能性があることはすべて考えるものだろ。俺は長くプレーし続けるつもりだ。長い間、良いプレーを、安定して続けていきたいと考えている」

バロウは水曜日の発言で、突然引退する懸念を払拭したが、毎年12月に同様の不甲斐ない結末を迎えることにうんざりしているのは明らかだ。ベンガルズが過去2年間でワイドレシーバー(WR)のジャマール・チェイスおよびティー・ヒギンズの契約延長をサラリーキャップ内で実現させたことで、バロウの願いはすでにかなえられている。しかし、プレーオフ進出を連続して逃している状況では、バロウがそれだけで満足することはないだろう。

責任はバロウにもある。2023年シーズンはバロウが手首を負傷して戦線離脱し、ジェイク・ブラウニングが先発せざるを得なくなったことでチームは低迷した。また、2024年はバロウがシーズンを通して健康だったにもかかわらず、守備陣が重要な試合で失点を防げずに崩壊した。今季は先週日曜日にバロウが2回のインターセプトを喫し、地区ライバルのボルティモア・レイブンズに24対0で敗れたことで、プレーオフ進出の望みは完全に絶たれた。

バロウの発言から判断すると、チームの責任者たちはさらなるミスを防ぐため、バロウをリスクから守ろうとしているのかもしれない。ただし、チーム内の誰かが出場を阻止しようとしているのかと尋ねられた際に、バロウはそれを否定している。

2025年シーズンのベンガルズにとって、残りの試合はあまり重要ではない。とはいえ、次のオフシーズンはこれまで以上に重要になるかもしれない。

【RA】